シミの引き金であるメラニン生成指令を酵母エキスが抑制 ~サッカロミセス培養液の新たな作用を発見~

酵母エキスがメラニン生成指令を抑制するイメージ
酵母エキスがメラニン生成指令を抑制するイメージ

大正製薬株式会社[本社:東京都豊島区 社長:上原 茂](以下、当社)は、紫外線を含む様々な外部刺激や細胞の老化により上昇するシミの原因(メラニン生成刺激因子:ET-1)を、酵母エキスの一種であるサッカロミセス培養液が抑えることを新たに見出しました。
酵母エキスは、肌が必要とする成分を惜しみなく配合する当社の無加水処方技術に応用される成分です。新たに見出した知見を活用し、肌老化の多様な悩みに応えてまいります。

研究背景

肌の老化は様々な変化をもたらし、多くの人が複合的な悩みを抱えています。シミやくすみはそのような肌悩みのひとつであり、表皮を形成する表皮細胞がメラニンを作り出すメラノサイト(色素細胞)に指令を出すことで、メラニン生成が促され、シミやくすみが生じます。
紫外線の影響は明らかですが、紫外線以外の外部刺激や、加齢により引き起こされる肌細胞の老化も、メラニン生成を引き起こす原因と考えられています。本研究では、紫外線だけに留まらないこれらの原因に着目し、その抑制素材の探索を行いました。

研究背景イメージ
研究背景イメージ

研究成果

1.加齢により肌のシミは増えていく
年齢と共に増える肌悩みの原因を探るため、様々な年齢の潜在シミを計測しました。紫外線カメラを用いて観察したところ、加齢とともに頬部にメラニンが蓄積し、潜在シミスコアが上昇することが分かりました。

図1 加齢によるメラニンの蓄積と潜在シミスコアの上昇
図1 加齢によるメラニンの蓄積と潜在シミスコアの上昇

2.外部刺激や細胞の老化によりメラニン生成指令が高まる
次に、メラニンが肌に蓄積する原因に着目し、研究を進めました。培養表皮モデルや老化細胞を用いて、メラニン生成を刺激する因子の変動を検討しました。その結果、紫外線だけでなく、乾燥や有機溶剤による刺激もエンドセリン-1(ET-1)の発現量を上昇させ、さらに、細胞の老化もET-1の発現量を上昇させることが示されました。

図2 外部刺激や細胞老化によるメラニン生成指令の上昇
図2 外部刺激や細胞老化によるメラニン生成指令の上昇

3.酵母エキスがメラニン生成指令を抑制する

図3 酵母エキスによるメラニン生成指令の抑制
図3 酵母エキスによるメラニン生成指令の抑制

本知見の活用及び今後の展望

紫外線だけでなく外部刺激や細胞の老化によりメラニン生成の指令が高まり、酵母エキスの一種であるサッカロミセス培養液が、紫外線や老化によるメラニン生成指令を抑制することを見出しました。外部刺激を受け加齢した肌では、メラニンが蓄積しシミが生じますが、酵母エキスがメラニン蓄積を抑制する可能性が示され、多様な原因によるシミを予防できる素材として期待が持たれます。


【ご参考】<WEBサイト:大正製薬先端美容研究所>
当社では「最先端科学で人はもっと、キレイになれる」の考えのもとに、大正製薬が100年を超える歴史と共に蓄積してきた皮膚科学研究の知見や技術を紹介するWEBサイト<大正製薬先端美術研究所>を開設しています。細胞の若返りの鍵「マイトリガーゼ」、成分の浸透技術「ナノカプセル」、水を加えない「無加水処方技術」など、生活者の方にもわかりやすい情報をお届けしています。
■大正製薬先端美容研究所 - TAISHO ADVANCED BEAUTY LABORATORY -
URL:https://taisho-lab.jp/

<用語説明>
サッカロミセス培養液:無加水処方技術を研究する中で着目した酵母エキスの一種。酵母が生み出すアミノ酸やビタミン類、ミネラルを含む酵母培養液。
エンドセリン-1(ET-1):血管収縮や細胞増殖に関与するサイトカイン。皮膚ではメラニン生成に重要な役割をはたす。表皮細胞から分泌され、メラニン生成を促進する。
無加水処方:製造工程中で精製水を加えずに必要な成分を必要なだけ配合するための処方技術。


AIが記事を作成しています