三井化学、新素材「無孔調湿フィルム」の市場開発開始 ~「まるで呼吸するかのように」空間の湿度をコントロール~
三井化学株式会社(所在:東京都港区、代表取締役社長:橋本 修)は、無孔でありながら湿度をコントロールできる新素材フィルム「無孔調湿フィルム」の市場開発を開始しました。
無孔調湿フィルム(開発品)は、無孔であるため、液体や雑菌などの異物はフィルムを通過させず、湿度のみ調整することが出来ます。また、本フィルムの原料は、特殊ポリオレフィンです。現在市場に存在する調湿性を有する素材のように複合素材ではないため、将来のリサイクルも容易です。
なお、本フィルムは、これから第3回 感染症対策総合展*1(6/17~6/19、ポートメッセ名古屋)及び、第9回高機能プラスチック展*2(6/23~6/25、インテックス大阪)に出展予定です。会場では実物をご覧いただけます。
まるで呼吸するフィルム
一般にウレタンフィルムのように透湿性の高いフィルムや、ポリオレフィンフィルムのように透湿性がほとんどないフィルムは存在します。一方、本フィルムは、低湿度の条件下では水蒸気をほとんど通さず、高湿度の条件になるにつれ、水蒸気を徐々に通しやすくなるという特異的な性能を有しております。
その特殊な性能により「まるで呼吸するかのように」空間の湿度をコントロールします。
想定用途等
液体や、雑菌などの異物を通さず、湿度のみをコントロールできることから、例えば、建築素材としてや、布や不織布と貼り合わせてアパレルや防護服などでの利用が考えられます。
用途例 その1
このフィルムを屋根材や壁材に利用すると、室内の湿度が高まる夏場は湿気を逃がし、逆に室内が乾燥状態になりやすい冬場は、湿気を逃さず湿度を保てるものと考えます。
用途例 その2
不織布と貼り合わせて防護服などに利用すれば、患者の血液や雑菌を通さず、医療従事者の汗などの湿度を逃がし、医療活動に快適な環境を保てるものと考えます。
ご注意)現時点、本フィルムはあくまで市場開発段階で特定分野での使用に必要な許可などは取得しておりません。別途ご相談下さい。
アフターコロナの時代に
新型コロナウイルスの影響により、リモート社会へのパラダイムシフトが始まった社会において、生活空間の快適さの重要性がますます高まるものと想定され、この無孔調湿フィルム(開発品)は、そういった要望へ貢献できる素材であると考えています。
※ご参考
無孔調湿フィルム特設サイト: https://jp.mitsuichemicals.com/jp/service/product/choushitsu.htm