【住宅ローン関連特集①】住宅ローンの基礎知識と選び方|property technologies

不動産経済研究所が1月23日に発表したデータによると、東京23区における2024年(年間のまとめ)の新築マンションの平均価格は1億1,181万円と、2年連続で1億1,000万円台となりました。価格の高騰により、新築マンションの購入のハードルが上がっています。

さらに、この影響を受けて中古マンションの価格も上昇傾向にあるものの、新築よりも安価である中古マンションを購入候補とする人々も増加しています。

このような背景から、適切な住宅ローンを選ぶことが大切となってきます。
もし、適切な住宅ローンを選ばなかった場合、返済負担が大きくなるだけでなく、住宅ローン控除などの優遇制度を最大限活用できない可能性があります。
住宅購入の際は、「検討している住宅ローンが利用できるのか」、そして「金利タイプ」や「審査基準」、「返済期間」など考えるべきポイントも多岐にわたります。

そこで今回は、初めて住宅ローンを利用する方向けに、基本的な仕組みから「金利タイプ」・「審査基準」・「団体信用生命保険のチェックポイント」までわかりやすく解説します。ぜひ最後までご覧いただき、マイホーム購入の参考にしてください。

住宅ローンとは

住宅ローンの基本

住宅ローンとは、マンションなどの自宅購入資金を金融機関から借り入れ、毎月の返済によって元本と利息を返済していく仕組みです。住宅ローンは数千万円規模の借入になることが多いため、金利や返済計画をしっかりシミュレーションすることが重要です。

借入期間:最長で35年程度と長期間にわたることが一般的
金利が発生:借入金額や返済能力に応じて利率が決定

最近は夫婦それぞれがローンを組むペアローンや借入期間が50年のローンも増えてきています。

住宅ローンの種類

住宅ローンには大きく分けて以下の3種類があります。購入する物件や借入条件によって最適なローンを選ぶと良いでしょう。

1.民間ローン(銀行・信用金庫など)
 ▸各金融機関が独自の商品を用意
 ▸金利・手数料・サービス内容が多様

2.公的ローン(フラット35、財形住宅融資など)
 ▸フラット35は住宅金融支援機構と民間金融機関の提携商品
 ▸全期間固定金利が特徴で、返済計画を立てやすい

3.提携ローン(ハウスメーカー・不動産会社経由)
 ▸不動産会社やハウスメーカーが紹介するローン
 ▸金利優遇や手数料優遇などの特典がある場合も

住宅ローンの金利タイプの違い

住宅ローンでは、「金利タイプ」が返済額に大きく影響します。大まかに以下の3つが主流です。

変動金利

 ▸特徴:市場金利にあわせて変動
 ▸メリット:金利が低めに設定されることが多く、返済総額を抑えられる可能性がある
 ▸デメリット:景気や政策金利により金利が上昇すると、返済額が増えてしまうリスクがある

固定金利(全期間固定)

 ▸特徴:借入時の金利が完済まで固定
 ▸メリット:返済額が一定で、長期的な家計の見通しが立てやすい
 ▸デメリット:変動金利より初期金利が高めに設定される場合が多い

固定金利特約(一定期間固定)

 ▸特徴:3年、5年、10年など一定期間のみ金利を固定し、その後は変動か再度固定かを
選択する
 ▸メリット:短期間だけでも金利上昇リスクを抑えられる
 ▸デメリット:固定期間が終了した後の金利がどうなるか不透明

住宅ローンの審査基準と必要書類

金融機関は「返済能力」を総合的に判断し、融資の可否と借入可能額を決定します。審査に落ちると希望の物件が購入できなくなる可能性もあるため、事前にポイントを押さえておきましょう。

住宅ローン審査で見られるポイント

▸年収
 ▪「安定した収入があるか」、「年収に見合った借入希望額か」を確認
▸勤務先・勤続年数
 ▪「勤続年数が短い」、「転職直後」などは審査に不利になる傾向
▸借入額と返済負担率
 ▪返済負担率とは、年収に対して年間返済額がどの程度占めるかを示す割合
 ▪一般的には「年収の30〜35%以内」に抑えるのが望ましい
▸信用情報
 ▪過去や現在のクレジットカード、消費者金融、他のローンなどの返済履歴をチェック

必要書類

審査をスムーズに進めるためにも、必要書類をあらかじめ用意しておきましょう。
 ▸本人確認書類:運転免許証、パスポートなど
 ▸収入証明:源泉徴収票(会社員)、確定申告書(自営業)
 ▸物件情報:売買契約書、重要事項説明書など

