コンペティション受賞13作品を発表!また次の10年に向けての発展と成長を。
第10回新千歳空港国際アニメーション映画祭 無事閉幕
新千歳空港国際アニメーション映画祭実行委員会では、2023年11月2日(木)〜6日(月)までの5日間に渡り新千歳空港シアターを中心に開催した「第10回 新千歳空港国際アニメーション映画祭」が無事閉幕しました。
10年目となる今年度は、コンペティション部門をはじめ、招待部門に豪華ゲストを招いた特別上映・トークプログラム、音楽ライブ用の音響機材を増設した爆音上映、北海道内の人気音楽フェスとコラボしたライブプログラムほか、無料トークプログラムなど全63プログラムが行われました。
最終日となる本日、グランプリを含むコンペティション受賞13作品の発表と授賞式を執り行いました。
コンペティション短編部門
コンペティション短編部門グランプリは、ジョシュ・シャフナー氏の『In Dreams』が受賞しました。
国際審査員を務めたトメック・ポパクル氏は、作品について「観客の心を異なる惑星、仮想現実、小宇宙から大宇宙へと通過する旅へと導く」「真に異質で未知なるものと接触しようとする、常識を超越した作品」と評しました。
来場していた米国モンタナ州のミズーラ出身の映画作家でビジュアル・アーティストのジョシュ氏は、「素晴らしい賞をいただけて光栄です。実験的な作品で、鑑賞者がどう関わり繋がれるか不安に思っていました。時に人の夢の話は退屈ですよね。このような賞をいただけてとても安心しました。ありがとうございました」と受賞の喜びを述べました。
また、日本グランプリには、チャール・ハルマンドル氏の『Vision』が受賞。チャール氏は、トルコ・イスタンブール出身のアーティストであり、現在東京藝術大学 大学院博士課程に在籍しています。審査委員の金澤 韻 氏は、「世界はあらかじめそこにあるのではなく、知覚する者によってはじめて姿を現すということを改めて思わせました。多くの人に共有されうるフレッシュな視野を、洗練された表現で伝えてくれる作品」と評しました。
チャール氏は「日本グランプリに選んでもらい、大変嬉しく思います。私のような色々な国の出自を持つアニメーション作家を受け入れてくれた日本にも感謝しています」と受賞について述べました。
コンペティション長編部門グランプリ
コンペティション長編部門グランプリは、キアラ・マルタ氏、セバスチャン・ローデンバック氏の『リンダはチキンがたべたい!』が受賞しました。
受賞の一報を受けて、作品の登場人物であるリンダからの受賞コメントで会場を沸かせた後、作者の二人から「日本で上映されることはスリリングなこと、さらに審査いただき賞をいただけることは非常に嬉しい」と受賞について感謝を述べました。
3名の審査員からこの選考について、「この圧倒的な物語は、純粋かつ誠実な方法でむき出しの感情を通じて、私たち内なる子供に触れ、鋭い不条理感と風刺のセンスで、人間関係や家族の葛藤を超越します。コミュニティが適切な時と場所に一堂に会する、驚きと喜びに満ちた傑作です」と評しました。
コンペティション受賞13作品は、以下のリンクよりご覧いただけます。
小出正志実行委員長「来年からは、次の10年がはじまります」
国際審査員を代表して、ミハイ・ミトリチャ氏から今年の総評として「5日間の美しい日々、美しい人たちとの出会いがあった」と振り返り、「フェスティバルの大変さを身に沁みて知っている。運営の皆さんに心からありがとうを伝えたい」と述べました。
また、本映画祭小出正志実行委員長から、「コロナ禍を脱し、豊かな5日間だった。来年からはまた次の10年がはじまる。さらに発展と成長を続けていきたい」と、無事全てのプログラムを終え、閉会を宣言しました。
新千歳空港国際アニメーション映画祭とは
新千歳空港国際アニメーション映画祭は、北海道と世界を結ぶゲートウェイである新千歳空港ターミナルビル(北海道千歳市)を会場とした、アニメーション専門の国際映画祭です。
記念すべき10回目の開催となる今年は、2023年11月2日(木)~11月6日(月)の5日間で、国内外の話題作など招待作品の上映はもちろん、アニメーションの意義を拡張する様々なプログラムを展開しました。
アニメーションの意義を拡張するような新しい価値を生み出す「遊び場」として、エネルギーを持ち帰ることができる文化交流拠点の創造を目指します。