消費者調査で判明!マツキヨココカラ、次の一手は?
DgSの利用に関する調査報告
フィールド・クラウドソーシング事業を展開する株式会社mitoriz(本社:東京都港区、代表取締役社長:木名瀬博)は、全国のアンケートモニター(以下、POB会員)から月間1500万枚のレシートを収集する国内最大規模の(提携サイト含める)、日本初のレシートによる購買証明付き・購買理由データベース「マルチプルID-POS購買理由データPoint of Buy(R)(以下、POBデータ)」を活用し、生活者の購買行動を分析しています。
2021年10月、マツモトキヨシホールディングスとココカラファインが経営統合し「マツキヨココカラ&カンパニー(以下、マツキヨココカラ)」が発足し、同社は、2026年3月期に売上高1兆5000億円という明確な目標を掲げています。
そこで今回は、2021年7月に全国のPOB会員を対象に実施した「ドラッグストアの利用」に関するアンケート結果から、「マツモトキヨシ(667人)※()人数はメーン利用者」「ココカラファイン(274人)」比較対象として、「ウエルシア(835人)」「ツルハドラッグ(352人)」をメーン利用すると回答した2128人のアンケート結果と、2021年1月~12月の4社の購入レシート226,240枚から、購買行動を分析しました。消費者アンケートをもとに、次の一手に迫ります。
==============調査概要==============
・4チェーンにおけるメーン利用者の居住エリアは、各社の出店エリアに比例し、「マツモトキヨシ(N=667人)」は、6割以上が「関東(64.3%)」「関西(13.0%)」がそれに続く。「ココカラファイン(N=274人)」は、4割以上が「関西(41.2%)」となり、「マツモトキヨシ」でカバーできなかったエリアのシェアを持つことが予想でき、大都市を押さえることができている。
一方、「ウエルシア(N=835人)」は、メーン利用者の6割近くが「関東(56.9%)」となるが、郊外の出店が多く、「ツルハドラッグ(N=352人)」は、地場の「北海道(35.2%)」が3割以上であった(図表1)。
・「メーン利用のきかっけや目的」は、DgS主力カテゴリーの「食品以外の生活必需品の購入(平均46.8%)」が最も多く、「ココカラファイン(47.1% +0.3pt)」「ツルハドラッグ(53.1% +6.3pt)」の2社は平均を上回る。
「セール・特売商品購入(平均44.3%)」は、「ウエルシア(47.2% +2.9pt)」のみが平均値を上回り、年代問わずポイントデー利用者のコメントが多く挙がる。「クーポンやチラシなどの販促(平均40.6%)」においては、「マツモトキヨシ(49.8% +9.2pt)」1社のみが平均を大きく上回り、半数近くの回答を集めた。
・その他、各社の購入レシート構成比、購入状況等を調査。
図表1は、4チェーンにおけるメーン利用者の居住エリアをまとめたもので、各社の出店エリアに比例して、「マツモトキヨシ(N=667人)」は、6割以上「関東(64.3%)」を占め、「関西(13.0%)」がそれに続きます。「ココカラファイン(N=274人)」は、4割以上が「関西(41.2%)」となるため、「マツモトキヨシ」でカバーできなかったエリアのシェアを持つことが予想されます。
一方、「ウエルシア(N=835人)」は、メーン利用者の6割近くが「関東(56.9%)」となりましたが、郊外の出店が多く、「ツルハドラッグ(N=352人)」は、地場の「北海道(35.2%)」が3割以上となり、「マツキヨココカラ」としては、今後訪れる人口減少による市場の縮小を受けにくい、大都市を押さえることができていることが、大きな強みになると思われます。
図表2は、「メーン利用のきかっけや目的」をまとめたもので(選択肢・複数回答)、DgS主力カテゴリーの「食品以外の生活必需品の購入(平均46.8%)」が最も多く、平均を上回ったのは「ココカラファイン(47.1% +0.3pt)」「ツルハドラッグ(53.1% +6.3pt)」の2社となりました。メーン利用者からは、「日用品の品揃えが豊富で支払い方法も選べる(ココカラファイン利用40代女性)」、「洗剤や化粧品などを購入、安くて品揃えがよい(ツルハドラッグ利用50代女性)」品揃え・価格への満足度が挙がりました。
