クラウドサービス利用の帯域不足を解析 OSSを使ったNetFlowの視覚化システム『OpenNFA』 2023年10月25日より構築サービス提供開始
オープンソースソフトウェア(※1)(以下:OSS)に特化したIT企業である株式会社デージーネット(本社:愛知県名古屋市、代表取締役:恒川 裕康)は、NetFlow(※2)の情報を可視化するシステム『OpenNFA(オープンエヌエフエー)』の構築サービスを2023年10月25日(水)より提供開始します。
『OpenNFA』を利用することで、ネットワークトラフィックのグラフ化や、1時間毎の通信量が多いIPアドレスをランキング形式で表示するなど、ネットワーク分析に必要な情報を分かりやすく把握することができるようになります。
開発背景
NetFlowとは、1990年代にCisco社が開発したネットワークトラフィックに関連する情報を収集するための技術です。以前は、通信事業者や大規模ネットワークを提供する企業が、ネットワークサービスを安定して提供するために利用していました。
しかし現在では、業種を問わず多くの企業でビジネスプロセスがシステム化され、ネットワークを通じたサービスの提供や享受が一般化しています。さらに、リモートワークなどで動画を利用したりWEB会議を導入する企業も増え、以前よりもネットワークを利用する機会が増えています。
このようにネットワークの利用が増えたことで帯域不足が発生し、社内ネットワークが遅くなるなどのトラブルにつながります。
そこで、原因解明に必要となるのが、NetFlowを用いたネットワークの解析です。NetFlowのデータを活用することで、自社で必要なネットワークの帯域幅や、ネットワークパフォーマンスの最適化に役立てることができます。
しかし、NetFlowを活用するために必要となるNetFlowを可視化するシステムは、対応しているネットワーク機器が指定されていたり、システムを導入するために必要なハードウェアスペックが高く価格も高いなど、企業にとってNetFlowを用いたネットワーク監視の導入は未だハードルの高いものとなっています。
そこでデージーネットは、クラウドサービスなど、ネットワークサービスを多く利用している企業に向け、低コストで導入可能なNetFlowの可視化システム『OpenNFA』を開発しました。
『OpenNFA』の特徴
『OpenNFA』は、NetFlowで収集したフローデータ(※3)の蓄積から、蓄積したフローデータの可視化までをOSSを組み合わせて実現しています。
そのため、『OpenNFA』には以下のような特徴があります。
(1) リーズナブルに導入が可能
既存のNetFlow可視化システムの場合、NetFlowコレクタ(※4)の機器が指定されている場合があります。さらに、システムの付属機能に合わせ、ハードウェアの要求スペックが高く、価格も高い傾向にあります。
一方『OpenNFA』は、NetFlowコレクタもOSSで実現しているため、システム専用の機器を購入する必要がなく、通常のサーバハードウェアでの導入が可能です。大規模なネットワークトラフィックでなければ、高額なハードウェアを用意する必要もありません。
(2) フローデータ送出機器の制限がなく利用が可能
既存のNetFlow可視化システムの場合、対応しているネットワーク機器が指定されている場合があります。そのため、NetFlowの可視化を行うために指定されたネットワーク機器も新たに導入する必要があります。
しかし『OpenNFA』は、ネットワークの機器の指定はなく、NetFlow v5/NetFlow v9に対応しているネットワーク機器であれば、幅広く対応可能です。
(3) ライセンスによる利用制限がない
NetFlowを可視化するための製品は、ライセンスの制限がネットワークインタフェースの数にかかるなど複雑化していることがあります。
しかし『OpenNFA』は、OSSを組み合わせて実現しているため、機器やインタフェースの数によるライセンスはありません。必要になるコストは、ハードウェアとシステムの導入費、システムの保守費用のみであるため、シンプルな料金体系で利用することができます。
(4) 中規模のハードウェア1台でも秒間5,000件を超えるフローデータの受信が可能
『OpenNFA』は、OSSのNetFlowコレクタとメッセージサービス、データベースを利用することで、遅延時間がほとんどない、タイムリーなデータ受信を実現しています。さらに、これらのソフトウェアの組み合わせと独自のチューニングにより、中規模のハードウェア1台で、秒間5,000件を超えるフローデータの受信が可能となっています。また、数百万件のデータの集計・可視化も行えます。
