【熱海・土石流被害】あの日から1カ月

避難生活を支える「移動の足」

静岡県熱海市で起きた大規模な土石流被害から1カ月が経ちました。

厳しい暑さの中、今も行方不明者5人の方の捜索が続けられ、市内2カ所の避難所には約300人が身を寄せています。捜索活動の縮小によって立ち入り禁止区域が見直され、帰宅できるようになった住宅が増えていますが、被災した方々の生活再建をどのように支えていくかが課題となっています。

多くの皆様のご支援に支えられ、公益社団法人Civic Force(東京都渋谷区、根木佳織代表理事)はこの1カ月、土石流被害の影響で交通手段にお困りの方を対象とした移動サポートや物資支援などの活動を実施しました。

移動支援

避難所と学童を結ぶ「送迎ミニバン」

「避難所から学校や学童までの距離が遠く、子どもたちの送迎が大変」。避難所や伊豆山地区での調査の中でそんな声を聞き、7月19日から(日・祝を除く)、避難所と学童を結ぶ送迎車両を運行しましています。地元企業の熱海第一交通(株)と協力して、朝1回・夕2回合わせて3便のミニバンを運行。これまでに小学生延べ90人が利用しました。

◎利用者のニーズに応える「タクシーチケット」

土石流被害の影響で交通手段にお困りの方を対象に、無料のタクシーチケット(1,000 円×6枚/1人)を配布しています。7月21日から浜会館と仲道公民館で、町内会の皆さんらと協力しながら配布を開始。その後、「避難所や岸谷地区でも配付してほしい」との声が寄せられ、さらに4カ所で配付しました。7月27日から8月2日までの利用者数は延べ102人。タクシーの運行に当たっては熱海第一交通(株)と協力しています。

利用した方からは「このチケットで持病の治療で通っている病院に行ける」「引きこもりがちだったが気持ちも明るくなった」などの声が聞かれ、さらに近隣の地区や一時帰宅のための活用についてもニーズが寄せられ、現在順次配布に向けて準備を進めています。

なお、タクシーチケットのアイデアは、2019年8月の佐賀豪雨の際、Civic Forceが佐賀県大町町で地域の企業とともに実施したタクシーチケット支援の経験が生かされています

◎買い物の足をサポートする「往復バス」

国道の通行止めが続いていた7月23〜31日(日曜を除く)、土石流被害にあった伊豆山地区・七尾団地から隣町の湯河原までを結ぶ無償の臨時バスを運行しました。ニーズ調査に基づき、買い物スポットや公民館など8カ所に停車する往復便を1日1便運行し、足の不自由な方や高齢の方などに利用されました。利用者からは「支給されている弁当は油物が多く、野菜を買いたかった」「バスの本数が減り買い物へ行きにくくなっていたから助かる」などの声が届いています。運行に当たってはニコーバスと協力しています。

学用品支援

「土石流で学用品を失ってしまった」「一時帰宅で家の中を確認したけれど、もう使えない服や文房具があった」ーー。そんな切実な声を受け、伊豆山小学校と熱海中学校の被災児童・生徒を対象に、体操着、ジャージ、靴など合わせて約90アイテムを提供しました。

家屋の清掃・片付けサポート

立入禁止エリアが緩和された関係で、21日から少しずつ現地でのボランティア活動が始まっています。熱海市災害ボランティアセンター(VC)によれば、7月15日時点で3790人の事前ボランティアが登録していましたが、活動エリアが狭いため、事前登録者のうち熱海市在住者を中心に毎日15〜20人程度が家屋の泥出しや清掃などの活動を続けています。Civic Forceは、災害VCの要請を受けて、各世帯に配布するヘルメット、ブルーシート、懐中電灯などを届ける予定です。

物資支援

Civic Forceではこれまでに、熱海市の物資受け入れセンターや伊豆山地区の公民館、被災各地の物資拠点などに以下の支援物資を届けました。

マスク/アルコールジェル/弁当215食/肌着/氷/蚊取り線香/

◆本件に関する問い合わせ先: 公益社団法人Civic Force 

TEL: 070-1217-7707(熱海担当) 
Email: pr@civic-force.org 
URL: http://civic-force.org/

公益社団法人Civic Forceとは

国内の大規模災害支援を専門とする民間の緊急支援チームです。企業や行政、NGOとの連携を通じて、いち早く被災地に入り、迅速で質の高い支援を実現します。東日本大震災以降、度重なる災害でいち早く出動して緊急支援活動を展開。2019年からは空飛ぶ捜索医療団ARROWSプロジェクトに参画し、佐賀や広島のNPO団体と協力して捜索救助や救急医療、空からの支援体制の強化をはかっています。これまでの緊急支援の実績は、以下の通りです。熱海の土石流被害に対しては7月5日から調査員を派遣して、物資や弁当提供などの緊急支援活動を展開。7月19日からは子どもたちの移動サポートや高齢者対象の無料タクシーチケット配布など、一人一人のニーズに合わせて対応しています。                  

・2012年7月:九州北部豪雨支援
・2014年8月:広島土砂災害支援
・2015年9月:関東大雨災害支援
・2016年4月:熊本地震支援
・2017年7月:九州北部豪雨支援
・2018年7月:西日本豪雨支援
・2018年9月:北海道胆振東部地震支援
・2019年10月:台風19号支援(継続中)
・2020年7月:九州豪雨支援(継続中)
・2021年1月:新型コロナウイルス緊急支援(継続中)


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