日本初！酒販店の主導で泡盛醸造用酵母「南島1号」を開発
沖縄県内で酒類卸売問屋を展開する南島酒販株式会社(所在地：沖縄県西原町、代表取締役社長：大岩 健太郎、以下 南島酒販)は泡盛の風味の多様性と泡盛メーカーの挑戦を後押しすることを目的に、株式会社バイオジェット(所在地：沖縄県うるま市、代表取締役：塚原 正俊)と連携し、沖縄県の自然界から採取した泡盛醸造に適した南島1号酵母を開発しました。
南島1号酵母は従来の泡盛醸造に使われる酵母と比較して、バニラ香やバナナのようなフルーティな香りを生成する能力が高く、香り高い泡盛を製造する可能性が期待されます。現在、市販されているほとんどの泡盛は「101号酵母」が用いられていますが、南島1号酵母は101号酵母とは異なるグループに属する新たな泡盛酵母となります。通常、メーカーが自社開発した新たな酵母は基本的に1社のみで利用されますが、南島酒販は泡盛の多様化を目的とし、希望する酒造所に頒布いたします。商品化の第一弾として今秋、合資会社恩納酒造所(所在地：沖縄県恩納村、代表者：佐渡山 誠)の協力の下、南島酒販が運営する泡盛ブランド『shimmer(シマー)』にて数量限定で販売する予定です。
泡盛風味へ酵母の影響と現状
泡盛は、原料米から黒麹菌を用いた製麹、得られた麹と酵母を用いた仕込みによるもろみ発酵、蒸留の過程で醸造されます。この過程で用いられる「酵母」はアルコールを生成するとともに、泡盛の風味に大きく影響します。戦前の泡盛酵母は沖縄戦によりほとんどが消失しました。その後、泡盛復興の過程で優良株101号酵母が分離され、醸造が飛躍的に安定しました。しかし一方で現状では泡盛に広く使える酵母がこの101号酵母に限定されていることから、新たな酵母の開発によりこれまでにない新しい風味の泡盛の誕生につながると考えられます。
南島1号酵母の採取と特徴
酵母は、パン・ワイン・清酒などに用いられ、それぞれがグループを形成していることがわかっておりますが、南島1号酵母は、沖縄の自然界から新たに採取された酵母となります。バイオジェットによる詳細な解析の結果、南島1号酵母は、従来の酵母と大きく離れた系統であり、全く新しい泡盛酵母であることが確認されました。さらに、南島1号酵母を用いて試験的に製造した泡盛は、従来の泡盛酵母と比較して、バニラ香やバナナのようなフルーティな香りを生成する能力が高いことが確認され、これまでの泡盛とは異なる、香り高い泡盛を醸造できると考えられます。
複数酒造所での泡盛開発への活用
これまでに、一部の酒造所で新たな独自酵母の開発が行われ、実際に商品化につながっています。しかしながら、これらのほとんどが1社での利用に限定され業界全体への波及にはつながっておらず、今回の「南島1号酵母」は、酒販店主導で開発した経緯から、様々な酒造所で広く用いることが可能であり、新たな泡盛商品群の構築につながることが期待できます。
shimmerについて
shimmerは2023年に開始された実験的・挑戦的な泡盛を製造し、泡盛の可能性の拡大やメーカーの挑戦の後押しすることを目的として各泡盛メーカーとのコラボを行うファントムディスティラリー(施設を持たない蒸溜所)です。泡盛市場は2004年のピークから右肩下がりを続けており、そんな中、多くの酒造所では単体で実験的・挑戦的な泡盛を造ることに対して、人的リソースや生産コスト、在庫リスクなどのハードルがあります。shimmerは、泡盛の多様性や品質の向上を図るためには、数多くの実験的・挑戦的な製品を開発し、市場を開拓する必要があると考え、そのプラットフォームとして、全て数量限定、1回限りの販売というテーマで、“shimmer”を立ち上げました。「shimmer(シマー)」は沖縄の方言で泡盛を指し、また、英語で「shimmer＝煌めき」という意味を持つことから、泡盛の輝かしい発展を願う意味が込められています。shimmerで発売された泡盛は世界3大酒類コンペティションに数えられるサンフランシスコ・ワールド・スピリッツ・コンペティションやアジア最大の酒類コンペティションである東京ウイスキー・アンド・スピリッツ・コンペティションでも最高金賞、金賞を受賞するなど、国内外で広く評価されています。
■企業概要：南島酒販株式会社
設立 ： 昭和62年
本社所在地 ： 〒903-0104 沖縄県中頭郡西原町兼久277
電話 ： 098-882-9393
FAX ： 098-882-9398
代表者 ： 代表取締役社長 大岩 健太郎
公式サイト ： https://nanto-shuhan.com/
shimmer online ： https://shimmer.okinawa/
