車載用 電圧監視機能付きLDOボルテージレギュレータ「S-19310/S-19315/S-19316シリーズ」を発売

世界No. 1の自己低消費電流と高耐圧/高速電圧監視機能により究極の低消費車載用ECUを実現

エイブリック株式会社(代表取締役社長 兼 CEO:石合 信正、本社:千葉県千葉市、以下「ABLIC」)は本日より、車載用 電圧監視機能付きLDOボルテージレギュレータ「S-19310/S-19315/S-19316シリーズ」を発売しました。

「S-19310/S-19315/S-19316シリーズ」は、電源供給(LDOボルテージレギュレータ)、電源電圧監視を1チップ化した車載用 電源ICです。特にタイマIC(※1)のような小さな電流で動作するデバイスへの電源供給に最適なICです。
自動車の多機能化や電装化が進み、車両に搭載されるECU(※2)の数はますます増えています。そのため、一つ一つのECUに許容される暗電流 (※3) は非常に小さくなっています。ECUによっては、暗電流を下げる為にタイマICを使用してシステムの間欠駆動 (※4) を行う場合がありますが、間欠駆動時の暗電流は、タイマICとそれに電源供給をする電源ICの消費電流の足し算で決まるため、電源ICの自己消費電流が小さければ小さいほど、もともと非常に小さな消費電流のタイマICを最大限に活かすことが可能となります。本日発売した「S-19310/S-19315/S-19316シリーズ」は、世界No. 1(※5)の自己低消費電流を実現したため、こうした究極の低暗電流化要求に対応することが可能な電源用ICです。
さらに、従来の一般的なLDOボルテージレギュレータは高温時、軽負荷時に出力電圧が上昇するため、出力先に接続されたデバイスを危険にさらす可能性がありました。「S-19310/S-19315/S-19316シリーズ」ではその高温時の出力電圧上昇を抑える機能を内蔵しているため、負荷の軽いタイマIC使用時の低消費と安全性の両方を実現しました。
「S-19310/S-19315/S-19316シリーズ」は、電圧の監視対象により、最適なシリーズの選択が可能です。 S-19310は“内蔵されたLDOボルテージレギュレータの出力電圧”、S-19315は“SENSE端子の接続先の電圧”、S-19316は“内蔵されたLDOボルテージレギュレータの入力電圧”をそれぞれ監視します。また、検出電圧と解除電圧を一定範囲でそれぞれ任意に設定できる為、それぞれのシステムに最適な電圧監視を提供することが可能です。

さらに、車載ICの品質規格AEC(*)-Q100 (*Automotive Electronics Council: 車載電子部品評議会)に対応しており、PPAP(Production Part Approval Process:生産部品承認プロセス)にも対応可能です。
ABLICは、今後さらなる加速が見込まれる、ハイブリッド車や電気自動車をはじめとする自動車の多機能化や電装化を実現する製品展開を図ってまいります。

(※1) タイマICとは、リアルタイムクロックを代表とする時間監視のためのICの総称
(※2) ECU: Electronic Control Unitの略。電子回路を用いてシステムを制御する装置(ユニット)の総称。主に自動車に搭載されるものを指す。現在では大半にマイクロコントローラー(マイコン)が搭載されている
(※3) 暗電流とは、イグニッションOFFの状態でも流れる待機電流
(※4) 間欠駆動については、https://www.ablic.com/jp/semicon/products/rtc/intermittent-operation/ を参照
(※5) 2020年3月当社調べ

主な特長

1.世界No. 1低消費電流!!
車載用12Vバッテリに接続する電圧監視機能付きLDOボルテージレギュレータとして世界No. 1の自己低消費電流2.0μAを実現しました。少ない電流で動作するICやセンサへの電源供給と電圧の監視を極めて低消費で実現することを可能にしました。

2.監視対象に合わせて最適な製品シリーズを選択可能
「S-19310/S-19315/S-19316 シリーズ」はそれぞれ電圧の監視対象により製品シリーズが異なります。
S-19310は内蔵されたLDOボルテージレギュレータの出力電圧を監視します。S-19315はSENSE端子の接続された箇所の電圧を監視します。S-19316は内蔵されたLDOボルテージレギュレータの入力電圧を監視します。監視したい箇所に応じた最適なシリーズを提供可能です。

3.検出電圧と解除電圧とをそれぞれ独立で設定可能
検出電圧と解除電圧をそれぞれ独立で設定できるため、システムに最適な電圧監視が可能です。
S-19310では2.6 V ~ 出力電圧-0.3 V間、S-19315/S-19316では3.0 V ~11.3 V間で検出電圧と解除電圧のヒステリシス幅5%~30%の範囲で任意に選択可能です(ヒステリシスなしも選択可能)。

4.高耐圧SENSE端子によりバッテリを直接監視可能
S-19315に搭載されたSENSE端子は高耐圧の為、様々な箇所の電圧監視に使用可能です。例えば、12Vバッテリへ分割抵抗なしで直接接続・監視が可能です。また高耐圧であることで電圧の異常な上昇監視などの用途への使用も可能です。

5.高耐圧、且つ、電圧の異常を高速に検出可能
「S-19310/S-19315/S-19316シリーズ」は高耐圧との共存が難しい、高速検出を実現しました。これにより異常を速やかに検出し通知することを可能にしました。

6.車載品質
三温度テスト (低温、常温、高温) を実施しています。AECによる各種の信頼性・品質評価試験である「AEC-Q100」に対応予定です。また、PPAPにも対応可能です。自動車等の過酷な環境での使用が可能です。

主な仕様

・ 入力電圧: 3.0V~36.0V
・ 出力電流: 40mA
・ 出力電圧:2.9V~5.3V(S-19310), 1.0V~5.3V (S-19315/6) 範囲内で0.1 Vステップで選択可能
・ 出力電圧精度: ±2.0% (Tj = −40°C ~ +125°C)

・ 検出電圧 : 2.6 V ~ 出力電圧-0.3 V間において0.1 Vステップで選択可能(S-19310)
     3.0 V ~11.3 V間において0.1 Vステップで選択可能(S-19315/6)
・ ヒステリシス幅 "あり" / "なし" 選択可能 : "あり" : 5.0%≦VHYS≦30.0% / "なし" : VHYS = 0%
・ 解除遅延時間精度:±20%

・ 動作時消費電流:2.0 μA typ. (S-19315) / 2.2 μA typ.(S-19310/S-19316)
・ 搭載パッケージ
 SOT-23-5, SOT-89-5, HTMSOP-8
・ AEC-Q100 進行中
・ PPAP対応可能 ()
(
) 詳細は販売窓口までお問合せください

用途例

・ EFI(Electronic Fuel Injection: 電子制御燃料噴射装置)、BMS (Battery Management System: 電池管理システム)、ドアハンドルセンサなど駐車時(エンジン停止時)に間欠駆動するアプリケーション
・ メーター、ナビゲーションシステム、TCU(Telematic Control Unit)など時間管理をするアプリケーション

製品詳細

・ S-19310シリーズ:https://hub.ablic.com/ja/products/s-19310
・ S-19315/S-19316シリーズ:https://hub.ablic.com/ja/products/s-19315-19316

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S-19310/S-19315/S-19316シリーズ
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