【ダイキン】毎年2月は政府の定める「省エネ月間」、エアコン暖房と省エネに関する意識調査を実施
1年のうちで電気代が一番高くなるこの時期に、エアコン暖房の上手な使い方を紹介
ダイキン工業株式会社は、2月の「省エネルギー月間」に合わせ、全国約500名の男女を対象とした「エアコン暖房と省エネに関する意識調査」を実施しました。
政府は毎年2月を「省エネルギー月間」と定めています。石油や石炭、天然ガスなど、限りあるエネルギー資源がなくなってしまうことを防ぐため、省エネ意識の高揚と定着を図るものです。気温が下がる冬の時期、特に1~2月は暖房や給湯の使用により、1年間の中で最もエネルギーの使用量が増える時期です。総務省が実施する「家計調査」の統計でも直近5年間で毎年1~2月(使用月)の電気代が、1年間のピークであることが見て取れます(後述)。資源エネルギー庁の「エネルギー白書2021」でも、家庭における年間のエネルギー消費のうち、冷房の占める割合は2.7%であるのに対し、暖房は24.7%と大きくなっており、冬の時期において暖房に関わるエネルギー消費はかなりの割合を占めていることが想像できます。
暖房に使用される機器は、灯油やガスを使用するものから電気を使用するものまで多くの選択肢があります。中でもご家庭での使用率が最も高いのがエアコンです。住宅の断熱性の向上や気密性の高まりにより、空気を汚さずにお部屋を暖めることができるエアコンの使用率はますます高まっています。2月の省エネ月間に、ご家庭での省エネを推進するためにはエアコンを上手に使うことが重要です。そこで今回、「エアコン暖房の使用実態や省エネに対する意識について調査」を実施しました。今回の調査では、7割以上の方が暖房にエアコンを用いている実態や、半分以上の方がエアコンの設定温度を控えめ(低め)にするなど、省エネに取り組んでいることがわかりました。昨年来、電気料金の値上げが続くこともあり、6割以上の人が「省エネに対する意識が高まっている」と回答する結果となりました。
電気代が高くなりがちな省エネ月間に合わせて実施した「エアコンと地球環境に関する意識調査」の内容とともに、地球にもお財布にも優しいエアコンの上手な使い方や、エアコン暖房の仕組みやヒートポンプ技術についてご紹介します。
寒い時期の電気代が高くなっていることを多くの人が実感? 1年で一番電気代が高くなるのは「冬」と知っているのは約7割
暑い時期でもエアコン等の使用により電気を使っている印象がありますが、冬のほうが電気代が高いことはどの程度知られているのでしょうか。「あなたは、1年間のうちで冬の時期(1~2月頃)が、最も電力使用量が多くなることを知っていましたか?」との質問に、約7割(67.9%)の方が「知っていた」と回答しました。多くの人が電気代をしっかりチェックし、冬のほうが高くなることを実感しているようです。
一方で、約3割(32.1%) の人は冬のほうが電気代が高いことを「知らなかった」と回答しています。自動支払いにしている方などは、毎月の推移を意外と正しく把握していないのかもしれません。
総務省が実施している統計によると、毎年23月の電気代支出が1年間の中でも大きくなっています。通常、電気代は当月に使用した分を翌月に支払っています。やはり一般家庭においては、気温が下がる12月の電気使用量が大きくなっていると推察されます。
ご家庭で最も使われている暖房器具1位はエアコン 実践している省エネ施策は「設定温度控えめ」「暖かい服装で過ごす」
実際に、一般家庭ではどのような暖房器具が使われているのでしょうか。「あなたがご自宅で使用している暖房器具は何ですか?」と尋ねたところ、最も使用されている暖房器具は「エアコン(72.0%)」であるという結果になりました。続いて、石油・ガスファンヒーター・ストーブ(35.5%)、電気ファンヒーター・ストーブ(25.5%)と続いていますが、これら他の暖房器具の使用率はエアコンの約半分以下でした。他の暖房器具に比べ、多くのご家庭に備わっているエアコンは、生活のためのインフラとして夏場だけでなく冬場も活用しているようです。
また、冬場によく使われるエアコンですが、「エアコンの暖房使用時、どのような省エネの取り組みを実施していますか︖」という回答に対して、「設定温度を控えめにする(53.6%)」「暖かい服装で過ごす(36.1%)」、「エアコンを長時間使用しない(30.2%)」との結果になりました。設定温度や使用時間を制限することで消費電力を抑えようとする人が多いようですが、時には省エネのために寒さを我慢しているのかもしれません。「定期的にフィルターを掃除する(20.2%)」や「加湿をする(10.6%)などの省エネ対策も実践し、電気代を抑えながら、快適に寒い冬を過ごす方法を知っていただきたいと思います。
約半数の人は、エアコン暖房は冷房よりも消費電力が大きいことを知らない! それでも環境にやさしいエアコン暖房の仕組みとは?
