ワープスペース、GCEインスティチュートと 宇宙での活用とカーボンニュートラルへの貢献を目指し 宇宙用「アンビエント発電素子」の共同研究開発を発表
小型衛星を活用した宇宙空間での光通信サービスの実現を目指す株式会社ワープスペース(茨城県つくば市、代表取締役CEO:常間地悟)は、宇宙空間における電源の冗長性確保とその技術を応用した地上でのカーボンニュートラルな社会の実現への貢献を目指し、株式会社GCEインスティチュート(本社 東京都中央区、研究所 茨城県つくば市、代表取締役:後藤博史)と宇宙用「アンビエント発電素子」の研究開発を共同で行う契約を締結いたしました。
GCEインスティチュートは未利用排熱や環境熱を電力へと変換する、全く新しいエネルギー変換テクノロジー「アンビエント発電」の確立と普及を目指している会社です。
ワープスペースは地球観測衛星がより大容量かつ即応的に地上へと観測データを送信できるようにし、更に月や火星といった宇宙の遠隔地とのシームレスな通信環境を実現するため、光通信中継ネットワーク「WarpHub InterSat」の開発を進めています。
現状では宇宙空間において太陽光エネルギーが最も効率的かつ安定的な電力ソースとなっています。太陽光に変わる電力ソースとして「アンビエント発電素子」を実現化できれば、「WarpHub InterSat」にて使用される中継衛星の電源の冗長化ができるだけでなく、これまで衛星が不得手としてきた軌道中の夜間帯での観測データを増やすことや、永久夜が存在する月や太陽光の及ばない深惑星などにおける探査に貢献できる可能性があります。
また、この技術は地上での応用も可能と考えております。現在ますます深刻となっている地球温暖化に対して水素やバイオなど様々な代替可能なエネルギーの開発が進められています。その中でこの技術が実用化できれば、「未利用熱」という地上のどこにでも存在するエネルギーを利用できることから、発電システムや送電網などが整っていない場所も含めて地球の広範囲に渡って利活用のできる新たなエネルギーの選択肢を供給できることとなります。
ワープスペース代表取締役CEO 常間地のコメント:
「GCEインスティチュート社が開発する「アンビエント発電素子」は宇宙開発に対する大きな可能性を秘めているだけでなく、私たちも重大な課題だと考えている持続可能な社会の実現に近づくために必要な技術だと考えております。今回、共同開発をご一緒できることは大変光栄なことであり、宇宙と地球に対する両輪の貢献を実現できればと考えています」
GCEインスティチュート代表取締役社長 後藤氏のコメント:
「当社開発中の「アンビエント発電素子」の宇宙環境での実用化検証実験に関する共同開発の機会をワープスペース社から頂けたことに感謝いたします。今後加速される宇宙開発において、当社技術が宇宙空間での新たな電力供給源として用いられるよう、今回の共同開発を通して可能性を見出して行きたいと考えています」
【株式会社ワープスペース】
2016年に設立。前身の大学衛星プロジェクトを含め、これまで3機の通信衛星を打ち上げています。宇宙や人工衛星に関する高い専門性に加え、JAXAをはじめとした研究機関とのパートナーシップ、つくば研究学園都市が保有する豊富な実験・試験設備等を強みに、民間として世界初の衛星間光通信ネットワーク「WarpHub InterSat」の実現を目指しています。
【株式会社GCEインスティチュート】
世界で年間約150兆円分発生する未利用熱や環境熱を再生可能エネルギーに活用すべく、「空気の温度」も半永久的に電力へ変換できる究極の環境発電技術「アンビエント発電」の実用化に挑戦。まず交換不要なIoT電源を開発。