「ACT FOR SKY」への加盟について~蒸留工程のCO2排出をゼロにする「省エネ型ヒートポンプ式バイオエタノール蒸留装置」で持続可能な航空燃料SAFのサプライチェーン構築に貢献~

世界的な脱炭素化の流れの中で、航空業界でも持続可能な航空燃料(Sustainable Aviation Fuel、以下「SAF※1」)を導入する機運が高まっています。ところが、世界のSAF供給量はジェット燃料供給量の0.03%※2に留まっており、一層の生産拡大が求められています。木村化工機株式会社(以下「当社」)は、2023年にSAF原料用バイオエタノールを蒸留する際のCO2排出をゼロにする「省エネ型ヒートポンプ式バイオエタノール蒸留装置」の販売開始を発表しました。当社はこのたび、国産SAFの商用化と普及拡大に取り組む有志団体「ACT FOR SKY※3」に加盟しました。今後、「ACT FOR SKY」の加盟企業様と共にSAFのサプライチェーン構築に貢献します。

ACT FOR SKYメンバー (2024年4月10日時点)

背景

航空業界は脱炭素化に向けて動き出しており、ICAO(国際民間航空機関)やIATA(国際航空運送協会)が2050年までに2005年比で二酸化炭素の排出量の半減を目指しています。2050年の環境目標を実現させるには、関連する産業が横断的に協力して、SAFの製造技術開発、生産および利用を進め、2030年には使用燃料の10%をSAFへ移行することが必要とされています。国土交通省も2030年には「本邦エアラインによる燃料使用量の10%をSAFに置き換える」という目標を定めています※4。ところが、2020年の世界のSAF供給量は、世界のジェット燃料供給量の0.03%に留まっているのが実情です※2。

SAFの生産における課題とその解決策

SAFの蒸留プロセスにはボイラ蒸気が使われてきましたが、持続可能な燃料SAFを蒸留する際にボイラによって大量のCO2を排出することが課題となっていました。

当社が発明した「省エネ型ヒートポンプ式バイオエタノール蒸留装置」は、ボイラ蒸気を不要とし、電力のみで蒸留を行います。ヒートポンプを採用しており、装置から排出される低温レベルの熱をヒートポンプで回収し、有効エネルギーとして再利用します。原子力または再生可能エネルギー由来の電力を使用すれば、CO2排出量ゼロで、SAF原料を蒸留することができます。

省エネ型ヒートポンプ式バイオエタノール蒸留装置イメージ図

※1 SAFとは「Sustainable Aviation Fuel」の略で、バイオマスや廃棄物を原料とするカーボンニュートラルとなる持続可能な航空燃料のことです。世界中の航空会社がSAFを導入することで、CO2の排出を大幅に削減することが期待されています。

※2 経済産業省 資源エネルギー庁「持続可能な航空燃料(SAF)の導入促進に向けた官民協議会」について(2022年4月)

※3 ACT FOR SKYは持続可能な航空燃料SAFの普及・拡大を目指す、オールジャパンの企業や自治体等からなる有志団体です。事業として国産SAFに直接関与し、サプライチェーン構築の主体となる企業(ACTメンバー)と、国産SAFのサプライチェーン構築に必要となる企業や自治体等(SKYメンバー)が加盟しています。加盟企業・自治体等が協調・連携して行動を起こし、国産SAFの商用化と普及・拡大を推進します。
URL:https://actforsky.jp/

※4 国土交通省 航空局「第1回SAFの導入促進に向けた官民協議会 説明資料」(2022年4月22日)

会社概要

木村化工機は、資源循環・低環境負荷のエネルギー供給などを通して、製造業の持続可能性・持続可能な社会づくりに貢献する総合エンジニアリング会社です。蒸留・蒸発装置の省エネとCO2排出削減において業界トップクラスの技術力と研究開発力を有しています。

社名   :木村化工機株式会社
本社   :〒660-8567 兵庫県尼崎市杭瀬寺島二丁目1番2号
創業   :1924年
代表者 :代表取締役会長兼社長 小林 康眞
事業内容:エンジニアリング事業、化工機事業、エネルギー・環境事業
TEL     :06-6488-2501(代表)
URL     :https://www.kcpc.co.jp/

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