エアコン暖房は冷房よりも消費電力が大きくなる傾向にあります。「あなたは、エアコンは暖房使用時のほうが冷房使用時よりも消費電力が大きくなることを知っていましたか?」と聞いたところ、約半数の人は「知らない(47.1%)」と回答しました。多くの人がエアコンを暖房に利用しており、冬のほうが電気代が高くなることを知っているにもかかわらず、冷房よりも暖房運転時のほうが消費電力が大きいことは意識されていない人も多いようです。
なぜ、暖房使用時のほうが消費電力は大きくなるのでしょうか。エアコンは屋外の空気中にある熱を室外機を通じて汲み上げ、お部屋の中を温めています。冷房使用時は逆に、室内の熱を汲み上げて屋外に排出することで、お部屋の中を冷やしています。外気温とエアコンの設定温度(室温)が大きいほど屋外と室内の間で運搬する「熱」の量が多くなり、その分、消費電力が大きくなります。冬は外気温が「0℃以下」になることもあり、冬のほうが外気温と設定温度の差が大きくなることが多く、エアコンの消費電力も大きくなるのです。
<夏と冬の気温差のイメージ>
こうしたエアコンの熱を汲み上げる技術は「ヒートポンプ」と呼ばれています。消費電力が大きくなりがちなエアコンですが、空気中の熱を効果的に利用する「ヒートポンプ」はガスや石油等の化石燃料を燃やす暖房と比べ、温室効果ガス排出を少なくすることができます。政府が2030年度までに温室効果ガスの46%減(13年度比)の目標を掲げるなど、地球温暖化抑制のために「脱炭素(カーボンニュートラル)」が急がれている中、エネルギー消費の大きい暖房機器においても、CO2排出の少ない機器を選ぶという観点も、今後さらに重要になってくると考えられます。
<ヒートポンプのイメージ図>
電気料金の値上げが続く中、省エネ意識が高まっている人は約7割(65.6%) 普段から環境を意識している人は約半数と、さらなる啓発が必要?
エアコン等による暖房の使用により冬場の電気代は高くなりがちですが、昨今では電気料金の値上げも続いています。こうした状況を踏まえ、「ご家庭での省エネに対する意識は高まっていますか︖」という質問したところ「高まっている」「どちらかといえば高まっている」と回答した人は全体の約7割(65.6%)に上りました。一方、「SDGsやカーボンニュートラルが注目される中、あなたは普段から地球環境や省エネを意識していますか?」という質問に対し、「意識している」「どちらかといえば意識している」と回答した人の合計は約半数(54.7%)と、前述の質問よりは少し低い結果となりました。世界中で地球温暖化抑制のために「脱炭素(カーボンニュートラル)」が急がれていますが、現状では、「地球環境」よりも「節約」のための省エネを日常生活の中で意識することのほうが多いのかもしれません。
以上、今回の「エアコンと地球環境に関する意識調査」の内容について紹介してきました。電気代が高くなりがちな冬の時期、普段よりも電気のことを意識しながら省エネに取り組んで頂ければと思います。また、2月からの「省エネ月間」を機に、こうした省エネに対する取り組みや意識をより向上させれば、世界中で関心の高まるSDGsやカーボンニュートラル(脱炭素)にもつながるのではないでしょうか。
以下では、エアコン暖房使用時の具体的な省エネの方法についてご紹介します。
エアコンの省エネ ~冬の暖房編~
暖房時は、設定温度をたった1℃下げるだけで約10%もの省エネ
エアコンの設定温度は消費電力に大きく関わり、設定温度を1℃下げると約10%の節電になるとされています。暖房時の室温は、健康的な暮らしをする上での最低限の温度とされている18℃以上(エアコンの設定温度ではなく、室温が18℃以上になっている状態)を目安として、寒く感じる場合は少し厚着をするなどで調整しましょう。寒さを感じやすい首・手首・足首などをタートルネックやレッグウォーマーなどで保温するのもおすすめです。
湿度が上がると体感温度もアップ
人の体感温度は湿度によって変わります。冬時期は意識的に加湿することで体感温度を上げることができます。湿度の目安は40%~60%です。湿度が40%を下回るとウイルスが活発化したり、60%を超えるとカビやダニが繁殖しやすくなったりすると言われています。加湿器や加湿空気清浄機、加湿できるエアコンなどを使って上手に湿度コントロールしましょう。湿度を保って体感温度を上げることで、エアコンの設定温度の上げ過ぎも抑えられます。
