【新刊】魚住陽子の遺稿掌編小説集『五月の迷子』 6月3日発売 駒草出版
―今は亡き作家のパソコンに残された物語―
駒草出版(株式会社ダンク 出版事業部/所在地:東京都台東区台東1-7-1)は、『五月の迷子』(著:魚住陽子)を2024年6月3日(月)に発売いたします。
【魚住陽子を知っていますか?】
1951年に埼玉で生まれた魚住陽子さんは書店や出版社に勤務するかたわら同人誌に詩を発表、カルチャースクールで小説を学び、35歳の時に作家デビュー。1989年には「奇術師の家」で第1回朝日新人文学賞を受賞し、その他芥川賞をはじめとする文学賞へも幾度となくノミネートされました。
しかし腎臓の病を患い、残念ながら2021年8月、69歳でその生涯の幕を閉じました。
弊社では『水の出会う場所』『菜飯屋春秋』『夢の家』『坂を下りてくる人』『半貴石の女たち』を刊行。その独自の世界観は多くの読者を魅了し、根強い人気を獲得しています。
「小説の書けない時」と名付けられたフォルダ
魚住陽子のパソコンに遺された「小説の書けない時」という名のフォルダ。その中には、俳句と小説が調和する、魚住ならではの小説世界が広がっていた――
魚住陽子の作品が出版界からあまり顧みられなくなった2001年から2006年まで月刊俳誌『つぐみ』に書き綴った作品を中心に、掌編小説63編と俳句を一冊にまとめました。
自身の創作への迷いのなかで作家は、俳句と小説のあわいに立ち上がる詩情を紡いだ……
俳句に閉じていく日々の物語。
【魚住文学の世界へ ── 好評既刊のご紹介】
半貴石の女たち
半貴石をめぐる女性たちの物語。美しく静謐でありながらその内に激しい情念を秘めた、魚住陽子の世界をご堪能ください。
<著者紹介>
魚住 陽子(うおずみ・ようこ)
1951年、埼玉県生まれ。埼玉県立小川高校卒業後、書店や出版社勤務を経て作家に。1989年「静かな家」で第101回芥川賞候補。1990年「奇術師の家」で第1回朝日新人文学賞受賞。1991年「別々の皿」で第105回芥川賞候補など。
2000年頃から俳句を作り、『俳壇』などに作品を発表。2004年、腎臓移植後、2006年に個人誌『花眼』を発行。
著書に『奇術師の家』(朝日新聞社)、『雪の絵』『公園』『動く箱』(新潮社)、『水の出会う場所』『菜飯屋春秋』『夢の家』『坂を下りてくる人』『半貴石の女たち』(ともに駒草出版)がある。2021年8月に腎不全のため死去。
【書誌情報】
『五月の迷子』
魚住 陽子 著
2024年6月3日 発売
四六判/並製 416頁
ISBN:978-4-909646-77-4
定価:2,970円(税込)
発行元:駒草出版(株式会社ダンク 出版事業部)
https://www.komakusa-pub.jp/