特別企画展「やまと絵のこころ」を開催します ~国宝「寝覚物語絵巻」から、幕末の復古やまと絵師・岡田為恭まで~
近鉄グループの文化事業である大和文華館では、2024年1月5日(金)から2月18日(日)まで、特別企画展「やまと絵のこころ」を開催いたします。
やまと絵は、平安時代に日本の風物を描いたことから始まりました。細やかに描き込まれた四季のうつろい、繊細な人物描写によりあらわされた感情、鮮やかな絵具やきらびやかな金銀の装飾といった特徴が挙げられます。本展で紹介するのは、やまと絵の伝統を受け継ぎながら制作を行った絵師たちです。中でも、幕末期の岡田為恭(おかだためちか)は、平安・鎌倉時代の古絵巻の原本を熱心に学んだことで知られています。2023年は為恭が生まれてから200年、2024年は没後160年に当たる節目の年であり、これを記念して大和文華館所蔵の為恭作品4件を一挙に展示します。
時代を経る中でやまと絵という概念は広がっていき、そこには多様な作品が含まれるようになりますが、常にその核心には、日本の自然や風俗を主題にした親しみやすさと、色彩や描線の優美さがあったといえるでしょう。本展では、やまと絵の根底に流れつづけた美の本質すなわち“やまと絵のこころ”に迫ります。
詳細は別紙のとおりです。
国宝 寝覚物語絵巻(部分)
平安時代 大和文華館蔵
伊勢物語八橋図(部分) 岡田為恭筆
江戸時代後期 大和文華館蔵
別紙
<1> 展覧会詳細について
1.名称 特別企画展 やまと絵のこころ
2.会期 2024年1月5日(金)~2月18日(日)
3.休館日 毎週月曜日
4.開館時間 午前10時~午後5時(入館は午後4時30分まで)
5.入館料 一般 630円、高校・大学生 420円、小学・中学生 無料
6.主催 大和文華館
7.出陳品数 35件
主な展示作品
●=国宝 ◎=重要文化財
やまと絵の原点
●寝覚物語絵巻 平安時代後期 大和文華館蔵
◎源氏物語浮舟帖 鎌倉時代 大和文華館蔵
◎小大君像(佐竹本三十六歌仙絵断簡) 鎌倉時代 大和文華館蔵
やまと絵の継承と変容
源氏物語図帖 伝土佐光吉筆 桃山時代 大和文華館蔵
源氏物語図屏風 伝岩佐又兵衛筆 江戸時代前期 大和文華館蔵
三十六歌仙敦忠像 伝岩佐又兵衛筆 江戸時代前期 大和文華館蔵
琳派の絵画と装飾
伊勢物語図色紙(六段 芥川) 伝俵屋宗達筆 江戸時代前期 大和文華館蔵
草花図屏風 伊年印 江戸時代前期 大和文華館蔵
◎扇面貼交手筥 尾形光琳筆 江戸時代中期 大和文華館蔵
◎武蔵野隅田川図乱箱 尾形乾山筆 江戸時代中期 大和文華館蔵
瓶花図 酒井抱一筆 江戸時代後期 大和文華館蔵
為恭の復古やまと絵
小野小町図 田中訥言筆 江戸時代後期 個人蔵
拾集古器図冊 岡田為恭筆 江戸時代後期 大和文華館蔵
粉河寺縁起模本 伝岡田為恭筆 江戸時代後期 個人蔵
善教房絵詞模本 岡田為恭筆 江戸時代後期 大和文華館蔵
春秋鷹狩茸狩図屏風 岡田為恭筆 江戸時代後期 大和文華館蔵
伊勢物語八橋図 岡田為恭筆 江戸時代後期 大和文華館蔵
重盛諫言図 岡田為恭筆 江戸時代後期 奈良県立美術館蔵
(1月5日~1月28日展示)
足柄山図 岡田為恭筆 江戸時代後期 奈良県立美術館蔵
(1月30日~2月18日展示)
<2> 展覧会会期中のイベントについて
1.特別講演「訥言から為恭へ―復古思潮と古典学習―」
(1)日時・場所 2月4日(日)午後2時から講堂にて
(2)講師 徳川美術館学芸部部長代理 吉川美穂氏
2.日曜美術講座「為恭のやまと絵―人物表現と空間構成―」
(1)日時・場所 1月28日(日)午後2時から講堂にて
(2)講師 大和文華館学芸員 仁方越洪輝
3.列品解説
(1)日時・場所 毎週土曜日午後2時から展示場にて
(2)解説 大和文華館 学芸部
4.無料招待デー 2月6日(火)
※何れのイベントも参加は無料ですが、入館料が必要です。
※講堂の最大定員は 100 名です(先着順)。
以 上