気軽に対話ができ、市長に意見が届く工夫とは?
ツイッターでの発信力・災害時の対応力が人気に
(執筆:SOCIO編集部 林幸奈)
とある市のホームページで「イベントで市長を見かけたら、気軽に声をかけてくださいね」という1文を見つけました。声をかけるなんて勇気が必要だと感じますが、そんな関係が理想なのかもしれませんね。みなさんは住んでいる市の市長がどんな人か、すぐに思い浮かべられますか?「他市の市長の方が、メディアなどで見かける機会が多いな」と感じる人もいるかもしれません。
発信力のある最年少市長。対話室もSNS?
政令指定都市は、地方自治法で規定された、政令で指定する人口50万以上の市です。また、一般の市では都道府県にまかせている市民の健康や福祉に関する多くの事務を行うなど、市レベルで密着した行政を行います。
人口の多い都市の首長選はニュースでも目にしますが、多くのことを任される市長に注目が集まります。地方自治は民主主義の学校とも言われますが、自分の票で市が変わると意識できる環境ですよね。
指定都市市長会副会長でもある、千葉市長の熊谷俊人氏も、SNS上の積極的な発信で注目されています。
「ライオンが逃げた」混乱下で市長の対応は?
台風や地震の発生時、インターネットでタイムリーな情報を得たい人が増えています。市長によるSNSでの情報発信は、とくに非常時、不安で情報が欲しい市民からの需要が大きいようです。
熊本市長の大西一史氏も、「ツイッター市長」と呼ばれる発信力を持っています。2016年に発生した熊本地震の混乱下、安全な行動やボランティアの呼びかけ、困っている市民の意見を集める場もツイッターでした。
この記事のまとめ
・SNSで情報を発信する市長が増えている
・ツイッターを活用し、対話室などの交流の場が設けられる
・震災・非常時の情報提供や、フェイクニュースへの指摘がされる
・SNSは立場や距離を気にせず、市政に参加できる場となっている
【今回のコメンテーターからのご意見】
・川崎 泰孝(かわさき・やすたか)
『まちづくり、人づくり:ある町長のふるさと再生への挑戦(22世紀アート)』 の著者。元島根県桜江町長。
インターネットによる情報化社会は著しく進展しており、行政における広報の広聴活動のあり方にも大きな変革が見られる。こうした動きに対応することに異論はないが、あらゆる階層の市民たちにその恩恵が及ぶ方策がとられなくてはならないと思う。
国は地方に対してさまざまな支援策を行っているが、受け入れる側の自治体の姿勢により、とくに過疎や高齢化が進む地方では、環境整備(ネット回線など)の遅れが生じているように思う。
まずはその整備を行い、首長の個人プレーに陥らないようにするべきだ。行政として職員とともに、市民に等しくその情報を双方向で共有する仕組みづくりが必要だ。それを職員の資質向上にも役立てる配慮が必要ではないかと思う。
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社会で多様性(ダイバーシティ)が語られるほど、自己肯定感や個性についての悩みが増えていきます。価値観は人それぞれ。だからこそ、自分も大切にしてほしい。その第一歩が他人の意見に耳を傾けることだと、私たちは考えます。
その先に価値観が変化することもあれば、譲れないモノを見つけることもあるでしょう。様々な悩みを柔軟に解釈し、なりたい自分を目指していこう。
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