ヒロセ通商、「Oracle Coherence」を活用し、FX取引システムを全面刷新

日本オラクル株式会社(本社:東京都港区北青山、代表執行役社長 最高経営責任者:遠藤 隆雄、以下 日本オラクル)は本日、ヒロセ通商株式会社(本社:大阪府大阪市西区新町、代表取締役:細合 俊一、以下 ヒロセ通商)がFX取引(Foreign Exchange、外国為替証拠金取引)の顧客口座数の急増への対応と安定的な取引環境の提供を目的に、オラクルのインメモリ・データグリッド製品*「Oracle Coherence」(オラクル・コヒーレンス)を活用して、FX取引システムを全面刷新したと発表しました。

  • インメモリ・データグリッド製品:複数サーバーで仮想的な共有メモリ領域を実現することにより、大量のデータを高速処理する技術

本システムは、金融情報系システムの開発、提供を得意とするフラクタルシステムズ株式会社(本社:東京都千代田区岩本町、代表取締役社長:中川 正弘、以下 フラクタルシステムズ)が「Oracle Coherence」を活用して開発したFX取引企業向けの取引システム「U-Forex1」をベースにしています。

ヒロセ通商は、FX取引と呼ばれる金融商品を専門に取り扱う成長企業です。現在のFX市場は証拠金の数百倍もの投資が行えるため、個人投資家の規模と取引量はこの市況下においても拡大傾向にあります。外国為替証拠金取引では商品取引所を通す必要がなく、FXサービス提供会社が取引システムを独自に構築すれば市場参入できるため、取引の約定処理能力が市場優位性に密接にかかわっています。その一方で、金融庁による個人投資家の保護政策を推進するための規制強化が計画されており、取引システムのさらなる整備が必要視されています。

FX取引では、投資損失が一定額を超えるとロスカットルール*により強制的に反対売買が行われます。ロスカットの判断は、取引時間中はほぼリアルタイムに行われますが、判定処理に時間がかかると、その間に顧客の損失が膨らむ可能性があります。したがって、取引の約定処理のみならず、ロスカットにおける顧客損失を最低限に抑えるためにも、システムの高速処理性能がきわめて重要であり、結果的に、競合他社が多い環境下では、システム処理性能の差が顧客口座数獲得に大きく影響します。
*ロスカット:預託された資金以上の損失を防ぐため、一定の損失が発生した場合に、各金融機関の規定に基づき自動的かつ強制的に取引を終了する制度

ヒロセ通商は、2004年に対面取引でFX事業を開始し、同年11月には海外製為替システムを利用したオンライン取引のサービス提供を開始しました。その2年後、同社は自社のオンライン取引サービスへの全面移行に向けて、口座数の急激な増加に対応すべく、1秒間の同時接続数2,000、50通貨ペア取引を可能にするスケールアウト可能なシステムを2007年5月より導入しました。

しかし、同社のサービスは、口座数を大きく伸ばしたことに加えて、取引通貨ペアの種類が業界で最も豊富で、かつ最低取引通貨単位が小さいという特長によって、予想をはるかに超えるトランザクションが発生し、さらなるシステムの全面的な改善が急務となっていました*。
*業界での一般的な取引は1万円を1単位として行われますが、同社の顧客は最小単位の取引として1000円から行うことができるため、同じ1万円の取引でもシステム面の処理量は10倍のトランザクション(1000円X 10単位)が必要となります。

同時に、ヒロセ通商では、IT投資を抜本的に見直し、一時的に莫大な投資を行い投資回収までにシステムが陳腐化する可能性がある階段状な投資ではなく、トランザクションの増加にともなってシステムを追加する、リニアな投資方法を求めていました。

このような背景から、同社では、2009年9月、「Oracle Coherence」を活用したFX取引システム「U-Forex1」を導入し、既存システムの全面的な刷新に成功しました。システムの処理能力は大幅に向上しており、たとえば、ロスカット処理の検証においては、従来のシステムでは、10万口座10万ポジションでのロスカット処理に数分かかっていたものが、新システムでは10数秒で完了します。

なお、本システムは、「Oracle Coherence」を中核として、「Oracle WebLogic Server」、「Oracle JRockit」および「Oracle Database」、「Oracle Real Application Clusters」も活用されています。これは、フラクタルシステムズによるコンサルティング支援とシステム構築で実現されています。

ヒロセ通商では、外国為替の価格情報の情報配信サービスなど、顧客向けサービスのさらなる拡充を目指しています。

●「Oracle Coherence」 について
「Oracle Coherence」は、複数ハードウェアを横断した仮想的な共有メモリ領域を実現し、ハードウェアのメモリ上限値に依存しないインメモリ高速処理を可能にするサーバー製品です。この共有メモリ領域内でメモリ・データのバックアップを内部的に維持することによって、ハードウェアやネットワークの障害を透過的にフェールオーバーする、高信頼性インメモリ・データ管理を可能にします。大量データに対するデータ処理や計算処理の高速化、金融機関やオンラインストアなどの大量のリクエストを高速処理するための基盤として利用されています。

●関連リンク
「Oracle Coherence」製品概要
製品ニュースリリース:
オラクル、「Oracle Coherence 3.3」の提供開始を発表
事例ニュースリリース:
インタートレード、「Oracle Coherence」を活用し、証券トレーディングシステムの新製品を開発
フラクタルシステムズ、「Oracle Coherence」を活用し、高速取引を実現する外国為替証拠金取引システムを開発

●ヒロセ通商について
設立:2004年3月18日
外国為替証拠金取引(ネット専業FX)を扱う会社。近畿財務局長(金商)第41号
顧客ニーズを迅速に実現することをモットーとしている。
http://hirose-fx.co.jp/ TEL:06-6534-0708 FAX:06-6534-0710

●フラクタルシステムズについて
設立:1997年3月12日
おもな事業: 金融情報系システムやオンライントレードシステムの開発と提供
(商品、外国為替および証券オンライントレードシステム、金融情報系システム、ECサイト向け電子商取引システムなど)
TEL: 03-5822-2551  FAX: 03-5822-2555
http://www.fractal.co.jp

●日本オラクルについて
日本オラクル株式会社は、オラクル・コーポレーションの日本法人として1985年に設立されました。国内を拠点とした情報システム構築のためのソフトウェア製品、ソリューション、コンサルティング、サポートサービス、教育の事業を展開しています。1999年2月5日に店頭市場へ株式公開、2000年4月 28日に東証一部上場。従業員数2,226名(2009年 5月末現在)。

■本件に関するお問い合わせ先:
日本オラクル株式会社 広報室 小林
TEL: 03-6834-4836 FAX: 03-6834-6144 E-mail: Mamoru.Kobayashi@oracle.com
プレスルーム http://www.oracle.co.jp/press
YouTube日本オラクル広報チャネル http://jp.youtube.com/user/oraclejapanpr

  • 文中の社名、商品名等は各社の商標または登録商標です。本資料は、弊社の一般的な製品の方向性に関する概要を説明するものです。また、情報提供を唯一の目的とするものであり、いかなる契約にも組み込むことはできません。以下の事項は、マテリアルやコード、機能を提供することをコミットメント(確約)するものではないため、購買決定を行う際の判断材料になさらないで下さい。オラクル製品に関して記載されている機能の開発、リリースおよび時期については、弊社の裁量により決定されます。
  • Oracleは、米国オラクル・コーポレーション及びその子会社、関連会社の米国及びその他の国における登録商標です。
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