世界三大ピアノ・ベヒシュタイン──“無色”の音を追求する社長・加藤正人が語る「真の価値の届け方」
スタインウェイは「太筆」、ベヒシュタインは「細筆」。三世代100年にわたって受け継がれる「家宝」を伝える。

「“無色”であることが最大の個性」── 世界三大ピアノメーカーの一つ C. Bechstein の音を、そう表現するのは、ベヒシュタイン・ジャパン代表取締役社長の加藤正人氏。弾き手や空間と共鳴し、100年にわたり受け継がれる楽器。その価値を「売る」のではなく「伝える」と語る同氏の哲学に迫ります。
第124回『私の哲学』ゲストの加藤正人氏は、1962年岐阜県生まれ。国立音楽大学でピアノ調律を学び、放送局向けピアノ保守会社にてテレビ番組やコンサートの現場を担当。その後「本物を学びたい」と1989年にドイツへ渡り、C. Bechstein 本社工場で研修を受け、ピアノ製作マイスター資格を取得しました。
帰国後はベヒシュタイン・ジャパンに入社し、技術と営業の両面を経験。取締役副社長などを経て、3度の打診の末に代表取締役社長に就任しました。
『私の哲学』第124回 加藤正人氏

“無色”の音と100年続く価値
ベヒシュタインの音は、弾き手によって表情が変わる「無色」の存在。繊細なタッチで多彩な表現を可能にし、他の楽器や声楽とも豊かに調和します。同社のピアノは、三世代・100年にわたり使い続けられる「家宝」として設計されており、1912年製のピアノが現在も演奏可能であるように、適切な修復と管理により、時間とともに音色が熟成していく点も特徴です。
こうした価値の背景には、ピアニストと製作者が対話を重ねながら改良を続けてきた歴史があります。音だけでなく、その成り立ち自体に「対話」の思想が刻まれているのです。
また、構造や音づくりを理解した技術者自身が顧客と向き合うべきだという考えのもと、現場主義を貫いてた加藤氏は現在、後継者育成に注力。ドイツのものづくりの思想や歴史を理解し、次世代へ継承できる人材を育てることが最大の使命だと語ります。ドイツ国内では高いシェアを持つ一方、日本での認知はまだ限定的。それを「伸びしろ」と捉え、本物の価値を理解する人を着実に増やしていくことを目指しています。

『私の哲学』は、肩書きや成功談を語るインタビューではありません。 その人が何を信じ、どんな決断をし、どのように行動してきたのか──人生の分岐点における「哲学」を、本人の言葉で記録するインタビュー・対談シリーズです。
インタビュアー・編集長は、株式会社ILI 代表取締役社長・杉山大輔が務め、2007年の開始以来、経営者、職人、アーティスト、研究者、教育者など、分野を超えた「自ら決断し、行動してきた人々」が登場。AIが情報を均質化し、効率と最適化が加速する時代だからこそ、人間の経験値や思想、そして行動の背景にある哲学を残すことを目的としています。
スポンサードを一切受けず、出演者への報酬も支払っていない。インタビューの空気感を大切にした英訳を行い、日英をはじめ仏語・中国語など多言語ですべて無料公開されおり、2022年には100回を迎えました。
|プロフィール:『私の哲学』編集長 杉山大輔
株式会社ILI 代表取締役社長/グローバル・ビジネス・プロデューサー。
1979年東京都生まれ、ニューヨーク育ち。慶應義塾大学総合政策学部卒業、同大学院経営管理研究科修了(MBA)。
2007年、コミュニケーション課題の解決を目的に株式会社ILIを設立。国内企業の海外展開、海外企業の日本展開を支援し、異文化間の円滑なビジネス構築をサポートしています。同年開始のインタビューシリーズ『私の哲学』編集長として、20年にわたり各界のリーダーを取材。2014年にはクオンタムリープ創業者・出井伸之氏に抜擢され、執行役社長として大企業とベンチャーをつなぐビジネスプロデュースを手がけました。
『行動する勇気』(フォレスト出版)、『運を動かせ』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)、『DDDD[ドゥドゥドゥドゥ]──「行動」だけが奇跡を起こす』(自由国民社)、『【世界標準】AO式子育て』(クローバー出版)、『逆境をはね返す力』(ILI出版)。など。4児の父。企業やプロジェクトの潜在価値を引き出し、共に成長と成果を創出することを使命としています。
『私の哲学』に関するお問い合わせ
株式会社ILI
『私の哲学』事業部
担当:安藤 千穂
TEL:03-6712-5450
E-mail:info@ili.inc




