SVPジャパン 『自分らしさ』を追求するZ世代の消費行動

高級ブランドよりも、ブランドのストーリー性を重視するZ世代の正体とは…

 会員企業に対して公開情報を⽤いたビジネス情報提供を行う、株式会社SVPジャパン(本社:東京都中央区、代表取締役社⻑:橋本 雅、以下「SVPジャパン」)は、『Z世代-『自分らしさ』を追求するZ世代の消費行動-』のインサイトを公開した。
皆さまのビジネスの一助になればと考えております。是非ご覧ください。

 前回のSVPインサイトでは、ミレニアル世代(Y世代)とZ世代の特徴について考察した。育ってきた時代によって、同じようにIT技術やSNSに精通している若者たちの中でも、価値観などに多少の違いがあることが分かった。今回は、特にZ世代に焦点を当て、彼らの消費行動や考え方について考察する。近い将来、消費活動の中心になるのは、間違いなくZ世代である。彼らの消費に対する考えを理解することは、これからの企業の取り組みを検討する上で重要となる。

■Z世代の消費行動 

《①自分らしさを追求》

 好景気時代を知らないZ世代は、前の世代よりも将来に対して現実的で、金銭感覚も保守的である。基本的に節約家である彼らは無駄遣いをしない。見て気になったものは、常に手にあるスマホで検索をして、購入前には徹底的に調べ上げる。従来の広告や店員の声よりも、SNSのインフルエンサーや一般人のレビュー、家族や友人のレコメンドを信用する。ブランド品を持つことで、承認欲求を満たしていたZ世代の親の代にあたるX世代や、非日常的な贅沢を好むミレニアル世代とは異なり、なりたい自分になるために、学びや体験、趣味など自分への投資にお金を使うことを惜しまない。『自分らしさ』を追求することが一番なのだ。また、SNSで「いいね」をもらい、注目されるかどうかも重要である。自分が選んだモノやスタイルが評価され、好きなものを世界中の人々と共有し、そこを起点にコミュニティーを築くことで、自分らしさを維持している。

《②高級ブランドよりも、ブランドのストーリー性を重視》

 SNSを複数使いこなすZ世代は、毎日世界中の人々の声を耳にして、SNS上で拡散する社会運動にも自然と関わってきた。ここ最近は、特に「SDGs」や「サステナビリティ(持続可能性)」というワードに敏感である。日常生活において何かを購入する際は、その商品はSDGsに貢献するものなのか、または、作る過程で環境汚染をしていないかなど、ブランドのもつネームバリューよりも、ブランドのコンセプトやビジョン、そのストーリーに共感できるかどうかを重視しており、ブランドの本質を見抜く力を持っている。例えば、食に対する意識としては、スーパーで食品を手にするときに、原産地や農家、食の安全性を気にしている。実際にオーガニック食品の購入頻度は、他の世代に比べZ世代とミレニアル世代(Y世代)ともに伸び率が高い。また、ファッションにおいても、地球に優しいモノづくりをされているのか、生産元の発展途上国で働く人々の労働環境や人権問題が守られているのかなど、奥深い所まで関心がある。ファストファッション、高級ブランドに限らず、自分の選択により社会に影響を与えられていることに満足を味わいたいのだ。企業は、商品のPR材料として、実態は伴っていないのに不適切に「SDGs」と謳うと、SDGsウォッシュ※だと見抜かれて信用をなくし、批判され、最終的にはSNSで炎上しかねないので注意しなければならない。

※SDGsウォッシュ...実態が伴っていないのに、SDGsに貢献する活動に恰も取り組んでいるように見せること

《③モノよりもコト、さらにはイミ消費に価値を見出す》

 Z世代はモノよりもコト、さらには、イミ消費を重視する傾向にある。今は欲しいものがすぐ手に入る時代だ。2000年以降インターネットが普及したこともあり、海外商品でも、現地に行かなくともネットで簡単に購入することができる。なんでも「モノ」が欲しいという消費意欲よりも、体験・経験など「~するコト」への意欲が高まった。そして、現在Z世代は「イミ消費」にも価値を見出している。イミ消費とは、モノを購入する、コトを体験することで、社会問題に貢献するなど、社会に対してイミがある消費行動と言える。例えば、あえて地方食材を購入して、地方活性化に貢献すること、また、飲食店で売れ残った商品をあえて選択し、フードロスに貢献することなど挙げられる。社会問題に関心が高いZ世代は、このような「イミ消費」をすることで、社会問題に貢献している実感を持ち、満足感を得るのだ。

