東日本大震災復興支援から生まれたスイーツで能登の復興を支援 アンスリウムのスイーツを大学祭で販売し、売上の一部を寄付
近畿大学農学部(奈良県奈良市)、パン・洋菓子・和菓子専門店を運営する株式会社グリム(福島県川俣町)、福島県川俣町は、東日本大震災復興支援の一環として、川俣町の特産品であるアンスリウムをかたどった「アンスリウムスイーツ(クッキー・チーズケーキ・ラスク)」を産官学連携により企画・開発し、川俣町内の道の駅やイベントで販売してきました。令和6年(2024年)11月2日(土)・3日(日・祝)に近畿大学奈良キャンパスで開催される農学部祭にてこのアンスリウムスイーツを販売し、売り上げの一部を日本赤十字社を通して能登半島の復興支援に寄付します。
【本件のポイント】
●東日本大震災復興支援として近畿大学が栽培支援・普及活動を行い、川俣町の特産品となった「アンスリウム」の形のスイーツ3種を農学部祭で初めて販売
●「アンスリウムカフェ」として、奈良産の大和茶やハーブティーと共にアンスリウムスイーツを販売
●売上の一部を、日本赤十字社を通して能登半島の復興支援へ寄付
【本件の内容】
近畿大学では、「大学等の『復興知』を活用した人材育成基盤構築事業(事業名:"オール近大"川俣町発・復興人材育成プロジェクト)」を活用し、農学部が中心となって、福島県川俣町の関係者と共同で地域資源を生かした商品やメニューの開発等を行っています。
その一環として、福島県内で人気のパン・洋菓子・和菓子専門店を運営する株式会社グリム、福島県川俣町との産官学連携により、令和2年(2020年)3月に第1弾として「アンスリウムクッキー」を、令和4年(2022年)11月に第2弾として「アンスリウムチーズケーキ」を、令和5年(2023年)8月に第3弾として「アンスリウムラスク」を企画・開発・販売してきました。アンスリウムは、近畿大学が川俣町の震災復興支援の一環として栽培支援や普及活動を行ってきた観葉植物で、現在では川俣町の特産品になっています。スイーツの商品化にあたっては、近畿大学農学部食品栄養学科 栄養教育学研究室(担当:講師 明神千穂)、農業生産科学科 農業経営経済学研究室(担当:教授 大石卓史)の学生が、商品企画とレシピ考案、川俣町役場・製菓業者との試作品の試食・評価などを担当しました。
今回は、農学部食品栄養学科の食育ボランティアサークル「近大ヘルスチーム菜良」の学生が、第58回農学部祭において「アンスリウムカフェ」を開き、アンスリウムスイーツを提供します。オーガニックの緑茶ラテ・ほうじ茶ラテなど奈良産の大和茶やハーブティーと共にアンスリウムスイーツ3種を販売し、売上の一部を、今年9月に発生した「令和6年奥能登豪雨」による被害への復旧・復興支援を目的に、日本赤十字社を通して寄付します。なお、農学部祭でアンスリウムスイーツを販売するのは今回が初となります。
【販売概要】
商品名 :アンスリウムクッキー(ストロベリー、ピスタチオ、キャラメル、パンプキン、ココア)
アンスリウムチーズケーキ(ストロベリー、抹茶、キャラメル、パンプキン、プレーン)
アンスリウムラスク(ストロベリー、抹茶、パンプキン)
販売日時:令和6年(2024年)11月2日(土)10:00~17:00
11月3日(日・祝)10:00~16:00
販売場所:近畿大学奈良キャンパス(農学部)
(奈良県奈良市中町3327-204、近鉄奈良線「富雄駅」からバス約10分)
販売価格:アンスリウムクッキー 1枚 100円(税込) 200個限定
アンスリウムチーズケーキ 1個 250円(税込) 120個限定
アンスリウムラスク 3枚入り 200円(税込) 20個限定
※いずれも農学部祭での特別価格であり、通常販売時の定価とは異なります。
※販売個数は2日間の合計です。
お問合せ:近畿大学農学部食品栄養学科 担当:明神 TEL(0742)43-7604
【アンスリウム】
ハート型の花とプラスチックのような質感を持ち、鮮やかな美しい葉を持つ人気の観葉植物。花持ちが1カ月以上と長いことから切花としても人気があり、鉢植えも同様に花持ちがよいのが特徴です。熱帯アメリカ原産で、国内で流通しているものの多くは台湾などからの輸入品です。
近畿大学は、東日本大震災復興支援のための「"オール近大"川俣町復興支援プロジェクト」の一環として、平成25年(2013年)に川俣町にビニールハウスを設置し、本学教員の指導のもと、ポリエステル媒地を使用したアンスリウムの栽培支援と研究を継続的に行っています。
【近畿大学と福島県川俣町の連携】
近畿大学は、平成24年(2012年)に「"オール近大"川俣町復興支援プロジェクト」を立ち上げ、東日本大震災からの復興に取り組む福島県川俣町の支援を行っています。平成29年(2017年)には、川俣町役場との間で包括連携協定を締結しました。また、平成30年度(2018年度)から令和2年度(2020年度)は「大学等の「復興知」を活用した福島イノベーション・コースト構想促進事業」、令和3年度(2021年度)からは「大学等の「復興知」を活用した人材育成基盤構築事業」をそれぞれ活用し、さらなる復興支援や連携強化に取り組んでいます。
【大学等の「復興知」を活用した人材育成基盤構築事業】
大学等が有する福島県復興に資する知を集積・活用するため、大学等による連携体制の形成や特色ある教育研究プログラムの開発・実施を支援することにより、福島イノベーション・コースト構想の実現に向け、イノベーションを生み出す高度な人材の長期的な教育・育成の基盤を構築することを目的とした事業。近畿大学は本事業の採択を受け、令和3年度(2021年度)から5年の予定で事業を実施しています(事業名:"オール近大"川俣町発・復興人材育成プロジェクト)。本事業では、複数の重点分野(A:農業・食、B:原子力・除染・リスクコミュニケーション、C:観光、D:集落復興・コミュニティ再生、E:SDGs)を設定し、川俣町を拠点に、学生、地域関係者の双方を対象とした教育研究プログラムを開発し、小中学生から社会人までのさまざまなターゲットに対して実施します。
【ヘルスチーム菜良】
奈良県下の管理栄養士養成課程を持つ4大学(近畿大学・奈良女子大学・畿央大学・帝塚山大学)で構成されている食育ボランティアサークルで、本学からは食品栄養学科の学生約60名が「近大ヘルスチーム菜良」として所属しています。地域住民の健康保持・増進を目指して、産官学で連携して行う健康的なレシピの開発や販促提案、子ども向けの料理教室などのほか、令和7年(2025年)に開催される「大阪・関西万博」で販売する弁当の開発を奈良県と連携して行うなど、さまざまな取り組みを行っています。
【関連リンク】
農学部 食品栄養学科 講師 明神千穂(ミョウジンチホ)
https://www.kindai.ac.jp/meikan/1065-myoujin-chiho.html
農学部 農業生産科学科 教授 大石卓史(オオイシタカフミ)
https://www.kindai.ac.jp/meikan/1245-oishi-takafumi.html