「ビル再生100の物語」普通じゃないので使い方を絞ってみました
ビル再生100の物語 第4話
テナワンでは、これまで多くのビルの空室対策や賃貸運営を行ってきました。
それぞれのビルたちが様々な問題を抱えていました。
古いまま貸そうとしてうまくいってなかったり、
昔からの付合いの仲介会社だけにテナント募集をお願いしていてあまり知られてなかったり、
せっかくいい「ウリ」のポイントがあるのにうまく伝わってなかったり、
入居者の滞納が長引いてトラブルになっていたり、
突然空調機が壊れてどうしていいか困っていたり、
それぞれの問題を解決してきたビル再生の事例を「100の物語」としてこれから公開していきます。
普通じゃないので使い方を絞ってみました
地下で窓ナシ、残置物。
窓がない地下の部屋でした。
当たり前ですが、普通のオフィスとしての募集では苦戦します。
しかも、前のテナントさんとは、原状回復をほぼしないまま退去していい約束だったらしく、いろいろ以前の内装の名残が残っています。
でもよく見ると天井高が高い!
計ったら3mありました。
壁が曲がってる……? ひょっとして
しかも、なんだか部屋の奥には壁と床が曲線でつながっている不思議な空間があります。
ひょっとして?と思って、オーナーさんに詳しく事情を聞いてみたところ、以前は撮影スタジオだったらしいことが判明。
壁と床がつながっている部分も、ホリゾントって言うものだそうです。
そう言われてよく見なおしてみれば、壁の不思議なオブジェの名残もなんだかステキに見えてきますよね。
(オーナーさん)「ちゃんと全部キレイに直さないとダメかしら?」
(僕ら)「あ、いやいや。これはこの方が面白い物件としてウリがたつと思います。まずはこのままやってみましょう!」
それならそれで、スタジオで使いたい人を募集する方が早いだろうってわけです。
ちなみに、壁の曲線・ホリゾントは、撮影の時に壁と床の境目が映らないようにするためのものです。
勉強になりました!
いざ、募集開始!
天井の高さと、ホリゾントを武器に募集を開始。
加えて、「セルフリノベーション可能物件」としてみました。
結果はもちろん
興味を持ってくれた仲介会社向けに部屋うちの撮影内覧会を企画したり、そこから先はもう普通のテナント募集からかけ離れて、担当者は完全に楽しんでいました(笑)
結果ですが、狙い通りスタジオ使用のテナントさんが決まりました。
モデル事務所のレッスン&撮影で使っていただいています。
普通じゃない物件だけど、使い方を絞ってイメージさせてあげたことで成約を勝ち取れた例です。