AIでサラブレッド繁殖生産者のDXを支援 画像認識AIによる分娩検知システム「馬もり」を開発、発売
~IoTセンサー×クラウドによる働き方改革のご提案~
スマート畜産で実績のあるノーリツプレシジョン株式会社(本社:和歌山県和歌山市、代表取締役社長:吉井 剛)は、北里大学獣医学部と共同開発した画像認識AIによるサラブレッドの分娩検知システム「馬もり」を、2024年11月から発売いたします。
「馬もり」製品概要
「馬もり」は、サーマルカメラを含む非接触のセンサーにより母馬を24時間モニタリングし、分娩兆候として現れる特徴的な行動や体調の変化をAIが検出することで繁殖生産者のスマートフォンへ通知するシステムです。また、馬房内の明るさを変えることなくリアルタイムにカメラの映像も確認いただけます。
「馬もり」開発の経緯
サラブレッドは、春に繁殖活動を行う季節繁殖動物ですが、妊娠期間は330から360日とばらつきがあり、分娩予定日の通りに生まれるとは限りません。さらに、1頭あたりの単価が非常に高額な経済動物である側面もあり、分娩事故による経済的損失や繁殖生産者への精神的ダメージは大きな課題となっています。そのため、繁殖生産者は、分娩シーズンになると分娩予定日の近い母馬を監視し、分娩が始まれば迅速に介助できるよう備えなければなりません。さらに、サラブレッドの80%は、夜間に分娩が始まる為、分娩監視にかかる肉体的・精神的なストレスの負担がより大きいものとなっています。
当社は、2021年7月に畜産業界向けに肉用牛の分娩検知システム「牛わか」をリリースしましたが、他の動物は分娩兆候や飼育環境が異なるため応用ができませんでした。そこで、本製品のコンセプトに賛同いただいた複数の繁殖生産牧場に協力を得て開発に着手しました。多数の分娩データを収集し、分娩前にとる特徴的な行動や体調の変化を北里大学獣医学部と共同で研究を重ねた結果、サラブレッド特有の分娩兆候が検知できるシステムの開発に成功しました。
「馬もり」3つの特徴
- 非接触のカメラにより見守り、アニマルウェルフェアに配慮
動物の身体的負担を減らすことは、開発当初から大切にしてきたコンセプトです。母馬の体にセンサーの取り付けや体内に侵しゅうする必要がないため、身体的な負担はありません。また、サールカメラを活用することで、真っ暗な馬房の中でも昼間同様に検知できるため、母馬の状況に合わせた照明の管理ができます。
- 精度の高い分娩兆候の検知を実現(※1)
画像認識AIによって、サーマルカメラの映像を基に分娩前の特徴的な行動や体表面温度の変化を検出し、繁殖生産者のスマートフォン等へ自動通知します。分娩当日の通知の状況につき、北里大学獣医学部との実証研究の実績は、95%と高い検知率が得られています。
お知らせには、行動量の増加等を検知したフェーズ1と、より娩出に近い状況であることを示すフェーズ2の2段階の通知機能を備えています。
(※1):本製品は、馬の行動量の増減および姿勢変化に基づき分娩兆候を検知する為の支援機器であり、分娩兆候を完全に検知できることを保証するものではありません。
- らくらく設置! 繁殖生産者の安全や飼育環境に配慮
(1)繁殖生産者の安全に配慮
動物の身体にセンサーを取り付ける製品の場合、取り付け時に動物が暴れるなど予期せぬ行動を取ることで作業者が怪我をするリスクがあります。「馬もり」は、非接触、非侵しゅうで検知できるため、怪我のリスクや繁殖生産者の精神的な負担の軽減にも貢献します。
(2)機器の設置が簡単
様々な馬房への取り付けに対応した専用の取り付け金具を用意しております。また、専用金具は本体を簡単に脱着可能な仕組みになっており、馬房ごとに予め取り付け金具を用意しておくことで、次の見守り対象となる馬房へ本体のみを移設するだけで対応できます。
(3)通信環境の準備が不要
インターネット環境を整えていない馬房での使用を想定し、SIMカードを内蔵しています。携帯電話の通信が使用できるエリアであれば使用可能(※2)です。
(※2):日本国内の大手キャリアが提供するエリア内での使用を想定しています。
販売情報
発売日 :2024年11月
購入方法:当社、担当営業へお問い合わせください。
※一部の地域は、販売代理店よりのご購入となります。
会社概要
社名 : ノーリツプレシジョン株式会社
代表者 : 代表取締役社長 吉井 剛
創業 : 1951年2月
設立 : 2011年2月
資本金 : 100,000,000円
事業内容: 写真処理機器・介護機器の開発・製造・販売/
医療機器の開発・製造受託
本社 : 〒640-8550 和歌山市梅原579-1
URL : http://www.noritsu-precision.com