沖縄本土復帰50年 沖縄在住の作家が手掛ける『ライカムで待っとく』KAAT神奈川芸術劇場にて上演決定 カンフェティでチケット発売
誰も読もうとしなかった、読まれなかった沖縄(こっちがわ)の物語。
KAAT神奈川芸術劇場プロデュース『ライカムで待っとく』が2022年11月27日 (日) ~2022年12月4日 (日)にKAAT神奈川芸術劇場 中スタジオ(神奈川県横浜市中区山下町281)にて上演されます。
チケットはカンフェティ(運営:ロングランプランニング株式会社、東京都新宿区、代表取締役:榑松 大剛)にて9月18日(日)10:00より発売開始です。
カンフェティにて9月18日(日)10:00よりチケット発売開始
http://confetti-web.com/raikamu/
公式ホームページ
https://www.kaat.jp/d/raikamu
誰も読もうとしなかった、読まれなかった沖縄(こっちがわ)の物語。
沖縄本土復帰50年となる今年、メインシーズン「忘」の第4弾は、沖縄在住の若手劇作家・兼島拓也が書き下ろし、沖縄に出自を持つ田中麻衣子が演出を手掛ける『ライカムで待っとく』です。
この作品は、アメリカ占領下の沖縄で起こった1964年の米兵殺傷事件を基に書かれたノンフィクション「逆転」(伊佐千尋著、新潮社・岩波書店刊)に着想を得て、当時の資料や、現代を生きる東京の若者たち、基地問題の専門家、同じ基地の町・横須賀に暮らす人たちなどにヒアリングし、田中と推敲を重ねながら、1年の歳月をかけて兼島が書き上げました。
この作品に通底するのは、「沖縄は日本のバックヤードではないのか」「沖縄の犠牲の上に成り立っている日本という国」という想いです。沖縄の過去と現在と未来が交錯するこの戯曲は、まさに複雑性を包含する沖縄と日本の国のあり方を直視する物語になっています。
兼島の筆致は軽快で時にユーモアに溢れ、ミステリータッチで、知らぬ間に私たちに「この国の在り方」について考えさせます。
沖縄で生まれ育った兼島だからこそ書ける視点、これまで誰も読もうとしなかった、読まれなかった沖縄(こっちがわ)の物語は、沖縄の人々から我々が鋭く問われている、今を生きる私たちの物語なのです。
演出家の田中とこの物語を紡ぐのは8人の俳優たち。出演する俳優の半数は沖縄出身です。ベテランあめくみちこをはじめとする、沖縄出身の俳優陣と、近年高い評価を得ている、文学座の亀田佳明、充実した仕事を続ける青年座の魏涼子、前田一世など素晴らしい俳優陣たちが揃いました。そして、音楽は数多くの演出家から信頼される国広和毅が担当します。俳優たちが三線を奏で、音楽により沖縄の世界が広がるところも見どころの一つです。
沖縄本土復帰50年の年、様々な視点から沖縄特集が組まれ、沖縄独特の文化が紹介されてきました。その終わりに、KAATから『ライカムで待っとく』をお届けします。
【あらすじ】
雑誌記者の浅野は、五八年前の沖縄で起きた米兵殺傷事件について調べることになったのだが、実はその事件の容疑者が自分の妻の祖父・佐久本だったことを知る。
佐久本やその共犯として逮捕された男たちの半生を絡めた記事を書きはじめる浅野だったが、なぜか書いた覚えのない内容に文章が書き換えられていた。そしてついにはその記事の中に、いつのまにか自分自身も飲み込まれていく。
過去と現在が渾然となった不可解な状況のなかで、沖縄が歩んできた歴史や現在の姿を知っていく浅野。記者として何を書くべきなのか少しずつ気づきはじめたとき、突然娘の行方がわからなくなってしまう。
混乱する浅野に、それは「沖縄の物語」として決められたことなのだと佐久本は告げる。その「決まり」に沿った物語を自身が書いていて、また書き続けていくのだと、次第に浅野は自覚していく。
◆「米兵殺傷事件」
1964年8月16日未明、宜野湾市普天間の飲食街周辺で、米兵2人と数人の沖縄人が乱闘し、米兵1人が死亡、1人が重傷を負った。沖縄青年4人(2人は徳之島出身)が普天間地区警察署に逮捕され、傷害致死罪で米国民政府裁判所に起訴された。事件は陪審に付された。
沖縄人に重罪を課そうとする米国人らが陪審員の多数を占め、評議は4人に不利な流れとなったが、無罪を主張する沖縄人陪審員・伊佐千尋の粘り強い説得で形勢は逆転し、傷害致死罪については無罪、傷害罪では有罪の評決に至った。しかし、同年11月の判決では3人に懲役3年の実刑(1人は猶予刑)という初犯としては重い量刑が下った。
殺傷事件と沖縄住民への差別意識が渦巻く陪審評議、その後の判決は米統治下に置かれた沖縄の過酷な現実を浮き彫りにしている。
◆「ライカム」とは
かつて沖縄本島中部の北中城村比嘉地区に置かれていた琉球米軍司令部(Ryukyu Command headquarters)の略。現在「ライカム」は地名として残っている。司令部があった近辺の米軍関係者専用のゴルフ場の跡地には、2015年「イオンモール沖縄ライカム」がオープン。地元民のみならず県外からの観光客も多く訪れる場所になっている。
公演概要
KAAT神奈川芸術劇場プロデュース『ライカムで待っとく』
公演期間:2022年11月27日 (日) ~2022年12月4日 (日)
会場:KAAT神奈川芸術劇場 中スタジオ(神奈川県横浜市中区山下町281)
作:兼島拓也 / 演出:田中麻衣子
■出演者
亀田佳明 / 前田一世 / 南里双六 / 蔵下穂波 / 小川ゲン / 神田青 / 魏涼子 / あめくみちこ
■スタッフ
美術:原田愛
照明:齋藤茂男
音楽:国広和毅
音響:徳久礼子
衣裳:宮本宣子
ヘアメイク:谷口ユリエ
沖縄ことば指導:南里双六
演出助手:相原雪月花
舞台監督:藤田有紀彦
主催・企画制作:KAAT神奈川芸術劇場
公益社団法人全国公立文化施設協会
共催:YPAM実行委員会
「公文協アートキャラバン事業 劇場へ行こう2」参加作品
文化庁 統括団体によるアートキャラバン事業
(コロナ禍からの文化芸術活動の再興支援事業)
YPAM2022 連携プログラム
■公演スケジュール
11月27日(日) 16:00◎
11月29日(火) 18:30◎
11月30日(水) 14:00 / 18:30
12月01日(木) 14:00◎
12月02日(金) 18:30 E
12月03日(土) 13:00◎E / 17:30 E
12月04日(日) 13:00 E
※開場は開演の30分前
◎=託児サービスあり 公演1週間前までに要予約・有料(マザーズ0120-788-222)
E=英語字幕付(With English subtitles)
■チケット料金
一般:5,500円
神奈川県民割引(在住・在勤):4,950円
U24チケット(24歳以下):2,750円
高校生以下割引:1,000円
シルバー割引(満65歳以上):5,000円
(全席指定・税込)
※カンフェティ取扱は一般のみ
※神奈川県民割引はチケットかながわの電話・窓口にて9月17日より取扱い(前売のみ、枚数限定、要住所確認)
※U24、高校生以下、シルバー割引はチケットかながわの電話・窓口・WEBにて9月23日より取扱い(前売のみ、枚数限定、要証明書)