「裁判管轄について思うこと」新日本法規WEBサイト法令記事を2024年11月19日に公開!

 新日本法規出版株式会社(所在地:愛知県名古屋市中区栄1丁目23番20号、代表取締役社長:河合誠一郎)は、新日本法規WEBサイト法令記事「裁判管轄について思うこと」を2024年11月19日に公開しました。

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執筆の背景

 新日本法規WEBサイトでは弁護士・税理士・社会保険労務士等先生方の興味・関心のあるテーマ、もしくは話題の判例などを基に法令記事を執筆していただいております。
 どの分野の先生がどんなテーマの記事をご執筆いただけるかは公開までのお楽しみです。

今回のテーマは「裁判管轄について思うこと」

 土地管轄が複数あるとき、原告は自身に有利な場所を管轄地に選んで提訴することができますが、被告はこれに対して移送の申立てを行い管轄を移動させることがあります。
 以前、長崎県の離島で職務を行っていた頃は、管轄争いが一大事でした。自身の管轄地以外で裁判が行われることになると、出頭には、船か飛行機を利用しなければいけません。経済的に苦しい方に、弁護士費用の他に何回分もの飛行機代や宿泊代まで負担させるのは実質的には不可能であり、管轄争いで負ければ現地の弁護士を見つけて共同受任をお願いせざるを得ませんでした。
 被告側から移送の申立てを起こされることもありました。基本的に、①原告と被告の立場の差(法人か個人か、経済力の差等)や、②当方管轄で裁判が行われても相手の負担を軽くできる事情の有無、③当方管轄で裁判を行うことのメリット(証人の多くが当方管轄にいる等)で判断が下されていました。

 ただし、最近では、それらの基本に反するケースが出てきています。
・千葉(当方)と京都(先方)の管轄争いにおいて、双方に代理人弁護士が就いていたため、出頭の不利益の多くはWEBで解消されると判断され、土地管轄が京都から移送されなかったケース
・東京(当方)と静岡(先方)の管轄争いにおいて、当方には代理人が就いているからWEBで期日をクリアできるが、先方はその時点で弁護士が就いておらず、出廷の不利益が大きいと考えられ、土地管轄が静岡に移動されたケース
がその例です。
 裁判のIT化によって管轄争いの内容が大きく変わってきました。現状、弁護士が代理人に就いていればWEB期日が可能であるため、「当事者の立場の差」とは法人・個人の差や経済力、出廷のしやすさ如何を問わず、弁護士が就いているかいないかだけがポイントになってしまった感じがします。

 WEB期日は慣れれば極めて楽なものです。しかし、出廷して裁判官と顔を合わせることで、期日前後の雑談等を通して知り得ることやそれとなく伝えられるものもありますが、WEB期日は電話とは違って一応顔は見えますが、細かい表情までわからず、余談というものがありません。管轄争いはもはや無意味ではないかとすら言われますが、リアルで出廷する余地を残しておくことは、意外と有利に働くことがあるかもしれないと思います。

 裁判管轄地争いと裁判のIT化が与える影響について解説した「裁判管轄について思うこと」は下記より全文お読みいただけます。

執筆者
石丸文佳(弁護士)
「裁判管轄について思うこと」
https://tinyurl.com/28lyww4a

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