【ダイキン】2024年度 省エネ大賞で『グリーンビルサポートサービス』が 「資源エネルギー庁長官賞」を受賞 既存ビルのESG価値向上を支援
一般財団法人 省エネルギーセンターが主催する2024年度省エネ大賞で、ダイキン工業株式会社の「既存ビルESG価値向上ソリューション『グリーンビル※1サポートサービス』」が製品・ビジネスモデル部門において「資源エネルギー庁長官賞」を受賞しました。また「空調遠隔監視と先回り熱負荷予測による省エネ『エアネットサービスシステム』」が同部門の「省エネルギーセンター会長賞」を、「カーボンニュートラルに貢献するICT装置用空調機『FMACS-VI(M)』」が同部門の「省エネルギーセンター会長賞」を、それぞれ受賞しました。
省エネ大賞は、優れた省エネルギー活動を推進する国内の事業者を表彰し、省エネ意識の浸透を目的とした賞です。受賞案件の展示は2025年1月29日(水)から1月31日(金)に東京ビッグサイト(東京都江東区)で開催されるENEX2025「第49回地球環境とエネルギーの調和展」で行われます。
※1 ビルの資源効率および環境的、社会的責任を踏まえた運用をする建物のこと
【受賞製品の概要】
1.製品・ビジネスモデル部門 「資源エネルギー庁長官賞」受賞 「既存ビルESG価値向上ソリューション『グリーンビルサポートサービス』」
本サービスは、既存ビルの脱炭素化 やESG評価向上に向けて5つのステップ(①「スクリーニング」、②「グリーンビル診断」、③「グリーンビル改修支援」、④「グリーンビル認証取得支援」、⑤「モニタリング・運用改善」)でビルの省エネ診断や空調機の改修、その後の運用改善まで支援します。本サービスを適用した代表的な事例では、省エネ改修により消費電力量を56%削減し、その後の運用改善でさらに5%を超える削減を実現しました。
2.製品・ビジネスモデル部門 「省エネルギーセンター会長賞」受賞 「空調遠隔監視と先回り熱負荷予測による省エネ『エアネットサービスシステム』」
本サービスは、空調機を遠隔から自動制御することで消費電力量の削減と快適性の両立を実現するサービスです。空調機の運転データとクラウドから得られる天気や日射などの外部情報からAIが部屋ごとの熱負荷を予測し、冷やしすぎや暖めすぎなどのムダな運転を防ぎ、省エネ性と快適性を維持します。国内外の30件の検証物件において、快適性を低下させることなく、消費電力量を通年最大約20%※2削減しました。
※2 オフィス用途の建物における、1年間(冷房・暖房)の検証結果(当社2015年以降販売の業務用マルチエアコンとの比較)
3.製品・ビジネスモデル部門 「省エネルギーセンター会長賞」受賞 「カーボンニュートラルに貢献するICT装置用空調機『FMACS-VI(M)』」
本製品は、株式会社NTTファシリティーズと共同開発したICT装置を冷却する年間冷房型空調機です。ICT装置用空調機として日本初※3となる低温暖化冷媒HFC-32(以下「R32」)を採用し、カーボンニュートラルへの貢献をめざします。また、ダイキン独自の高効率ターボファンとIPMモータを搭載するとともに、気流解析技術を用いて空調機内の空気抵抗を最小化することにより、従来機よりも年間消費電力量の約20%削減を実現しました。
※3 ICT装置用パッケージ空調機の分野として日本初(NTTファシリティーズ調べ)
【受賞製品の詳細】
1.製品・ビジネスモデル部門 「資源エネルギー庁長官賞」受賞 「既存ビルESG価値向上ソリューション『グリーンビルサポートサービス』」
国際的に不動産の脱炭素化の推進が加速する中、国内においても既存ビルのESG評価の向上が求められており、建物のグリーンビル認証などの取得が注目されています。そのような中、ダイキンは空調メーカーならではの強みを活かし、既存ビルの設計、運用管理等のライフサイクルにあわせて5つのステップで診断から継続的な運用改善までを支援するソリューションサービスを構築しました。
(1)『スクリーニング』
既存ビルのGHG(グリーンハウスガス)排出量について、パリ協定の1.5℃シナリオに基づいた2050年までの脱炭素目標を算出するツール「CRREM」 を用いて評価し、脱炭素化に向けた現状把握や、設備改修、運用改善によって達成する目標をお客様と共に確認します。
(2)『グリーンビル診断』
スクリーニングで確認された課題に対し、設備状況を把握するため全館点検やエネルギー計測等の手法を用いて、運用改善や設備改修に関する提案を行います。
(3)『グリーンビル改修支援』
グリーンビル診断の結果に基づき、設備改修時の最適容量を選定し、グリーンビル化の可能性を提案、設備改修の支援を行います。
(4)『グリーンビル認証取得支援』
