ドローンでの山岳遭難者捜索を可能にする光探索の実証実験を公開 QRコード再帰性反射マークの自動認識システム専用ソフトを開発

光探索専用ソフトの画面で自動抽出されたQRコードの画像(左)、 通常のカメラで撮影された画像(右上)、反射光強度分布を示す画像(右下)
光探索専用ソフトの画面で自動抽出されたQRコードの画像(左)、 通常のカメラで撮影された画像(右上)、反射光強度分布を示す画像(右下)

近畿大学理工学部(大阪府東大阪市)と日本山岳救助機構合同会社(略称 jRO:ジロー、東京都新宿区)は、令和2年(2020年)8月25日(火)近畿大学東大阪キャンパスにて、ドローンとQRコードを用いて山岳遭難者を捜索する光探索の実証実験を実施し、その模様を報道関係者に公開します。

【本件のポイント】
●小型軽量の強力なサーチライトを搭載したドローンによる、遭難者の光探索実証実験を公開
●QRコード付き再帰性反射マークを自動認識する光探索専用ソフトを、マイクロワークス株式会社と共同開発
●危険をともなう山岳遭難者の捜索をドローンを用いて行い、さらに個人識別も可能となる

【本件の内容】
近畿大学理工学部電気電子工学科教授の前田 佳伸は、日本山岳救助機構合同会社と共同で、小型軽量の強力なサーチライトを搭載したドローンによる遭難者の光探索システムを実用化し、QRコード付き再帰性反射マーク装着の小型シェルターなどを開発してきました。
今回、さらにマイクロワークス株式会社(大阪府大阪市)と共同でQRコード付き再帰性反射マークを自動認識する専用ソフトを開発し、その機能を確認するための実証実験を行います。
実証実験では、サーチライト付きドローンを実際に飛行させて、約50m上空からバンダナに印刷したQRコード再帰性反射マークを専用の光探索ソフトで捜索し、上空20~30mからQRコードを読み込んで個別識別する実験を行います。なお、実験で用いるドローンと操縦は、日本コンピューターネット株式会社(大阪府大阪市)が行い、サーチライトは株式会社シナジーテック(徳島県阿南市)のLED照明ユニットを使用します。

【実証実験の概要】
日  時:令和2年(2020年)8月25日(火)10:00~12:00
     ※ 悪天候の場合は、26日(水)または27日(木)に延期
場  所:近畿大学東大阪キャンパス 洗心の庭(旧大学本館横)
     (東大阪市小若江3-4-1、近鉄大阪線長瀬駅徒歩約10分)
参加者 :近畿大学理工学部電気電子工学科教授 前田 佳伸
     および前田研究室の学生
     日本山岳救助機構合同会社 飯田 邦幸、久保田 賢次
     マイクロワークス株式会社 会長 亀田 清司氏、
     社長 山崎 徹氏、池口 翔太郎氏
     日本コンピューターネット株式会社 社長 沖 貴博氏、
     竹内 良介氏、沖 颯太氏
     株式会社シナジーテック 代表 大栗 克俊氏
実験内容:
サーチライト付きドローンを飛行させ、約50m上空からバンダナに印刷したQRコード再帰性反射マークを専用の光探索ソフトで捜索し、上空にてQRコードを読み込んで個別識別する実験を行います。
※ 取材に来られた報道機関には以前、山岳で撮影した映像も配布可能です。

【QRコード付き再帰性反射マーク自動認識システム専用ソフト】
近畿大学理工学部、日本山岳救助機構合同会社、マイクロワークス株式会社が、QRコード付き再帰性反射マークを自動認識する専用ソフトを共同開発しました。このソフトは、ドローンに搭載されたカメラからの画像情報をもとに、光強度分布を解析してマッピングし、光強度を自動抽出することを可能としています。ドローンに搭載されたサーチライトから光を照射することにより、再帰性反射材からの反射光は周囲より少なくとも数百倍の高い強度で観測可能となることから、山岳遭難者の捜索区域を一度、くまなく飛行し、カメラの画像から抽出された信号をさらに詳しく捜索して、QRコードを認識、遭難者の個別識別を可能とします。

【QRコード付き再帰性反射マーク(商標登録:M-bright)】
QRコード付き再帰性反射マーク(M-bright)は、ドローンを活用した光探索システムで山岳遭難者を捜索するためのアイテムです。QRコードには、NPO法人光探索協会(大阪府豊中市)が付与した個別識別番号が埋め込まれており、個人登録者の情報が管理・保管されています。したがって、ドローンを用いて山岳遭難者を捜索し、M-brightを探知することによって個人の特定が可能となります。
右側に示したQRコードの写真は、日本山岳救助機構合同会社(jRO:ジロー)とNPO法人光探索協会が販売する「QRコードお守りハンカチバンダナ」です。通常はハンカチやバンダナとして使用し、遭難時には頭や腕に巻いて使用できます。また、リュクサックや石を包み込んで空が見える場所に設置することにより、遭難場所を知らせる目印にすることもできます。今回の実証実験ではこちらを使用します。

【本件に関連する会社の概要】
<日本山岳救助機構合同会社>
山岳遭難発生時の捜索救助の支援を行う合同会社。登山愛好者を会員とする会員組織で運営され、現在の会員は全国に約9万5000人。
商  号:日本山岳救助機構合同会社(略称 jRO:ジロー)
     Japan Rescue Organization L.L.C
所在地 :東京都新宿区新宿1-15-8 ANビル7F
代表者 :若村 勝昭
事業内容:山岳遭難防止と捜索・救助に関するコンサルティング事業、
     山岳遭難防止と捜索・救助に関する技術と知識の研修・訓練事業、
     山岳遭難捜索救助用具の貸与・斡旋事業、
     山岳遭難発生時の相談及び捜索救助活動の斡旋事業など
設  立:平成19年(2007年)12月

<マイクロワークス株式会社>
所在地 :大阪府大阪市西区靱本町1-7-3PAX本町ビル5階
代表者 :山崎 徹
事業内容:システム開発、教育、技術者派遣
設  立:平成18年(2006年)6月

<日本コンピューターネット株式会社>
所在地 :大阪府大阪市北区錦町4-82
代表者 :沖 貴博
事業内容:ITシステムサポート、ITシステム開発 システム構築
     ITメンテナンスサポート、ITネットワークサポート
     ドローン導入支援・講習・スクール運営、
     ドローン点検・調査・解析・3D解析
     ドローンシステム開発・機体開発、ドローン災害調査
設  立:平成9年(1997年)1月

<株式会社シナジーテック>
所在地 :徳島県阿南市宝田町平岡899-34
代表者 :大栗 克俊
事業内容:「エレクトロニクスデザイン部門」 照明器具、
     イルミネーションデザイン、
     「アグリサイエンス部門」 植物栽培用照明装置、
     植物工場、ソフトウェア開発
設  立:平成16年(2004年)8月

【関連リンク】
理工学部 電気電子工学科 教授 前田 佳伸 (マエダ ヨシノブ)
https://www.kindai.ac.jp/meikan/444-maeda-yoshinobu.html

理工学部
https://www.kindai.ac.jp/science-engineering/


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