環境省「プラスチック・スマート優良事例アワード」で オーシャンスイープ協会が「広める」部門の年間最優秀賞受賞!

海や川に流出したプラごみの写真を一般の写真ボランティアから募集し、 それらを「プラごみ流出マップ」や公式SNSなどで発信

一般社団法人オーシャンスイープ協会(埼玉県狭山市、理事長:山本 知子)は、2023年2月13日に広島県民文化センター多目的ホールで開催された「プラスチック・スマートシンポジウム2023」の『プラスチック・スマート優良事例アワード』において、「広める」部門の最優秀事例として表彰されました。
同社団は「プラごみが流出する量より減る量が多い社会をつくる」を理念に掲げ、海や川に流出したプラごみの写真を広く一般から「写真ボランティア」として募集し、応募された写真や動画を同社団運営「プラごみ流出マップ」や公式SNS、YouTubeチャンネルで発信している非営利活動法人です。

表彰式

●環境省「プラスチック・スマート(Plastics Smart)/プラスマ」とは
http://plastics-smart.env.go.jp/

OUR STORY

プラスチックごみは今、世界中で注目されており、焼却による大気汚染、流出による海洋汚染だけでなく、生態系にも大きな影響を与えています。
例えば、海に流出するプラスチックごみの量は世界中で年間800万トン、2050年には海洋中の魚の量を超えるとの試算が出されています。
私たちの生活様式を見直さない限り、持続可能な社会・自然環境の構築はもとより、今の生活を続けていくことさえ難しくなることが予想されます。
正しい処理やリサイクル方法を広め、バイオマスプラスチックや代替素材などを理解しながら、プラスチックと賢く付き合っていくことが重要です。
環境省では、そうした様々な取り組みを推進し、さらに広げていくため「プラスチック・スマート」を実施しています。

●プラスマ優良事例アワードとは
プラスチック・スマート登録された取組の中から、優良事例を選出し、掘り下げた取材や広報をすることにより、多様な主体の活動のヒントとなる“プラスチックとの賢い付き合い方”について発信・推進をしています。2022年4月1日以降の新たに登録された事例約300件から各カテゴリーごとに優良事例を1事例ずつ選出しました。※2023年1月時点 登録件数役3,100件

登録された事例を「使う・減らす」「広める」「分ける・戻す」「作る・分解」「拾う」の5つのカテゴリーごとに、(1)~(3)の視点で評価、選出をしました。

(1)持続性(多様な主体の持つ特色が活かされ、相乗効果があること)
(2)自走可能性(費用対効果等が優れていること)
(3)独自性(特色や有用なスキームであること)

◇プラスチック・スマートシンポジウム2023の報道発表資料
https://www.env.go.jp/press/press_01090.html

●一般社団法人オーシャンスイープ協会とは
2018年に海洋プラごみの約7割が陸由来だということ、処分費用は海で働く人たちと海岸市区町村だけが負担させられている状況だと知ったとき、私たちも陸で生きる者として、問題解決に向けて活動をしなければならないと感じ任意団体として現状調査を開始しました。
予備調査を行った上で2021年2月に一般社団法人を設立し、同年9月から写真ボランティアの募集をスタートさせました。応募いただいた写真・動画は「プラごみ流出マップ」や、Facebook、Twitter、YouTubeチャンネルで公開してます。

プラごみ流出マップ
投稿された写真(例)

わたしたちの理念

プラごみが流出する量より減る量が多い社会をつくる

私たちのビジョン

漁師さんが操業中に海ごみを拾ってくると、海洋投棄規制条約によって処分費用を自己負担することになります。それでも海を汚したくない漁師さんは、海に捨てられているプラスチックごみを積極的に拾っていらっしゃいますが、陸から海へ流出するプラごみの量は多く、とても個人では負担しきれません。

また、海ごみは陸上のごみに比べて処分費用が数十倍もかかるため、海岸の管理を担っている地方自治体もなかなか公共事業化ができずにいます。一方、プラスチックは紫外線や波によって小さくなりますが自然分解されないので、流出に回収が追いつかなければ海のプラごみは増える一方です。

