10日間での死傷率7割。兵士の視点で描かれた“等身大のベトナム戦争” 「ハンバーガー・ヒル」 11月14日(土)よる7時~BS12 トゥエルビで放送

全国無料放送のBS12 トゥエルビ(本社:東京都渋谷区、代表取締役社長:須磨直樹)は毎週土曜よる7時~を「土曜洋画劇場」と題し、世界の名作・佳作を選りすぐって放送しています。11月14日(土)は、『ハンバーガー・ヒル』(1987年・米)をお届けします。

© 1987 RKO Pictures, Inc. All Rights Reserved.

1.映画「ハンバーガー・ヒル」

ベトナム戦争のさなか、年端もいかない 14 人の兵士たちが恐怖の中にあって、いかに戦い死んでいったかを描く。タイトルは、あまりに悲惨な戦況から一人の兵士が叫んだ「この丘はオレ達をミンチにしようとしている!」というセリフが由来となっている。80 年代後半から 90 年代初頭に巻き起こった第二次ベトナム戦争映画ブームの中、ドラマ的な脚色は無く、ただ戦争のリアリズムを追及したベトナム戦争映画の傑作。(英語・日本語字幕)

■監督:ジョン・アーヴィン
■出演:アンソニー・バリル、マイケル・ボートマン、ドン・チードル 他
■コピーライト:© 1987 RKO Pictures, Inc. All Rights Reserved.
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2.みどころ(映画評論家・立花 珠樹 氏)

■等身大のベトナム戦争 アニマルズの曲が胸に響く『ハンバーガー・ヒル』
『ハンバーガー・ヒル』は、ベトナム戦争で実際にあった凄惨な戦闘を、最前線の米軍兵士たちの視点から描いた作品だ。
 同じテーマでほぼ同時期に公開された『プラトーン』や『フルメタル・ジャケット』と比べて、地味だが、兵士たちに寄り添って淡々と映し出される戦場の映像からは、本物の戦争の怖さが伝わってくる。自らベトナム戦争に従軍した脚本家ジェームズ・カラバトソスの体験が投影された、等身大のベトナム戦争映画と言えるだろう。
 1969年5月、米陸軍の歩兵連隊に所属する14人の兵士たちは、ラオス国境近くの丘を占領する作戦への参加を命じられる。丘に陣取る北ベトナム軍との攻防戦は10日間続き、戦場が「ハンバーガー・ヒル」と呼ばれるほど、双方に多数の犠牲者を出した。 
 映画の前半は、兵士たちの〝日常〟が描かれる。戦場でのつかの間の平穏を楽しむ彼らの会話から、米国内ではベトナム戦争に対して激しい反戦運動が起きていたことも伝わってくる。殺し合いの最前線に送り込まれている若い兵士たちは、白人、黒人を問わず、裕福なエリート層の出身者ではないのだ。
 印象的な場面がある。米軍ヘリの編隊の映像とともに、アニマルズの「朝日のない街」が流れてくるシーンだ。「太陽さえ輝かないこの街では、君は死んでしまう、俺たちはここから出ていかなければならない」。エリック・バードンのボーカルが、兵士たちのやるせない気持ちを表しているかのように響く。
※邦題「朝日のない街」の原題は「WE’VE GOTTA GET OUT OF THIS PLACE」。


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