空気の性質による温度ムラを抑えて、設定温度の上げ過ぎを抑える
暖かい空気は上昇する性質があるため、室内の天井側と床側には温度ムラができやすくなります。一般的にエアコンの温度センサーは室内機にあり、天井側の空気が設定温度に到達すると、床側がまだ暖かくなっていなくても運転を弱めてしまいます。こうした場合にエアコンの設定温度を上げて床側を暖めようとすると、その分、消費電力が増加します。空気清浄機、サーキュレーター、扇風機などで天井と床の空気を撹拌し、温度ムラを抑えましょう。特に加湿空気清浄機を使用すれば、空気の撹拌と加湿を同時にできるので一石二鳥です。
こまめなオンオフは避け、短時間の外出であれば“つけっぱなし”にする
エアコンは、寒い部屋を一気に暖める時に、多くの電気を使います。設定温度まで暖めた後、その設定温度を維持している時は、寒い部屋を暖める場合と比べてとても少ない電気ですみます。「部屋が暖かくなったらエアコンを止め、寒くなったら再びスイッチを入れる」というように、こまめにスイッチの入切を繰り返して温度調節を行うと、節電のつもりがかえって電気のムダ使いになる場合があります。部屋にいる時はスイッチの入切を控え、エアコンの温度調節機能に任せるのがおすすめです。
定期的に室内機のフィルターをキレイにし、風の通りをよくする
エアフィルターは、空気中のホコリが室内機の内部に入らないようにするための部品です。エアコンを長時間使った分だけエアフィルターにはホコリが堆積します。ホコリをそのままにしておくと、風の通りが悪くなり、消費電力の増加につながります。また、エアフィルターのホコリを放置することで、ホコリがエアフィルターの内側に入りやすくなり、熱交換器の汚れやニオイ、ドレン配管の詰まりにつながる場合もあります。なお、エアフィルターの自動お掃除機能が搭載されたエアコンには、ダストボックスが格納されたタイプもありますので、ダストボックスのお手入れも忘れずに行いましょう。
エアコンの省エネ性能を意識して、環境負荷や電気代も把握する
エアコンは機種によって省エネ性が異なります。省エネ性が高いほど年間にかかる消費電力量が抑えられ、環境負荷や電気代も変わってきます。エアコンの省エネ性や消費電力量は各メーカーのカタログなどで確認できます。省エネ性の高さは「通年エネルギー消費効率(APF)※1」や「省エネ基準達成率※2」が目安になります。年間にかかるおおよその消費電力量は「消費電力量期間合計(年間)※3」が目安で、これに「27円※4」を掛けると、大まかな年間の電気代も算出できます。
エアコンは10年間の使用を想定して設計されています。次に買い換える時までの消費電力量や電気代をあらかじめ計算し、「環境」「快適性」「費用(初期費用と電気代)」の観点でエアコンを選ぶことも大切です。
※1 年間を通じてエアコンを使用したとき、1年間に必要な冷暖房能力を、1年間でエアコンが消費する電力量(期間消費電力量)で除した、性能評価指標です。この値が大きいほど省エネ性が高い〔一般社団法人 日本冷凍空調工業会ホームページより〕
※2 省エネ法(エネルギーの使用の合理化等に関する法律)に基づいて定められた製品(特定機器)ごとに設定されている省エネ性能の目標基準値を、どのくらい達成しているかを%(パーセント)で表したもの〔一般社団法人 日本電機工業会ホームページより〕
※3 エアコンの期間消費電力量について〔一般社団法人 日本冷凍空調工業会ホームページ〕https://www.jraia.or.jp/product/home_aircon/e_saving_energy.html
※4 新電力料金目安単価(税込)。〔平成26年4月改定 公益社団法人 全国家庭電気製品公正取引協議会〕
<調査概要>
調査名:エアコン暖房と省エネに関する意識調査
調査期間:2022年1月25日(火)~1月27日(木)
調査対象:全国の男女529名
調査方法:スマートフォンリサーチ
<参考ページ>
ダイキン エアコン節電情報
https://www.daikin.co.jp/air/life/electricitysaving
ダイキン 空気の困りごとラボ
https://www.daikin.co.jp/air/life/laboratory
〔お問い合わせ〕
ダイキン工業株式会社 コーポレートコミュニケーション室
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