株式会社土屋 全国47都道府県に重度訪問介護事業所を設置
株式会社土屋は2023年1月1日、当社の念願である「全国47都道府県での重度訪問介護事業所の設置」を果たしました。
株式会社土屋(本社:岡山県井原市、代表取締役:高浜敏之、在籍人数:2,184人)・ホームケア土屋は、重度の障害をお持ちの方に対する訪問介護サービスを全国で展開し、高齢者向けデイサービスや訪問看護も行うソーシャルビジネス企業です。
当社は創立以来、介護難民問題の解消を第一に掲げ、全国47都道府県での事業所設置を目標に邁進してきましたが、創立より2年5か月を迎えた2023年1月、滋賀県での事業所稼働に伴い、ついにその念願を果たしました。
これにより、全国津々浦々にサービスを提供できる体制が整い、「地域で自分らしく暮らしたい」と願う障害をお持ちの方々に、より充実したサポートを届けることが可能となりました。
今回は、全国47都道府県における事業所設置の軌跡を、創立からわずか2年あまりで従業員数2,000人を突破した当社の採用術と併せてお伝えします。
株式会社土屋 高浜敏之代表の想いを形にするために
「支援を求める方すべてに必要なサービスを届けたい」
長らく障害者運動に取り組んできた株式会社土屋・高浜敏之代表の強い想いにより、2020年8月、当社は設立。以来、介護難民問題の解消を第一義に掲げ、社員一丸となってこの目標に邁進してきました。
介護業界、とりわけ障害者に対する支援を担う重度訪問介護業界では、全国的に事業者数が少なく、慢性的なヘルパー不足の状態も続いています。また地方に行けば行くほど事業者もヘルパーも不足しているという地域間格差が顕著であり、至る所で支援を求める「小さな声」が存在するものの、そのニーズに応えることができないのが現状です。
それらを解決しようと、当社が取り組んだのが全国47都道府県での事業所設置。「施設から地域へ」という社会的要請のある中で、会社創設より2年5か月後の2023年1月、念願の47都道府県での事業所立ち上げを完遂しました。
これにより、全国の施設や病院、あるいは家庭内で支援をお待ちの方に当社のサービスを提供し、「地域で自分らしく暮らしたい」という願いに応える準備が整いました。
関東に始まり、全国へ~前社で出会った仲間たち~
株式会社土屋の創立を遡ること数年前、共に前社(東京)で出会った仲間により、全国に向けた事業所展開はスタートしました。
高浜敏之(現 代表取締役)の意向を受け、まずは五十嵐憲幸(現 介護事業部長)が関西へ。その後、小黒昭洋(現 副社長)が九州に。共に高浜の志を胸に抱き、両者は関西と九州で重度訪問介護サービスの基盤を築きます。
その後、多くの苦節を経ながらも、「支援を待っている方にサービスを届けたい」という固い決意の下、東北・四国を始め全国各地で次々と事業所が開設。高浜を筆頭とする当社創設時のメンバーにより、ついに全国の各ブロック(北海道、東北、関東、東海、関西、中・四国、九州)に重度訪問介護事業所が開設されました。
駆け出し当時の出来事を振り返って
五十嵐憲幸:
「関西に向かった当初は土地勘も分からず、多少怖さがありました。ただ、高浜さんの力になりたいというのがまずありましたし、高浜さんも足しげく通ってくれたので不安要素はなく、慣れるにしたがって関西人の根底にある気持ち良さも分かるようになってきて、全国展開の出だしを楽しめましたね。
小黒さんの九州への展開が始まると、高浜さんより任される範囲が広がって責任感も徐々に増していきましたが、この当時に培えた地元スタッフとの全国規模でのつながりが、今の自分の宝になっています。」
小黒昭洋:
「九州展開の話が出た当時は、東京でも依頼に応えきれない状況でしたが、関西に進出した五十嵐さんからは『依頼がひっきりなしにある。すでに100件くらい来ている』と伺っていて、全国ではさらに厳しい状況にあると感じていた矢先でした。
私は地元が九州なので、『行かなくちゃならない』と使命感を感じましたね。これが私の全国展開への引き金になっています。
とはいえ、九州進出当初は、認知度もないので依頼も3件くらいしか来ず…応募も少なかったので、最初の面接時には高浜さんが駆け付けてくれました。しばらくすると、どんどん依頼が舞い込んできましたが、やはり事業所が安定しないようなご利用者が集中してきます。前例がない中で自分が決断を下し、売上も含めて苦しいこともありましたが、新事業所として行政含め周りに認めていただくために必死になってくらいついていきましたね。」
株式会社土屋の創設から全都道府県での事業所立ち上げまで
