ヒトラーの死からドイツ降伏までを多角的に描いた『ナチ・ドイツ 最後の8日間』を7月19日発売!
ドイツ語で「シュトゥンデ・ヌル(零時)」と呼ばれる空白の8日間。それは欧州における第二次世界大戦の最終幕であるとともに、その後のヨーロッパの「起点」となった。その渦中に生きた人々の日記や回顧録から時代の断層を活写する快著、登場人物500人超、全512頁。
株式会社すばる舎(本社:東京都豊島区、代表取締役社長:徳留慶太郎)は、『ナチ・ドイツ 最後の8日間』を7月19日に発売します。
内容
独裁者は「もはや」いなくなった。なのに、戦争は「まだ」終わらない。
1945年4月30日、「一人の総統」といわれた男の突然の退場により時代の歯車が動きだす。
首都が陥落し、降伏への交渉が多方面の水面下ですすむ一方で、ある町では大量自殺が発生。
高官の逮捕と地下潜伏、その後のナチ狩り、同時多発で横行する報復的暴行や暴力的な追放、
強姦事件、「死の行進」など……激動の瞬間を、500人を超える登場人物とともに追体験する。
多くの日記や伝記、手紙や証言から知る、崩壊と始動の歴史的瞬間
強勢を誇った一つの国家が破滅に向かっていくさなか、
その渦中に生きた人々は、どう考え、どう行動したか。
日ごと刻一刻と変化する時代の断面を活写する本書は、
いま世界で進行中の惨劇をも彷彿とさせずにおかない。
目次
はじめに(「時のない時間」/国民大移動/没落と始まりと)
プロローグ 1945年4月30日(防空壕でのヒトラーの最期/ミュンヘン占領 ほか)
1945年5月【1】日(スターリンとの分離交渉の失敗/ゲッベルス一家の心中 ほか)
1945年5月【2】日(降伏と略奪と/ヒトラーの遺体の捜索/あるミサイル研究者の戦後 ほか)
1945年5月【3】日(ハンブルクの無血明け渡し/ベルリンにおける大量強姦 ほか)
1945年5月【4】日(「部分降伏」文書の調印/アデナウアーの政界復帰 ほか)
1945年5月【5】日(「業務遂行政府」の形成とその顔ぶれ/「荒々しい追放」の始まり ほか)
1945年5月【6】日(最後通告/死の行進/「要塞都市」ブレスラウの降伏 ほか)
1945年5月【7】日(無条件全面降伏へ/ディートリヒ家の不釣り合いな姉妹 ほか)
1945年5月【8】日(調印式のやり直しに固執したスターリン/「ヴィクトリー・デイ」 ほか)
エピローグ(「崩壊」の日か、「解放」の日か/デーニッツ政府の処遇/一つの終わりと一つの始まり ほか)
謝辞/訳者あとがき/原注/参考文献/人名・地名索引
書籍概要
発行:株式会社すばる舎
著者:Volker Ullrich(フォルカー・ウルリヒ)
翻訳者:松永 美穂(マツナガ ミホ)
判形:四六判・上製
頁数:512ページ
ISBN:978-4-7991-1062-1
Cコード:0020
価格:本体4500円+税
著者略歴
◆著者─フォルカー・ウルリヒ(Volker Ullrich)
ドイツの歴史家。1990年から2009年まで、ハンブルクに本拠を置く全国週刊紙《Die Zeit》で政治関連書籍部門担当。影響力のある歴史書を数多く出版し、なかでも《Die nervöse Großmacht. Aufstieg und Untergang des deutschen Kaiserreichs 1871–1918》や伝記《Adolf Hitler》は複数の言語に翻訳された。1992年にアルフレート・ケル賞受賞。2008年にイエナ大学から名誉博士号。
◆訳者─松永 美穂(まつなが・みほ)
愛知県生まれ。東京大学大学院人文科学研究科博士課程単位取得満期退学。ドイツ学術交流会奨学生としてハンブルク大学に留学。現在、 早稲田大学文学学術院教授。著書に『ドイツ北方紀行』『誤解でございます』、おもな翻訳にヘルマン・ヘッセ『車輪の下で』、ベルンハルト・シュリンク『朗読者』『オルガ』、ヨハンナ・シュピリ『アルプスの少女ハイジ』、ウーヴェ・ティム『ぼくの兄の場合』がある。