《④サブスクリプションサービス/シェアリングサービス》

 サブスクリプションとは、“定期購入”と言うとわかりやすいかもしれない。一定期間の契約を結び、月額払いなどで好きなものをレンタルしたり、自由に利用できるといったサービスのことだ。2019年以降に発生した新型コロナウイルス感染拡大により、自宅で過ごす事が多くなった。それによりNetflixやAmazonPrimeなどの動画配信サービスは瞬く間に世の中に浸透し、特にZ世代は暇があれば動画を視聴しているという。また、PCソフトや音楽などデジタルコンテンツ以外にも、高級ブランドバッグや自動車まで、サービスは幅広く展開されている。また、モノを貸し借りするシェアリングサービスの活用にも積極的だ。モノだけでなく、住まいや移動手段、学びやスキルまで幅広い。このように、Z世代は物心ついた時からサブスクリプション制度や誰かとシェアすることに慣れており、モノにお金をかけず、所有することにこだわらない。むしろ、彼らは、自分の好きなモノを好きなだけ利用できる消費スタイルを好んでいる。

《⑤“エモい”ものに心を揺さぶる》

  “エモい”という言葉を耳したことはあるだろうか。いつの時代も新しい言葉を生み出すのは若者たちだが、このエモいという言葉は今Z世代の間で頻繁に使われている。エモいの「エモ」は「エモーショナルemotional(感情的)」が語源で、「感動」「ノスタルジック」「切ない」「情緒」...など、なんとも言い表せないけれど、なんか素敵と言う意味のようだ。また、バブル時期を過ごした親からの影響が強い彼らは、他の世代の親子関係よりも距離が近く、「友達・親友」のような間柄で、洋服や趣味のモノを共有することがある。親が若い頃に流行っていたファッションや音楽などに魅力を感じ、あえてレトロっぽいものを好む。これが今彼らにとっては“エモい”のだ。

以上が、Z世代の主な消費行動の特徴である。
次回のインサイトでは、Z世代の購買プロセスについて考察する。

■終わりに

 SVPジャパンでは、会員様向けサービスを通じて、日本国内のみならず、世界各国の経済指標や市場データ、事業環境や企業戦略、研究開発動向などをカスタマイズされた報告書にてご提供させていただいております。調査内容をコンサルタントに直接ご相談いただいても結構です。是非ご活用ください。

■SVPジャパンについて

「成功に導くビジネスの知を、もっと身近に」をミッションとした、会員制ビジネス情報提供サービスプロバイダー。
会員企業には、ビジネス公開情報に基づくクイックリサーチ、カスタムメイド型プロジェクトリサーチを提供。日本は1974年に創業し、現在世界40カ国に渡るネットワークのメンバーとして、大手企業を中心とした会員企業の意思決定を情報力でサポートしています。
 2021年には事業継承のため、経営体制を一新し、ガバナンスの強化、情報提供サービスの拡大、そして進化することを目指し、第二の創業をスタートしています。

《会社概要》
社名: 株式会社SVPジャパン
代表取締役: 橋本 雅
所在地: 東京都中央区日本橋蛎殻町1-38-9 宮前ビル2F
設立年月日: 1974年7月1日
事業内容: 会員制のビジネス情報提供サービス
URL: https://www.svpjapan.com/

《問い合わせ先》
株式会社SVPジャパン デジタルマーケティング部
mail : info@svpjapan.com

画像・ファイル一覧
NC動画生成サービス
Copyright 2006- SOCIALWIRE CO.,LTD. All rights reserved.