設備改修時に建物のグリーンビル認証取得に向けた調査を実施し、顧客ニーズに応じてBELS※4、CASBEE不動産※5等の認証取得支援および評価向上の提案を行います。
※4 BELS 建築物省エネルギー性能表示制度
※5 CASBEE不動産 既存建築物(オフィスや店舗、物流施設等)を対象とした環境性能評価システム
(5)『モニタリング・運用改善』
持続的な省エネおよび脱炭素の取り組みとして、遠隔サポートサービス(『EneFocus α』※6)などを用いてエネルギー使用量の実績把握・削減提案や、「CRREM」の再評価を行います。更に、適切なメンテナンスを提案し、設備のライフサイクルコストの低減をめざします。
※6 空調機を遠隔監視し省エネ・CO2排出量削減を継続的にサポートするサービス
◇今後の取り組み
本サービスを通じて、既存建築物の脱炭素化やESG評価向上を支援しながら、提案メニューのさらなる拡充に努め、ビルや設備のライフサイクル全体を通じて環境負荷の低減に取り組みます。
2.製品・ビジネスモデル部門 「省エネルギーセンター会長賞」受賞 「空調遠隔監視と先回り熱負荷予測による省エネ『エアネットサービスシステム』」
カーボンニュートラルの実現には、国内建築物総面積の半分以上を占める中小規模のビルの省エネ化を推進することが重要視されています。現在、中小規模のビルは約80%以上※7がパッケージエアコンなどの個別分散方式が採用されています。空調機の省エネは、長期間使用してきた機器を高効率機に更新するだけでなく、運用における省エネも重要です。しかし、運用中の省エネは、有効な手法が少ないという課題があり、当社は、天候や日射などの外部情報とAIを活用することで、従来と比較し、快適性を損なうことなく空調機の省エネを実現する新たな手法を開発しました。
※7 総床面積規模別 空調方式の採用割合(一般社団法人日本ビルヂング協会連合会の「2023年度ビル実態調査の概要」より)
(1)熱負荷状況の自動学習
日々の天候や使用環境によって変化する空調機の運転データをクラウド上に蓄積し24時間365日、空調機の熱負荷状況を自動で学習し、建物別の熱負荷モデルを算出します。
(2)建物の熱負荷予測
10分後の天気状況を予測し、学習した構築モデルによって10分後の建物の熱負荷を予測します。
(3)遠隔自動制御
予測した建物の熱負荷に応じて空調機を遠隔から自動制御し、冷やしすぎや暖めすぎなどのムダな運転を抑え、快適性を保ちながら省エネを実現します。
◇今後の取り組み
世界的な環境意識の高まりから、カーボンニュートラルへの取り組みが一層加速しています。当社は、本案件にとどまらず、多様な市場ニーズやお客様の声を商品開発に反映し、あらゆる用途に対応できる新たなソリューション開発に挑戦していきます。
3.製品・ビジネスモデル部門 「省エネルギーセンター会長賞」受賞 「カーボンニュートラルに貢献するICT装置用空調機『FMACS-VI(M)』」
昨今、生成AIの普及によりデータセンターなどのICT装置類の熱負荷が増大し、より省エネ性の高い冷却装置が求められています。当社は温室効果の低い冷媒である「R32」を採用するとともに、従来機よりも年間消費電力量20%削減したICT装置用空調機を株式会社NTTファシリティーズと共同開発しました。
本サービスを通じて、既存建築物の脱炭素化やESG評価向上を支援しながら、提案メニューのさらなる拡充に努め、ビルや設備のライフサイクル全体を通じて環境負荷の低減に取り組みます。
(1)低温暖化冷媒「R32」の採用
本製品は、環境性と省エネ性に優れた低温暖化冷媒R32を採用しました。また、室外ユニットにオールアルミ製のマイクロチャネル熱交換器を採用することで、従来機と比べて冷媒量を57%削減しました。
(2)独自の高効率ターボファンで省エネルギー化を実現
ICT装置用空調機の省エネ性向上には、室内機の運転効率を高める必要があります。ダイキンは独自の高効率ターボファンとIPMモータを組み合わせて省エネ性を向上させています。高効率ターボファンは、ファンの3次元翼化で羽周りの気流剥離を極力抑え、エネルギーの損失を大幅に低減させると同時に、風のガイドとなるデフューザーを搭載することで風速の均一化を図り、省エネ性を高めています。また、ダイキン独自の気流解析技術を用いることで、空調機内の空気抵抗を最小化へと繋げた結果、従来機よりも年間消費電力量の約20%削減を実現しました。
◇今後の取り組み
高発熱なICT装置の冷却を可能とする大容量タイプなどのラインアップ拡充を進め、脱炭素社会の実現に貢献していきます。
〔お問い合わせ〕
ダイキン工業株式会社 コーポレートコミュニケーション室
大阪(06)6147-9923/東京(03)3520-3100
prg@daikin.co.jp