GSアライアンスが、機械的強度が復活する 画期的な廃プラ再生技術の事業化を目指す
GSアライアンス株式会社は、この度、廃プラを再生する画期的な技術において、福岡大学からライセンスを受けました。
現在、廃棄されたプラスチックが世界の多くの地域で環境汚染を引き起こしていますが、この課題解決には高度なリサイクル技術の確立が不可欠です。廃プラのリサイクルには、サーマルリサイクル、マテリアルリサイクル、ケミカルリサイクルの主に3つの手法があります。サーマルリサイクルは実質廃プラを燃焼して燃料源として使用しているだけで理想のリサイクル法とは言えず、特に海外であまり好まれていません。またケミカルリサイクルは理想ですが、コストが高くなるという欠点があります。
福岡大学の八尾 滋教授は、これまで高分子物理の視点から研究を行い、物性低下の原因は主鎖の破断などによる化学劣化ではなく、プラスチック内部の結晶構造変異による物理劣化であること、さらに成形プロセスの最適化により物性は大きく向上させることができ、選別精度が良い場合には新しい樹脂ペレット並みに再生できることを世界で初めて理論、実験的に明らかにしました。さらに、高度物性再生に適用できる新たな押出機の考案も行い、この押出機を用いることでこれまでの生産速度を維持したまま、高性能なリサイクル製品を生産することが可能になることも明らかにしました。
これまでは、プラスチック製品は数年から十年以上使用すると、引張強度や靭性などの機械的強度が低下していくのが当たり前で、通常の方法で再生ペレットを製造しても、機械的強度は弱いままで、これらの再生ペレットを用いた成形品の用途などは限られていました。つまり、弱い再生ペレットだけで成形品を作っても、強度が弱いので使えない場合が多いのです。しかしながらこの技術は、特に靭性などを改良してプラスチックの機械的強度を新しい樹脂ペレット並みに復活することができる画期的な技術です。この技術を用いた廃プラスチックを用いることにより、これまで強度が弱く成形できなかった成形品などが、再び廃プラだけで成形できる可能性があります。またこの手法はいわゆるマテリアルリサイクル法の1つでもあり、コストも安く、今後、マテリアルリサイクル、ひいては廃プラ業界のリサイクル効率が飛躍的に高くなる可能性があります。
GSアライアンス株式会社は、この度、上記の技術を福岡大学からライセンスを受け、この技術を実行できる押出機も自社内に設置しました。材料やリサイクルの条件によっては、まだ強度が回復せず、技術が未熟な部分もあり、まだ検討が必要であるものの、今後は、設置した実験機を用いた廃プラ再生樹脂ペレットの試作、製造受託や、その材料の機械的強度の測定受託、成形品の検討、そして、この画期的な技術を用いた量産事業化を目指していきます。
GSアライアンス株式会社は脱炭素社会構築に向けた具体的な最先端技術(天然バイオマス系生分解性樹脂、バイオコーティング剤、バイオマスインク、次世代型二次電池、燃料電池、太陽電池、人工光合成など)を提供することをビジョンとしており、UNIDOのプラットフォームであるSTePPやWIPO GREENなどの国連関連機関に登録されている技術もあります。またGSアライアンスは現在、国連の持続可能な開発目標(SDGs)の達成を目指すスタートアップ企業として採択されており(UNOPS GIC KOBE)、国連機関の支援の下、国内外の事業展開を進めています。
会社概要
商号 : GSアライアンス株式会社(Green Science Alliance Co., Ltd)
(冨士色素株式会社グループ)
代表者 : 代表取締役 森 良平 博士(工学)
所在地 : 〒666-0015 兵庫県川西市小花2-22-11
事業内容: 脱炭素社会構築のための環境、エネルギー分野の最先端材料、
技術の研究開発
URL : https://www.gsalliance.co.jp/