当社団では、滞っている海洋プラごみの回収を推進することと、プラごみが海や川に流出しないような生活習慣の一般認知を拡めることで、海や川にプラごみが流出する量より減る量(回収量)が多い社会を実現させて、海のプラごみを心配しなくてよい未来を子供たちに引き継げるように、持続可能な海洋プラごみ処分の方法を確立するために活動しています。

海洋プラごみ問題の現状を考えれば、私たちのビジョンはイチ民間団体には荷が重い壮大な夢のようにも思えますが、微力であっても行動することに意味があると思っています。たとえ微力だったとしても何もしないより行動する方がいいし、小さな積み重ねや微力が集まることによって世の中が良くなっていくと思います。

わたしたちの活動は、持続可能で豊かな海を取り戻そうとする活動であり、国連が推進するSDGs14番目の目標「海の豊かさを守ろう」を達成しようとするものです。

わたしたちのミッション

  1. プラごみ流出マップで社会啓発
    海ごみに関心が薄い内陸部でも水路や川を通じて海に流出してしまうので海洋プラごみの原因になっています。そこで、一人でも多くの人に海洋プラごみ問題に関心をもっていただくため、地元の川や海岸、港に流出したプラごみを撮影して提供していただく方を募集しています。海や川で撮影した流出プラごみの写真や動画を送っていただき、当社団が運営している「プラごみ流出マップ」に掲載して一般公開しています。
  1. 海洋プラごみ処分チェーンを社会実装
    持続可能であり、全国各地で再現可能な流出プラごみを減らしていく「海洋プラごみ処分チェーン」が社会実装されるよう活動しています。

今はまだ予備調査段階ですが、プラごみを予分別や塩抜き工程なしで熱分解できる設備を起点に、半径150km程度以内にある漁港を定期搬送便でつなぎ、海で働く人たちが業務中に拾ってきたプラごみを、大きな個人負担なく熱分解の手順に送り出していける処分チェーンを社会実装する活動です。また、そういう処分チェーンを全国各地に増やしていくことを目標としています。

  1. 流出防止や循環型社会に役立つ情報発信
    プラごみ流出マップの他にも、海や川に流出しない捨て方などの個々人の生活がプラごみの流出防止に役立つ情報、廃棄せずに再資源化して循環させていく社会の実現に役立つ情報、マイクロプラスチックにならないようプラごみを分解して処分する有効技術の情報などを発信していきます。
当社団が取り組んでいること

法人概要

団体名: 一般社団法人オーシャンスイープ協会(Ocean Sweep Assoc.)
所在地: 〒350-1311 埼玉県狭山市中新田1083-3
メール: oceansweepofficial@gmail.com
代表 : 理事長 山本 知子
設立 : 2021年2月22日

略歴

[2018年] IPCCの1.5度特別報告書による衝撃を受けて活動開始
IPCCによって発表された「1.5度特別報告書」による衝撃で何かするべきと活動を開始。CO2問題も意義深いと思いましたが、まだ因果関係が証明されていないところがあるので、ハッキリ目に見えて人類の悪影響を受けている海のプラスチックごみ問題にフォーカスして情報収集から進めました。

[2021年2月] 一般社団法人を設立
海についての知見をもつ大学や行政、漁業関連従事者等にヒアリングを重ねた上で、本格的な活動前の任意団体としての準備期間に区切りをつけ、一般社団法人を設立しました。

[2021年9月] 写真ボランティア募集開始
身近な海や川に流出したプラごみを撮影した写真を当社団に提供していただく「写真ボランティア」の募集を開始し、応募いただいた写真・動画は『プラごみ流出マップ』や、Facebook、Twitter、YouTubeチャンネルで公開してます。

[2021年12月] 電子書籍を上梓
海洋プラごみ問題を解説した電子書籍『海のプラごみを回収できない本当の理由』(著者:白野 圭俊)を上梓。
https://www.amazon.co.jp/dp/B09NKLSY95

[2023年2月] 環境省から表彰
プラスチック・スマートシンポジウム2023のプラスチック・スマート優良事例アワードにおいて、「広める」部門の最優秀事例として表彰されました。

プラごみ流出マップタイトル
海の食物連鎖とプラごみ
海洋プラごみを減らしていくために必要な要素
海洋プラごみ処分チェーン
海洋プラごみ処分チェーンの実装計画
山本 知子理事長
電子書籍
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