【新刊】大津秀一著『幸せに死ぬために~人生を豊かにする「早期緩和ケア」』(講談社現代新書)

人生100年時代、「最期まで自分らしい豊かな人生」を送るために緩和ケアの専門家が伝えたいこと

ベストセラー『死ぬときに後悔すること25』の著者が 様々な患者さんとのエピソードを通じて見出した、 人生を豊かにする「早期緩和ケア」の可能性とはーー

コロナウイルスとの闘いが続く現在、医療は「病気を治すもの」というイメージに綻びが見られています。どんなに医療が進歩しても、完治できない慢性病や、「老い」の問題と向き合わざるを得ません。
その過程で、「治す」とはまた別の重要な考え方である「苦痛を和らげ、心身をより良く保ち、元気に生活できる」ことを支える「緩和ケア」が育ってきました。
日本国内では緩和ケアの専門医、専門病院は少なく発展途上にあります。そして緩和ケアには終末期というイメージを持っている人がほとんどでしょう。しかし緩和ケアが目指すものは「終末期」に限りません。
緩和ケアとは、本質的には生活の質を上げるアプローチ。痛みの緩和だけでなく、不安やストレス、生きづらさを抱える方々に安心や前向きな心を与えるためのもの。そして最期まで幸せに生きることを支える医療です。
8月18日に刊行される『幸せに死ぬために~人生を豊かにするための「早期緩和ケア」』(講談社現代新書)では、日韓累計57万部のベストセラー『死ぬときに後悔すること25』(新潮社)で多くの読者の支持を得た、緩和ケアの専門医師である大津秀一氏が、約20年、3000人以上の患者さんと向き合ってきた経験から、末期に限らず多くの方々に実践していただきたい「早期緩和ケア」の重要性をお伝えすることを目指しています。
本書を読んでいただくと、早期緩和ケアについて理解してもらえるのはもちろん、読み進めていくうちに、ここで論じられる未来の医療の在り方が「あなたはどのように生き、どのように逝きたいか?」という問いと密接に結びついていることに気づかれるでしょう。

【本書の内容】
◇「最期は家で過ごしたい」がん患者の心の叫び
◇すべての人が直面する「死の自己決定」
◇定期的な緩和ケアで生存期間が延びた?
◇「かかりたい時に医者にかかる」では遅い
◇海外で緩和ケアが必要な人が最も多いのは「がん」ではなく「心血管疾患」
◇緩和ケアを通じて入院費用が減少する
◇家族の「サポート疲れ」も医療の対象に
◇「医療用麻薬」をおそれる日本人
◇診療報酬の安さが緩和ケアの障壁
◇「病気になってからの予防」が問われる時代
◇安楽死が奪う「あの時死ななくて良かった」の声
……ほか。

【目次】
はじめに
プロローグ 私が緩和ケア医になるまでーー「自分らしく生きる」医療との出会い
第1章 なぜ「早期緩和ケア」なのか
第2章 「早期緩和ケア」5つの誤解を解く
1、緩和ケアはお金がかかり、家族への負担も大きい?
2、緩和ケアは身体の痛みを和らげるだけ?
3、緩和ケアで使う薬は恐ろしい?
4、緩和ケアは自宅では受けられない?
5、担当医がいる以上、緩和ケア医は必要ない?
第3章 「早期緩和ケア」をめぐる医療事情
第4章 未来の医療としての「早期緩和ケア」
1、人生100年時代の介護と緩和ケア
2、死の意思決定ーー安楽死をめぐる問い
3、最期を迎えるための人生観の持ち方
おわりに

【著者*大津秀一(おおつしゅういち)プロフィール】
早期緩和ケア大津秀一クリニック院長。
茨城県出身。岐阜大学医学部卒業。緩和医療医。2006 年度笹川医学医療研究財団ホスピス緩和ケアドクター養成コース修了。内科専門研修後、2005年より3年間京都市左京区の日本バプテスト病院ホスピスに勤務したのち、2008年より東京都世田谷区の入院設備のある往診クリニック(在宅療養支援診療所)に勤務し、入院・在宅(往診)双方でがん患者・非がん患者を問わない緩和医療、終末期医療を実践。2010 年6 月から東邦大学医療センター大森病院緩和ケアセンターに所属し、緩和ケアセンター長を経て、2018年8月より現職。

遠隔診療を導入した日本最初の早期からの(診断時や治療中から。対象をがんに限らない)緩和ケア専業外来クリニックを運営し、全国の患者さんをオンライン緩和ケア相談している。全国相談可能な『どこでも緩和』ネットワークを運営。著書に25万部のベストセラー『死ぬときに後悔すること25』(新潮文庫)、『死ぬときに人はどうなる 10の質問』(光文社文庫)、『死ぬときにはじめて気づく人生で大切なこと33』(幻冬舎)などがある。

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