リクルート『リクナビNEXT Tech総研』の研究レポート、夏野 剛氏・デンソー開発チームがマイクログリッド対談

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■夏野 剛氏が、デンソー開発チームと、マイクログリッドの未来を語る
新たなエネルギーサービスを生み出すために必要なイノベーションとは──
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 デンソーは自動車業界で培ったシステム提案力をベースに、いま商業店舗や物流面で、マイクログリッドを軸にした新しい低炭素化ビジネスの開発を進めています。そこで生まれるイノベーションとは何か、実現のための課題は何か、どういった技術と人材がそれを担うのでしょうか。「iモード」を立ち上げたの夏野 剛氏と、デンソー開発チームのプロジェクトリーダーたちが語り合います。

 経産省の次世代エネルギー・社会システム実証試験が、いま豊田市など全国4都市で始まっています。中でも豊田市の実証プロジェクトは、企業、住民、自治体が一体となって、マイクログリッドを活用し、家庭や地域でのエネルギーの有効利用や低炭素交通システムの構築を進めようというもの。プロジェクトを進めるコンソーシアムである豊田市低炭素社会システム実証推進協議会の1社として、デンソーも積極的に参加しています。とデンソーDPマイクログリッド開発室長金森氏が語ります。

 例えば、住宅分野では、豊田市低炭素社会システム実証推進協議会と一緒にスマートハウスを実際に建て、HEMS(ホーム・エネルギー・マネジメント・システム)を核にしたエネルギー活用を実証したり、住宅の充電器にPHV(プラグイン・ハイブリット車)をつないで、V to H(ビークル・トゥ・ホーム)の実験を行ったりしています。物流・流通業界を巻き込んだ試みとしては、BEMSというものを提案しています。例えば、宅配車などの商用車とコンビニなど商業施設の電力をつなぐ実験です。それによって、低炭素社会を実現するとともに、さらにどんなイノベーションが起きるかを試しているところだそうです。

 金森氏は、「デンソーが提案している概念では、この「B」を「ビジネスユース」とより広く捉えており、この業界は、省エネ法改正の影響もあって、さらに低炭素化が求められているわけですが、単なる省エネだけでなく、そこに何らかの付加価値を提案したい」と、言います。もともとデンソーは、バーコードやQRコードのリーダーや端末でコンビニ業界と密接な関係があります。物流関係では、冷凍車を持つ宅配業者とアイドルストップのさらに一歩進んだシステムを共同開発しようとしています。

 夏野氏は、「マイクログリッドの話というと、一般家庭と乗用車を対象にビジネスモデルを描く企業が多いのですが、個人の住宅や乗用車でエネルギー削減効果を上げることはなかなか難しい。それよりも、ここでいう商用車と商用拠点のエネルギー効率を高めることが大切だと思います」と考えを述べています。

 コンビニもいかに無駄な物流をなくすか、宅配業者もいかに無駄な配達をしないかということで、徹底的に合理化してきた業界ですので、よりエネルギー効率がよい新しいビジネスモデルをどんどん採り入れていく姿勢が見られます。

 本レポートでは、同社のの新事業や、コンビニ業界のイノベーションと連動する新しい社会インフラづくりの構想についても詳しくレポートしています。

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