「セール・特売商品購入(平均44.3%)」は、「ウエルシア(47.2% +2.9pt)」のみが平均値を上回り、特に「ウエルシアの毎月20日のTポイント1.5倍の日に買う(50代男性)」など、年代問わずポイントデー利用者のコメントが多くみられました。
そして、「クーポンやチラシなどの販促(平均40.6%)」においては、「マツモトキヨシ(49.8% +9.2pt)」1社のみが平均を大きく上回り、半数近くの回答を集めました。
同社は、2014年に「マツモトキヨシ公式アプリ」をリリース後、早くからオムニチャネル化に着手し、2019年には、メーカーと共同販促するメーカー向けの広告ソリューション「Matsukiyo Ads」の提供をスタートするなど、早くから継続的なデジタル戦略に注力しています。
今後はノウハウを共有することで、「ココカラファイン」の店頭・サイト・アプリ・LINEなど、会員と接点を持ち、データを生かした販促施策を強化していくことも推測されます。
次からは、2021年1月~12月にPOB会員が投稿した、4チェーンの購入レシート226,240枚から、購買行動をみていきましょう。
まず、レシート分析1は、レシート購入金額全体に占めるカテゴリー構成比を並べたもので(医薬品は調剤を除く)、各社「日用品/日用雑貨」がと最も大きくなり、出店エリアの違いで、その他カテゴリーの構成比が異なります。
まず、都市型の「マツモトキヨシ」と「ココカラファイン」の2社は、主力の「美容・健康(15.4%)」に次ぎ、「食品(15.1%)」が「医薬品(13.3)」の構成比を上回りました。()内は2社平均。「卵とヤクルト、豆乳が安いので購入している(マツキヨ利用40代女性)」、「食品は早めに割引価格になるので日常的に利用(ココカラ利用30代女性)」など、特売の食品を目当てに利用する人もいました。
また、郊外型の「ウエルシア」と「ツルハドラッグ」は、「日用品+日用雑貨」に次ぎ、「食品」の構成比がとなり、「スーパーと比較すれば生鮮食料品の品揃えは、やや貧弱だが、ドラッグストアとしては平均以上だと思う(ウエルシア利用50代男性)」「田舎なのでお店が多くなく、食品も安く購入できるため利用し(ツルハ利用30代女性)」といった声が挙がりました。
レシート分析2では、各社の購入状況(レシート1枚あたりの平均購入個数・購入金額・1点単価)をまとめたものです。
都市に店舗を構える、化粧品や医薬品の目的買い利用者が多い「マツモトキヨシ」は、レシート1枚あたり平均(購入個数2.9個・購入金額1,279円・1点単価444円)なり、「ココカラファイン」では、(購入個数2.7個・購入金額1,129円・1点単価423円)となり
郊外に店舗を構え、日常使いの商品を低価格で販売する「ウエルシア」は、レシート1枚あたり平均(購入個数3.7個・購入金額1,095円・1点単価296円)、そして「ツルハドラッグ」は(購入個数3.8個・平均購入金額1,293円・1点単価337円)となり、「マツキヨココカラ」よりも、1点単価が安く、購入個数は1点近く大きくなりました。
レシート分析3では、「医薬品」、「美容・健康」カテゴリーの各社の購入状況(レシート1枚あたりの平均購入個数・購入金額・1点単価)をまとめたものです。
まず「医薬品」の購入状況をみると、「マツキヨ/ココカラ」2社の平均値は、となり、「ウエルシア/ツルハ」2社の平均値、よりも、平均購入金額が(+225円)、1点単価においては(+129円)上回りました。
特筆すべきは、「ツルハドラッグ」における「美容・健康」の購入状況にです。同社は、で最も高く、3社と比較すると+100円以上高いことがわかりました。
ツルハメーン利用者からは、「化粧品の種類が豊富」、「化粧品もポイントが多くつく日があり満足している(40代女性)」といったコメントが一定数みられ、化粧品の品揃えや売り方に対して、満足度が高いことがうかがえます。
また、「雑貨や化粧品、医薬品の他のついでに食品も買えて一度で買物が済むから(50代女性)」など、「生鮮食品も売っているので短時間に買い物が出来るのが便利(30代女性)」など、ツルハ一部の店舗で取り組む「精肉・青果や100円均一」の導入など、コロナ禍のワンストップショッピングのニーズを取り込めていることもわかりました。