このような特徴から、新たに購入が必要となる機器を最小限に抑え、企業で利用するネットワーク規模に合わせたNetFlowの監視を導入できるようになっています。
『OpenNFA』を導入するメリット
『OpenNFA』を導入することで以下のようなメリットがあります。
(1) 社内のネットワークパフォーマンスを最適化できる
『OpenNFA』は、ネットワーク機器を通過するパケットから生成された、送信元・送信先のIPアドレスとポート番号、データのサイズなどのフローデータを蓄積し、時間ごとの通信数や通信量をグラフ化します。これにより、社内のネットワークが最も混み合う時間帯はいつなのか等、ネットワークの状態を把握することができます。
さらに、『OpenNFA』は過去のデータの統計情報の表示や、蓄積されたデータから独自のグラフ・表の作成もできるため、自社に合わせたネットワークの分析を行うことができるようになります。ネットワークの分析結果は、帯域幅の調整など、社内のネットワークパフォーマンスの最適化に役立てることができます。
(2) ネットワークトラブルの迅速な対応が可能に
『OpenNFA』では、1時間毎の通信量が多いIPアドレスをランキング形式で表示したり、蓄積されたデータのSQL検索を行うことができます。
これにより、ネットワークトラブルが発生した場合、社員が大量にトラフィックを利用していることによる影響なのか、外部からの攻撃によりトラフィックが大量に消費されているのか、といった問題の切り分けなどにも活用できます。トラブル発生時にどのような通信があったのか、異常なほど通信量の多いIPアドレスはないか等が確認できることで、トラブルに対する迅速な対応が行えるようになります。
(3) セキュアな環境にデータを保存できる
『OpenNFA』は、自社内のオンプレミスな環境やプライベートクラウドに構築することができます。そのため、IPアドレスなどを含むフローデータも安全に管理することが可能です。
価格
初期構築費用:1,640,000円~(ハードウェア別)
保守費用 :167,000円~/年間
※金額は税別です
※詳しくはTEL(052-709-7121)もしくはホームページ( https://www.designet.co.jp/contact/ )にてお問い合わせください
今後の展望
デージーネットでは、働き方や時代のニーズに沿って企業に役立つOSSを調査し、情報を公開していきます。また、今まで導入のハードルが高かったシステムも、OSSを駆使することで、利用者とって導入しやすく使いやすいシステムとして提供していきます。
デージーネットのサービス
- システムの構築
デージーネットでは、OSSを利用したシステムの提案・構築を行っています。デージーネットで利用しているOSSは多岐にわたり、お客様に合ったOSSでシステム構築を行うことが可能です。
- 導入後支援サービス
デージーネットでシステムを構築した場合、Open Smart Assistanceという導入後サポートを提供しています。継続してシステム管理のサポートを行うサービスで、以下のようなサポートがあります。
・Q&A(インストールしたOSSやソフトウェアの利用方法に関してのご質問にお答えします。)
・セキュリティ情報提供
・障害時システム再構築
・点検とチューニング
・運用サービス
・障害調査、障害回避
・ソフトウェアのアップデート
・障害時オンサイト対応
用語注釈
(※1) オープンソースソフトウェア(略称:OSS)とは、無償で利用でき、ソースコードが公開されているソフトウェアを指す
(※2) NetFlowとは、1990年代にCisco社が開発したネットワークトラフィックに関連する情報を、収集するための技術
(※3) フローデータとはネットワークトラフィックデータを元にして作られる通信に関する情報
(※4) NetFlowコレクタとは、フローデータを受け取って保存するソフトウェアや機器のこと
参考URL
NetFlowを活用したトラフィック監視システム~OpenNFA~
https://www.designet.co.jp/ossinfo/opennfa/
会社概要
会社名: 株式会社デージーネット
代表者: 代表取締役 恒川 裕康
本社 : 〒465-0025 愛知県名古屋市名東区上社四丁目39-1
資本金: 4,000万円
URL : https://www.designet.co.jp/
TEL : 052-709-7121
FAX : 052-709-7122
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