2020年8月、株式会社土屋(代表取締役・高浜敏之)が創設。創立時には全てのブロックに重度訪問介護事業所は設置されていたものの、依然、各ブロック内の約10県では事業所が設立されておらず、ニーズに応えきれない状況は続いていました。そうした中、現 ホームケア土屋ゼネラルマネージャー・星敬太郎が全国展開に向けて一つずつ歩を固めていくことに。そして2023年1月1日、滋賀県での事業所開設をもって、高浜代表ならびに当社念願の全都道府県での事業所立ち上げが成し遂げられました。
全国展開に向け、大手を掛ける
星敬太郎:
「ホームケア土屋ゼネラルマネージャーとしての業務に携わるようになった頃は、関東・北陸・関西ブロック内で、まだ事業所が開設されていないところが9県あり、私はその最後の部分の立ち上げに関わりました。関東は東京以外すべてで、例えば群馬県では社宅を借りて管理者と共に乗り込み、立ち上げを進めるなどの形を取っていました。
面接に関してもキャリア採用制が導入され、介護経験を問わず、リーダー経験のある方々をマネージャー候補として採用するところから、私が直に面接を担当しました。直近1年間でも関東では応募者が約40名あり、9割5分の積極採用を行いました。
その後は、各事業所にマネージャーや管理者を配置し、彼らが様々に調節して事業所を稼働させてくれて、ニーズに勢いよく応えることができましたね。
2022年12月には長野と福井に、2023年1月には滋賀に事業所を開設し、これにて全国での事業所設置が完了しました。」
てい談:立ち上げの苦労(小黒昭洋×五十嵐憲幸×星敬太郎)
星敬太郎:
「やはり事業所を立ち上げたエリアに他事業所があると、どうしてもそちらが入れない週末から順番に問い合わせが来るので、まずはそこから引き受けて、質も含め信頼を勝ち得ていくことが必要かなと実感しました。『立ち上げあるある』ですね。
その中で、どうニーズに応えていくかという苦労もありますが、管理者を含めて行政で定められている事業所の人員の配置がとにかく難しかったです。会社の方向性、そしてニーズに応えたいという思いからも、47都道府県すべてでの事業所配置は実現したい、ただ人選が難しい、ここが一番の苦労と感じていましたね。」
小黒昭洋:
「ご利用者を受け入れるには、スタッフ数が圧倒的に足りない。でも受け入れないと次に進めないし、スタッフを余らせてしまう。かといって受け入れるとスタッフが疲弊する。
こうしたアテンダント(ヘルパー)の採用数とご利用者の受け入れのバランスがものすごく重要で、特に立ち上げ期の頃は人的リソースがないので苦労しましたね。シフトに関しても、アテンダントとご利用者との相性があるので、どこのお宅でも入れるわけではないという重度訪問介護の難しさもあります。
その中で、依頼を受けたいけれども応えられないことが本当に辛かったですね。」
五十嵐憲幸:
「ほんとにそうですね。あと、私が関西から東北に場所を移して事業所を展開していたとき、やはり小黒さんの動きとか気になるんですよね(笑)小黒さんはすごい勢いで立ち上げをしていって、さすがだなと思いながら、私も参考にできるところは極力参考にしてはいたんですが、東北と九州の県民性の違いもかなり感じました。なかなか九州のようにはいかないなと思いながら、展開していったところがあります。
あとはやはり人の問題ですね。それぞれ考え方も違う人間が集まっている中で、人間関係に問題が生じ始めるとネガティブな方向に向かいがちになります。そこをなんとかひっくり返して、同じ方向に向かうのが大変でしたね。社の拡大と共に高浜代表と面識のない方も増える中で、どう代表の想いを代弁するか、試行錯誤しながら来ましたね。」
全国展開の陰に採用あり~展開と共に形作られた株式会社土屋~
事業所の立ち上げから稼働、それに伴う人材の増加に伴い、株式会社土屋は創立からわずか2年あまりで従業員数が2,000名を突破。アテンダントの採用から研修、現場へのスムーズな移行に焦点を置いたスピーディな施策が、47都道府県での事業所設立に大きく寄与しました。
当社の採用の特徴として、自社内に研修機関である土屋ケアカレッジを有することが挙げられます。当カレッジでは、支援が必要な障害のある方に介護サービスを提供するための資格が取得できますが、通常の介護研修(基礎課程・追加課程)のみならず、他社では珍しい医療的ケアのできる喀痰吸引等(第3号)研修を組み込んだ重度訪問介護従業者養成研修 統合課程を実施しています。
自社内における最短3日間での資格取得により、現場へのスピーディな移行が図れ、これが全国展開へとつながりました。
なお資格取得後も、当社の強みである事業部(ホームケア土屋)との連携を生かし、新人研修として、現場のリアルに合わせた実技中心の講義を行うことで、重度訪問介護という個別性の高いケアにおけるスタッフの不安を払拭し、クオリティの高いアテンダントを育成してきました。
そうした中で、取締役会や監査役会が創設されるなど組織としての体制も固まり、現在はクライアント(ご利用者)数も約700名に。さらに、介護従事者の社会的地位の向上を目指して給与の増加、キャリアアップ制度も推進されてきました。
