特定分野の識別力が更に向上!商標判定機能における識別力と要部認定の高精度化へ
株式会社IP-RoBo(本社:東京都港区、代表取締役社長:岩原将文、以下IP-RoBo)は、商標の登録可能性、使用による侵害リスク等の商標調査を支援する人工知能サービス「TM-RoBo(ティーエム・ロボ)」を提供しております。
TM-RoBoの提供機能の中でも、<商標判定機能>は、世界的に類を見ない画期的機能としてすでに多くのユーザ様よりご好評いただいておりますが、この<商標判定機能>の精度を更に向上させる追加機能として、分野限定の<特化型商標判定機能>を開発し、2022年2月8日(火)より提供いたします。
今回の機能追加により、特定分野の商品/サービスを提供する企業、これらの企業を顧客とする特許事務所の商標調査の精度の更なる向上を実現いたします。まずは、第一弾として“化粧品分野”を対象として高精度化いたしましたが、対象分野については順次追加予定です。
■背景
当社は、特許庁、裁判所等の専門家の判断を機械学習した人工知能が、専門家と同等レベルの精度で調査商標の登録可能性等を数値化して表示する「TM-RoBo」を2018年4月にリリースし、その後も新機能を順次追加することにより、商標調査の業務効率を劇的に向上させることを目指してきました。
特に、2020年7月にリリースした<商標判定機能>は、それまでは一連一体のカタカナ称呼を入力して調査することしか事実上できなった従来システムに対して、下記の機能を実現した世界でも類を見ない画期的な機能となっております。
外観どおり(=漢字/ひらがな/アルファベット等のあらゆる文字種別をそのままの表記すること)の文字商標を入力することで、AIが称呼付与と登録商標等との称呼類似度を数値化する
複数語からなる結合商標が入力された場合は、分離観察されうる全ての組合せ語を網羅的に列挙したうえで、組合せ語毎に、分離観察される可能性を判定したうえで出願可能性等に関係する各指標をAIが数値化する
AIの上記の判定理由について、できる限り根拠を示す
上記のうち、分離観察されうる可能性に密接に関連する各語の識別力の判定精度につきましても、専門家に近い正解率を実現していましたが、識別力判定エンジン学習時点での学習データとの関係により、識別力の判定において正確性に欠く結果が出る場合がありました。
この点について、精度向上のために学習データを追加する等、常に改善を図っておりますが、あらゆる商品、役務において、あらゆる語の識別力を正確に判定するためには、非現実的ともいえる膨大な数の学習データが必要となることから、全ての分野で精度を100%に引き上げることは極めて困難です。
また、ある語のある分野における識別力の学習データが、他の分野における当該語や類似語の識別力の学習データと相互に影響しあうことにより、識別力判定精度に悪影響を与え合うことがあります。このため、全分野にわたって識別力を向上させようとすると、精度が頭打ちになってしまうこともありました。そこで、一定の分野に限定して識別力に関する学習データを整備することで、識別力の精度を大幅に向上させる機能を開発する結果に至りました。
■機能概要
特定の分野に絞って収集した識別力データを識別力判定エンジンに投入することにより、特定分野における識別力判定の精度を更に向上しました。
従来の識別力データは商品役務との関係で整理されているため、識別力の判定も主に入力された商品役務との関係から判定されていました。これに対し、新たに開発した<特化型商標判定機能>では、特定分野の識別力データについては、商品役務との関係だけでなく、類似群コードによる整理も行った上で、識別力の判定において、商品役務だけでなく類似群コードの関係でも判定することを可能としています。
今回は、第1弾として“化粧品分野”を特定分野として開発しましたが、今後も対象となる特定分野を順次拡充していく予定です。
■効果
特定分野における識別力判定の精度を更に向上させることで、<商標判定機能>において、当該分野における結合商標が入力された場合、TMC(=各語の識別力と関連する分離観察の可能性の指標)の精度も向上します。そして、TMCを前提として算出されるTMS(=入力商標の安全度の指標)の精度も同様に向上するため、最終的な商標判定そのものが格段に高精度化しています。
<特化型商標判定機能>を導入いただくことで、特定分野(現時点では化粧品分野)の商標調査の精度を更に高めることが可能なため、これまで以上に、TM-RoBoが商標調査を強力にサポートいたします。
知財部の方や弁理士などの専門家にとっては、更なる負担軽減を実現することはもちろん、専門的知識のない事業部やマーケティング部門の方々にとっては、専門家に近い商標調査がより身近になります。
専門的知識のない方でもTM-RoBoを活用することで、ネーミングなどの検討時に、リアルタイムで調査を行うことが可能となり、ある程度スクリーニングをかけた上で知財部や弁理士へ調査を依頼できるため、商標調査における質と量の両立を効率的に図ることできます。
上記のような事業部と知財部における二段階スクリーニングのフローは、これまでも十分可能でしたが、今回の高精度化によりさらに敷居を下げて導入しやすくなりました。
■TM-RoBoとは
商品等の名称として商標を新たに使用したり、商標権を取得しようとする場合、同一または類似の商標が既に出願、登録されていないかを調査することが極めて重要であり、このような商標調査を行うことが一般的に行われています。
ただし、商標調査を行う既存システムでは、表記される商標そのものについて検索する場合(商標検索)には、調査商標との完全一致検索かこれに準じる検索しかできないため、より重要な類似検索を行うことが困難となっています。また、称呼(商標の読み)について検索する場合は類似検索が可能となっていますが、類似の程度まで加味して結果表示することができないために、大量にリストアップされた全ての商標を調査者がしらみ潰しにチェックする必要がありました。これらのことから、商標調査には、高度な専門性に加え、多大な手間とコストがかかっていました。
当社は、特許庁、裁判所等の専門家の判断を機械学習した人工知能であるTM-RoBoを2018年4月にリリースし、その後も追加機能を順次リリースすることにより、最新のAI技術を用いて商標調査の業務効率を劇的に改善することをサポートしています。
現在のTM-RoBoでは、今回新たにリリースした分野特化型の商標判定機能のほかに、下記機能をラインナップしております。
・称呼類否判定機能
・類似群コード検索機能
・称呼一括判定機能
・商標判定機能
・外観部分一致検索機能
・システム連携機能 etc
公式Webサイト:https://ip-robo.co.jp/tm-robo/
■株式会社IP-RoBoについて
社 名 :株式会社IP-RoBo( https://ip-robo.co.jp/ )
代表者 :代表取締役社長 岩原 将文(いわはら まさふみ)
所在地 :東京都港区西新橋1-22-5 新橋TSビル7階
設 立 :2018年3月20日
資本金 :1067万円
事業内容:
・コンサルティング事業(知的財産に関わるコンサルティング全般)
・Webサービス事業(知的財産に関わるインターネット情報サービス)
・ソフトウェア開発事業(知的財産に関わるソフトウェアの設計、開発)
・お問い合わせ:Mail:info@ip-robo.co.jp