マツキヨココカラについても、食品に対しては、「冷凍食品やお菓子が安い(マツキヨ40代女性)」、「毎週月曜日に牛乳が安いので買いに行く(マツキヨ30代女性)」、「お酒やお菓子が安い(ココカラ40代男性)」など、日配品を安く提供していますが、メインは医薬品や化粧品の「目的買いの顧客」に対応した売り方となるため、メーン利用者からは「薬の他、生鮮食品も品揃えを増やして、普段の買い物も1度で済むようにして欲しい。(ココカラ30代女性)」、「食料品がもっと充実させてくれたら嬉しい(マツキヨ40代女性)」といった声もありました。
まとめると、新型コロナウイルスの感染拡大状況が不透明な中では、マツキヨココカラが強みとする、「美容・健康」領域の強化だけではなく、PB商品など、良質で購入しやすい商品の品揃えによる利便性や、新たなライフスタイルに対応すべく、日用雑貨や食品の構成比のバランスを図ることも、同社が掲げる目標の実現に近づく一歩と言えそうです。
●調査概要
2021年7月2日~7月5日
インターネットリサーチ
調査期間:株式会社mitoriz
報道関係お問い合わせ先
株式会社mitoriz 石井(いしい)/山室(やまむろ)
TEL:03-6328-3883 FAX:03-6328-3631 MAIL: press@mitoriz.co.jp
Point of Buy(R)データベースは、全国の消費者から実際に購入/利用したレシートを収集し、ブランドカテゴリや利用サービス、実際の飲食店利用者ごとのレシート(利用証明として)を通して集計したマルチプルリテール購買データです。
同一個人(シングルソース)から「消費行動」に関わる複数種類のデータを収集しており、ショッパーの行動結果からリアルなショッパーの実態に直接迫り、マーケティング戦略に不可欠なデータを、“より精度を高く” 企業・メーカーに提供します。集計対象は、消費財カテゴリ68種類 約6,000ブランド、飲食利用カテゴリ10種類約200チェーン(2018年1月現在)。全ての利用証明に購入/利用理由(フリーコメント)がデータ化されています。
■当事業の特長:
- 日本初のレシートによる購買証明付き購買理由データ
- 「セゾンポイントモール」会員と、「Ponta Web」会員、「履歴書情報」のある当社登録会員「キャスト」で構成された約80万人
人のネットワークに基づく本人認証度の高いデータを提供
- 700企業以上のチェーン情報を公開
- ビジネスモデル特許による全チェーン共通オリジナルブランドマスター(※JICFS/IFDBベース)を生成
詳細はこちら https://www.sbfield.co.jp/press/20170222-10722
※JICFS/IFDB:JANコード統合商品データベース (一財)流通システム開発センター
■ サービス詳細参照ページ:
・「マルチプルID-POS購買理由データPoint of Buy(R)」
https://www.sbfield.co.jp/multi-idpos
・「O2Oマーケティング マストバイ」
https://www.sbfield.co.jp/must-buy/
【株式会社mitoriz】https://www.mitoriz.co.jp/
株式会社mitorizは、ソフトブレーン株式会社(本社:東京都中央区、設立年月日:1992年6月17日、代表取締役社長:豊田浩文)のグループ会社として2004年7月に設立(ソフトブレーン・フィールド株式会社)。2022年1月1日に、ソフトブレーン・フィールド株式会社から株式会社mitorizに社名変更。全国の主婦を中心とした10万人を超える登録スタッフネットワークを活用し、北海道から沖縄まで全国のドラッグストアやスーパー、コンビニ、専門店など222,828店舗以上をカバーし、営業支援(ラウンダー)や市場調査(ミステリーショッパー、店頭調査など)を実施しています。キャスト・データ・ネットワークを活用して、新たなつながりを創出し、人やモノの潜在価値を顕在化し、社会に新たな価値を提供します。そして、社会課題をビジネスを通じて解決し、持続可能な社会の実現に貢献していきます。
本社所在地 :東京都港区赤坂3-5-2 サンヨー赤坂ビル5階
設 立 :2004 年7 月 / 資本金 :151,499,329円 代表取締役社長 :木名瀬 博
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