当社の成長を眺めて
小黒昭洋:
「九州開拓当初は知り合いもいない中で一人で営業をかけ、面接も自分のフィルターを通さずに、とにかく採用するというスタイルでした。もっと以前は人事採用すらなく、自分で募集をかけて面接し、採用者の研修講師までしていたという話もあります。
当時はヒエラルキーもなく、リーダーである高浜さんの下に、マネージャー、コーディネーター、ヘルパーという形でしたが、会社の創立・成長とともに体制もしっかりして来て、マネージャーがオフィスマネージャーとエリアマネージャー、ブロックマネージャーに分かれ、補完関係がしっかりできるようになってきました。
一人で10役をこなしていたところから、2~3役で終わるようにはなってきましたが、逆に言うと我々は色々しなくてはいけなかったので、業務を幅広く覚えることはできましたね。」
五十嵐憲幸:
「確かにそうですよね。当時は一人が何役もするので全体を把握することができました。最近入社して、あっという間に役職に就いた方では細かい部分を知らない方も多いので、それを浸透させるのが今、必要なことだと思います。
現在は本社管理部があり、営業推進部、専門の研修機関と、体制的にはほぼ確立されている。これから益々スピード感も上がり、さらなる事業拡大に向かうでしょうし、この47都道府県での事業所開設を一つの区切りとして、制度の充実やアテンダントの質も上がっていくと思います。」
今後を見据えて
2023年1月、全国の各都道府県での事業所開設を果たした株式会社土屋。今後、当社は重度訪問介護のリーディングカンパニーとして、これまで以上にスピードを加速させ、介護難民問題の解消に向けて動いていきます。
また、重度訪問介護のみならず、高齢者デイサービスや訪問看護等、様々に事業の拡大を続けます。
小黒昭洋は、M&Aを通じて事業継続が困難な高齢者デイサービス等の事業所を救い上げ、当該事業所の利用者に地域生活の存続を担保するとともに、スタッフの生活の安定を図るという、社会的課題の解決に取り組んでいます。
五十嵐憲幸は『福祉の総合商社』たるべく、高齢者分野に事業を展開し、グループホームやデイホーム、訪問看護など幅広い事業を運営し、トータルケアカンパニーへの道を推進しています。
その中で、当社のメイン事業であるホームケア土屋を率いる星敬太郎が、重度訪問介護を引き続き全国津々浦々に展開し、地域間格差等の問題をくまなく解決すべく奔走。日々クライアントの暮らしを支援しているアテンダントと共に、当社創立以来の志を胸に邁進します。
47都道府県での事業所立ち上げを成し遂げて
星敬太郎:
「47都道府県への事業所の配置は一つの区切りであり、目標でもあったので、もちろん達成感はあります。けれど一番強い想いは、まだまだ途中であるというところですね。都道府県の中だけを見ても、支援の手を差し伸べられていない地域がまだ多くあります。
今後は、サテライトという事業所を分けるような方法などで同県の中に2事業所目を作ったり、あるいは地方に社宅や寮を用意してアテンダントが地域で生活しながら支援するといった工夫をして、地方にも支援が行き届く体制を築いていきたいです。」
五十嵐憲幸:
「全国の皮切りを担って関西からスタートし、今こうして振り返ると『ようやく47都道府県にできるんだな』というのを改めて実感します。これはこれで喜ばしいところですが、星さんの仰る通り、あくまでも通過点であり、今後は同県に2、3事業所目、そして全国津々浦々に事業所を開設するという面からは、ようやくリ・スタートラインに立てたという印象です。
その意味では気を引き締め直して、早くそのようなステージにたどり着けるよう、邁進したいですね。」
小黒昭洋:
「その通りですね。数字や形としては全国に事業所が設置できましたが、あくまでもまだまだ途中。広く遍く当社の理念を実現させるための道半ばであり、やはりもっと事業所を展開して、すべての方々にケアが届けられるようにしたいですね。」
事業所設立記念イベント
当社では2023年1月20日、47都道府県での事業所設立の記念イベントを開催し、当社の軌跡や今後のビジョンについてお伝えします。
■開催日時:2023年1月20日(金)18:00~19:30
■開催場所:オンライン(ウェビナー)
■参加費 :無料(事前申込不要)
関連URL
公式サイト
公式Twitter
公式YouTubeチャンネル
会社概要
会社名 :株式会社土屋
所在地 :岡山県井原市井原町192-2 久安セントラルビル2F
代表取締役:高浜 敏之
設立 :2020年8月
事業内容 :障害福祉サービス事業及び地域生活支援事業、
介護保険法に基づく居宅サービス事業、
講演会及び講習会等の企画・開催及び運営事業、研修事業、
訪問看護事業