【名城大学】名城大学にあの「コメダ珈琲店」がやってきた! 大学生に新しい朝ごはんのスタイルを提案

2024年12月3日、10日の2日間、1限が始まる前の名城大学の一角にいつもと違う景色が。東海圏ではみんなおなじみの「コメダ珈琲店」のキッチンカーの前に、たくさんの人が列をなしています。モーニングセットを食べて、エネルギー満タンで講義へ。大学生の朝ごはん習慣の改善を目指す新たなプロジェクトが、名城大生の「チームはらぺこ」と株式会社コメダホールディングスとの連携によって実施されました。このコラボレーションがどのように実現し、お互いにどんな学びが生まれたのかレポートします。

左から竹之内友実さん、山田そらのさん、渡邉亜美さん

自分たちのプロジェクト実現を目指し大学生の食の課題を深掘り

「チームはらぺこ」のメンバーは、経済学部の山田そらのさん、経営学部の渡邉亜美さん、農学部の竹之内友実さんの3人。みなさん、チャレンジ支援プログラムの6期生です。1年生時にプログラムの一環であるハワイでの海外研修で意気投合。2年生になり3人でアワープロジェクトに取り組むチームを結成しました。それぞれアワープロジェクトで実現したいことがあったといいます。山田さんは「企画を実行したい」、渡邉さんは「実践を通して経営学への理解を深めたい」、竹之内さんは「食に関わることをしたい」。お互いの希望を踏まえて、食をテーマにした企画を考え始めました。ただ、最初は方向性を定めるのに苦心したそうです。

山田さん:食にまつわる課題が具体的になにかを見極めるのが難しかったです。イシューツリーで意見を出し合いもしましたが、私たちのイメージと実態がズレているようにも感じて…。

渡邉さん:友人の声がヒントになりました。「一人暮らしで朝ごはんをきちんと食べられていない。生活のリズムが整わず、1限の講義に遅れてしまうこともある」。それなら、朝ごはんを食べられたら生活習慣が改善されるのではと考えました。

竹之内さん:朝ごはんを食べられていない人が、自分たちの想像よりも多いのかもしれない。ちゃんと考えてみることで気づけました。

コメダ珈琲店と連携し企画を作り上げていく

あれこれと思案しつつ、企画の糸口をつかむために学内で協力を求めました。社会連携センターへ相談に行くと、「コメダさんとお話ししてみない?」と持ちかけられます。名前をよく知る企業の登場に驚きながらも、チャンスを得られたことへのワクワク感が湧き上がったといいます。

そうして2024年の8月頃にコメダとの意見交換を実施。自分たちの思い、これまでに出たアイデア、朝ごはんに課題があるのではという仮説などを伝えます。この話にコメダも興味を示し、「一緒に解決したい」と賛同してもらえました。同時に、「若い世代にもっとコメダ珈琲店を知ってもらいたい」というコメダの願いも知りました。お互いにとって利益を生むためになにができるか。3人はキッチンカーによる「スクールモーニング」を提案します。

竹之内さん:企業の方がなにを考えているのか、今まで想像したことがありませんでした。コメダさんにも課題があって、それを私たちと一緒に解決したいと言っていただけたのが嬉しかったです。

企画を提案する上で、大学生への朝食に関するアンケートも行いました。校内で134人の回答を収集。「毎日朝食を食べる人」が約50%しかいない、あるいは「朝食を食べる習慣を身につけたい人」が約90%もいるというデータが取れました。

山田さん:企画の根拠を示すためにアンケートを取りました。大学生の朝食の課題がより明確になったと思います。マーケティングの知識も活かせました。せっかくコメダさんと一緒にできるので、企画はきちんと立てたいという気持ちも強かったですね。

企画書をもとに「スクールモーニング」プロジェクトが本格的にスタート。お互いに意見を出して案を磨き上げ、大学側とも調整も進めました。開催時間や広報など、工夫した点がいろいろあります。学内のあちこちに3人で制作したポスターが掲示されました。

渡邉さん:名城大学では、もともと「100円朝食」という企画もあります。ただ、周りの人に聞くと「8時半から9時だと、2限からの日は行けない」といった声が聞かれました。そこで、8時半から11時まで、2限に合わせて登校する人も利用できる時間帯に開催してはどうかと提案しました。

すべてのアイデアが採用されたわけではありません。削るところは削り、地に足のついた企画へと改善していくプロセスも貴重な学びになったようです。

大成功した「スクールモーニング」産学連携でお互いに利益を生んだ

そして、ついに迎えた企画当日。早朝から、コメダ珈琲店のキッチンカーの前には開店前から長蛇の列が。キッチンカー付近の校舎内には、コメダ珈琲店のソファーとテーブルもセッティングされ、ゆったりとモーニングを楽しむ名城大生たちの姿が見られました。

意見交換からこの企画に関わってきた、コメダ コーポレートコミュニケーション部の白野紬さんにお話を聞くと…

白野さん:意見交換をして企画書をいただいた時から、みなさんのこの企画に対する思いがひしひしと伝わってきたんです。コメダとしても産学連携の意欲はあったものの、「この3人と一緒にやりたい」とグッと心を動かしてもらえました。準備を進める中でも、1言えば10になって返ってくる。例えば、ポスターの案は6つくらい出してくれて。私たちのアドバイスも受け止めて、学生さんらしい素敵なデザインに仕上げてもらえました。

何十年先もコメダ珈琲店があり続けるために、若い世代にももっと魅力を知っていただく必要があります。今回の出店で学生のみなさんに需要があるのだと実感できました。当社にとっても大きな発見の機会となりました。

チームはらぺこの取り組みは、この先さらなるコラボレーションへとつながっていくかもしれません。

企画力、行動力、積極性、課題解決への意欲 プロジェクトからメンバーが得たもの

アワープロジェクトを実現し、チームはらぺこにはどんな学びや気づきがあったのでしょう。

山田さん:私たちの提案した新しいライフスタイルに対して、たくさんの人のポジティブなリアクションが見られて本当によかったです。企画を立てて、実際に動かしていく力を伸ばすことができました。コメダのみなさん、名城大学の社会連携センターや渉外部のみなさんなど、大人の方々の協力がとても心強かったです。メールひとつ送るのに四苦八苦しましたが、丁寧なサポートをいただき感謝しています。

渡邉さん:私は今までやりたいことがなくて、目標を見つけるためにチャレンジ支援プログラムに参加しました。この企画を通して、「あれがしたい」「こうしてはどうか」と積極的にアイデアを出せるようになれたと感じています。自分を変えるきっかけにできました。3年生になると就職活動もあります。このプロジェクトで培った強みをしっかり活かしたいです。

竹之内さん:コメダさんとコラボレーションできて、緊張もしましたが、これまでにない経験をいくつもできました。課題を見つけることも、その解決に向けて行動することも、決して簡単ではないとよく分かりました。とはいえ、難しいからといって諦めてはなにも変わりません。自分にできることからがんばる。そんな気持ちをこれからも大切にしていきます。

プロジェクトをやり遂げた3人。当初、それぞれが抱いていた思いを叶えるとともに、大きくステップアップできました。チャレンジ支援プログラムでは、このように企業との連携のチャンスもあります。チームはらぺこの生み出した一歩がどこへつながっていくのか。今後の展開への期待も膨らみます。

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