住宅ローンの選び方のポイント

数ある住宅ローンから自分に合ったものを選ぶには、以下の点を意識すると良いでしょう。

借入額の決め方

 ▸年収の5〜7倍以内を目安にする
 ▸家計の見通しを立て、子育てや老後などのライフプランも考慮して、無理のない返済計画を組むことが重要です

金利タイプの選び方

自分のライフスタイルや金利上昇リスクへの考え方に合わせて選択するのがポイントです。

団体信用生命保険(団信)をチェック

▸団信とは?
 住宅ローン契約者が死亡・高度障害状態になった場合に、ローン残債がゼロになる保険です。残された家族が返済の負担を抱えずに済む大切な制度です。
▸特約付きプランもある
 ▪がん保障特約:がんと診断されたら残債が免除
 ▪三大疾病保障:がん・心筋梗塞・脳卒中により所定の状態になった場合に残債が免除

保険料は金利に上乗せされる場合が多いですが、家族のリスクヘッジとして検討してみましょう。

よくある質問(FAQ)

Q1: 頭金はどのくらい必要?
● 一般的には「物件価格の10〜20%」が目安です。
● 頭金が多いほど借入額が少なくなり、総返済額を抑えられます。
● 頭金ゼロのフルローンも可能ですが、金利が高く設定される場合があります。

Q2: 住宅ローン控除ってなに?
● 住宅ローン控除(住宅ローン減税)とは
 ▸年末時点の住宅ローン残高に応じて、所得税や住民税の一部が控除される制度です。
 ▸適用条件:住宅の床面積、一定の省エネ性能を備えているなどの要件があります。
● 購入後の家計負担を軽減する大きなメリットになりますので、条件を確認しましょう。

Q3: 住宅ローンの借り換えってお得?
● 今よりも金利が大幅に低いローンに借り換える場合、返済総額を減らせる可能性があります。
● ただし、手数料や諸費用がかかるため、借り換えで本当に得をするかはシミュレーションが必要です。

まとめ

住宅ローンは人生で最も大きな借金になることが多く、返済期間も長期にわたります。金利タイプや借入額、団信の内容などさまざまなポイントを比較検討し、無理のない返済計画を立てることが大切です。

▸金利タイプの違いを正しく理解し、自分の返済スタイルに合うものを選ぶ

▸審査基準や必要書類を事前に把握し、スムーズに借入ができるよう準備する

▸住宅ローン控除などの優遇制度も積極的に活用する

借入金額や金利による返済シミュレーションを行い、総返済額や毎月の返済額をしっかり試算してから契約するのがベストです。将来の金利変動リスクやライフイベントに備えて、納得できる住宅ローンを選びましょう。
以上のポイントを押さえて、あなたに最適な住宅ローンを見つけてください。マイホームの夢が実現するよう、しっかりと検討していきましょう。

適用に際しての具体的な注意点
 ・上記は令和6年10月末時点の適用法令・通達等に基づき記載しております。
 ・上記事例等は一例であり実際に適用する場合にはご自身が適用要件を満たしているか専
門家等にご確認の上適切にご対応頂きますようお願い致します。
 ・本記事の記載内容にあてはめて適用することを保証するものではありませんのでご留意
願います。

監修/大谷 修太(おおたに しゅうた)

齋藤久誠公認会計士・税理士事務所

1級ファイナンシャル・プランニング技能士
宅地建物取引士

2012年にみずほ銀行へ入社後、2014年みずほ信託銀行へ出向。
2024年まで相続・事業承継・不動産を専門とするコンサルタントと
して毎年100家族以上のご相談に対応。現在は独立し「相続や事業
承継で経済的に不幸になるご家族を一人でも減らしたい」という理念
のもと、幅広い層の皆さまに最適なソリューションを提供

株式会社property technologies(プロパティ・テクノロジーズ)について

「UNLOCK YOUR POSSIBILITIES. ~テクノロジーで人生の可能性を解き放つ~」というミッションを掲げています。年間36,000件超の不動産価格査定実績やグループ累計約13,500戸の不動産販売で培ったリアルな取引データ・ノウハウを背景に、「リアル(住まい)×テクノロジー」で実現する「誰もが」「いつでも」「何度でも」「気軽に」住み替えることができる未来に向け、手軽でユーザーにとって利便性の高い不動産取引を提供しています。

<会社概要>
会社名:株式会社property technologies
代表者:代表取締役社長 濱中 雄大
URL:https://pptc.co.jp/
本社:東京都渋谷区本町3-12-1 住友不動産西新宿ビル6号館12階
設立:2020年11月16日
上場:東京証券取引所グロース市場(5527)

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