【岡山理科大学】「古生物のカルテ~古病理で楽しむ化石の世界~」出版 恐竜学科の林准教授ら監修

2025-04-28 10:30
監修を担当した恐竜学科の林准教授

 化石の状態から恐竜たちの病理を“診断”してみようという、ちょっと風変わりな本が出版されます。「古生物のカルテ~古病理で楽しむ化石の世界~」(技術評論社)です。恐竜好きの親子なら夢中になって楽しめそうです。

 目次からして病院の受付風です。整形外科、内科、呼吸器科、歯科、感染症科と5つの章立て。ティラノサウルスならさもあらん、と思われる整形外科の外傷の項を見ると、こんな具合です。化石標本に刻まれた6つの外傷のケースを写真で紹介し、成体の顔にみられる外傷は「自分と同サイズのティラノサウルス類――おそらく同種・同世代につけられた『噛み跡』である可能性が高い」とし、「異性をめぐる争い」では、と推察しています。
 また、呼吸器科では羽毛恐竜のアンキオルニスが、食べた3匹のトカゲを吐き出そうとして、気道が詰まって死亡。感染症科では大型の竜脚類、ティタノサウルス類が骨髄炎に苦しんでいた――などなど。

 著者はサイエンスライターの土屋健さん。監修は岡山理科大学恐竜学科の林昭次准教授らです。林准教授は「古生物の病理に注目した日本初の一般向けの本です。絶滅生物に残された傷跡や病気の痕跡から、太古の生き物たちのリアルな生きざまが見えてくるはずです」と話しています。
 A5判176ページ。定価3,960円(税込)で、5月2日発売です。

5月2日発売の「古生物のカルテ~古病理で楽しむ化石の世界~」
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