その倦怠感『腸冷えからくる秋バテ』が原因かも?体内発酵で腸冷え予防

 イヌリア素材事務局では、健康維持の要は大腸であるという考えのもと、大腸内で起こる発酵を意味する『体内発酵』とそれにより作り出される『短鎖脂肪酸』の重要性について定期的に情報発信して参ります。
※体内発酵とは・・・大腸内で水溶性食物繊維などが善玉菌に発酵され、『短鎖脂肪酸』など有用物質が作り出されること。

 8月は猛暑が続き、9月以降も厳しい残暑が懸念されています。暑さに加えて長引くウイルス感染対策のストレスでいつも以上に疲れを感じている人も多いのではないでしょうか。ストレスを抱えると腸の不調にも繋がりかねません。
 『脳腸相関』と言われるほど脳と腸は密接な関係で、“脳から腸へ”だけでなく“腸から脳へ”も様々な指令が出ています。このような関係から、腸内環境を整えることでストレス緩和につながるとも言われています。
 また、秋は朝晩の気温差が激しく体温調節が難しい季節です。特に腸は“冷え”に敏感な臓器で、腸が冷えて動きが鈍ると便秘などの不調以外にもストレスや倦怠感を感じやすくなるなど身体全身に悪影響を及ぼします。これこそ、腸冷えからくる秋バテです。

 腸冷えからくる秋バテ予防には、空調などで冷える外的要因の他、普段の食事で腸を冷やさないこと、崩れにくい腸内環境を作っていくことが重要です。水溶性食物繊維を食べることにより腸内で作られる『短鎖脂肪酸』(※1)は、体温を上昇させ、エネルギー消費を増やします。また、善玉菌のすみやすい環境を作り、腸内環境を改善します。それ以外にも、免疫力の向上や腸管バリア機能強化、肥満抑制、血糖値上昇抑制などに働くことが報告されています。(※1)酪酸、酢酸、プロピオン酸のような有用物質のこと。

 『短鎖脂肪酸』を多く作り出すには、善玉菌のエサとなる水溶性食物繊維を意識的に摂取することが大切です。すでに欧米では、水溶性食物繊維の中でも最もメジャーな『イヌリン』に注目が集まっており、日本でも近年広がりを見せています。『イヌリン』は、ごぼう、たまねぎ、にんにくなどに多く含まれる他、ヨーグルトや飲料、パンやお菓子など幅広い商品に使用されています。最近では、粉末タイプのサプリメント商品も販売されており、1日に不足しがちな水溶性食物繊維を手軽に摂取できるようになりました。

<記事監修>
松生恒夫(まついけ つねお)
松生クリニック院長/医学博士。1955年東京都生まれ。1980年東京慈恵会医科大学卒業。同大学第三病院内科助手、松島病院大腸肛門病センター診療部長を経て、2004年松生クリニック開業。日本内科学会認定医、日本消化器内視鏡学会認定専門医・指導医、日本消化器病学会認定専門医。専門領域は大腸内視鏡検査(現在までに5万件以上を施行)、生活習慣病としての大腸疾患、地中海式食生活など。テレビ、ラジオなどメディア出演、著書多数

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