緑あふれる「シャーメゾン ガーデンズ」で癒される暮らしを ~様々な事業を紹介する 「積水ハウス ストーリー」の最新情報を公開~
積水ハウスの様々な事業を紹介する「積水ハウス ストーリー」の公開を開始しました。
お客様の戸建て住宅への想いや、商品開発への想いを、毎回テーマを設定してご紹介します。第58弾として6月22日に、“緑豊かな賃貸住宅「シャーメゾン ガーデンズ」の立役者の1人で、ランドスケープのデザイナーとして活躍中の積水ハウス社員”のストーリーを公開しました。
“自然の緑”で建物の魅力アップ
皆さんは、日頃、目にする建物に自然の緑を感じたことはありますか。実は、建物に緑を活用することで、様々なメリットが生まれるのです。国土交通省の調べによると、緑は、建物とうまく組み合わせることで、その建物をより魅力的にし、他の建物との差別化に役立ち、不動産としての付加価値の向上に寄与します。また、屋上や壁面の緑化は、太陽光を遮り断熱効果をもたらすだけでなく、医療関係施設では、屋上等の緑地がリハビリやレクリエーションに利用され、セラピー効果も発揮しています(※1)。
※1:国土交通省「緑による建物の魅力アップガイド」 https://www.mlit.go.jp/common/001341506.pdf
実際に、東京大学が生物多様性と健康や幸せに関する調査をしたところ、2020年の検証で、緑地の利用頻度が高い人だけでなく、窓から緑が見える家に住む人においても、メンタルヘルス尺度が良好な状態にあることがわかりました(※2)。人は、緑地を訪れなくても、身近な庭の緑によって「自然の癒し」を感じることができるのです。
※2:東京大学大学院農学生命科学研究科 https://www.sekisuihouse.co.jp/company/topics/topics_2022/20221130_2/
緑豊かな賃貸住宅「シャーメゾン ガーデンズ」
そこで、今回ご紹介するのが、緑豊かな賃貸住宅「シャーメゾン ガーデンズ」です。
「シャーメゾン」とは、戸建住宅レベルの品質と住み心地をご提供する賃貸住宅。“自然環境の保存・再生”や“街並みとの調和”などに配慮しながら、多くの緑を取り入れました。
その「シャーメゾン ガーデンズ」の立役者の1人が、積水ハウス 大阪南シャーメゾン支店のエクステリアや、ランドスケープのデザイナーとして活躍をしている、齋藤 英です。外構造園会社での経験を経て、2006年積水ハウスに入社。外構・造園において現場の中心となり、数多くの物件を担当。これまで、社内で2年連続、関西建築事業本部の最優秀賞など、社外では、大阪府主催ランドスケープ賞3期連続受賞や、堺市の景観賞など、数々の賞を受賞しました。
そんな齋藤が突き詰めて表現した緑あふれる「シャーメゾン ガーデンズ」が2022年1月に竣工しました。オーナー様は、積水ハウスで4棟ものシャーメゾンを建てて頂いた方で、過去の実績から齋藤に強い信頼がありました。今回のオーナー様の立地は、大阪と奈良を結ぶ日本最古の官道、竹内街道に近く、神社や遺跡が多いため、地域を意識して街の雰囲気に馴染むことをご希望されましたが、それ以外は「齋藤さんにお任せします。」とおっしゃって頂いたといいます。
“緑”を突き詰めた「ボタニカルゲート」の誕生
大きな特徴は、「ボタニカルゲート」。これまでのシャーメゾンは、地面に植栽するのが主流でしたが、今回は、普段使っていない2・3階のバルコニーの前や、通常は照明を設置する程度のエントランスゲート部分に緑を配置しました。「ゲートの上から緑を降り注がせたい。その緑のゲートをくぐって入居者の方々に入って欲しい。」そんな思いから、つる系のヘデラを中心に、ノシラン、シャリンバイなどを多用し、「ボタニカルゲート」が誕生しました。
「以前から、緑が垂れ下がっていたらおもしろい。こんなふうにできたらいいなと思っていました。街を緑にしたいというコンセプトがあったので、今回、ここしかない!と思ったのです。」と齋藤はいいます。
1階入り口と、2・3階からも青葉が降り注ぐイメージにし、正面に向かって右にアオダモ、左にホルトノキが入居者の皆さんをお迎えします。ゲートの緑は、まるで空中に浮いているようです。
そして、2・3階のバルコニーから覗かせている緑は、根鉢をバルコニーの壁際に置き、樹木自体を斜めに傾けて固定し、道路側に向かせました。これは、もともと倒せるような樹形を選ぶ手法ですが、樹木は、外壁に沿って真っ直ぐ上がるのではなく、光を求めて外に枝をのばしていくので、その習性をうまく利用し、成長しても部屋の中に光が差し込み、緑量も多く見えるようにしました。ゲート横の「駐車場についても、アスファルトだけより緑でいいものを作って欲しい。」とのオーナー様のご要望と齋藤の思いが一致しました。
こだわりの「丹波石」と「塗り壁」
齋藤には、もう一つのこだわりがありました。それは、自然に元からあったように配置された、丹波石です。わざわざ兵庫県の丹波まで足を運び、自ら選びました。いくつもの層になっているのが特徴ですが、工事中のアクシデントで階段用の丹波石が、層が剥がれるように割れてしまったことがありました。ところが、齋藤は、「階段に使おうと考えていた丹波石と全く同じ形の石がもう一つできたのだから、そんな偶然はない」と、前向きに捉え、石の向きを反対にしてアプローチ前のゲートの下に置いたのです。階段とゲートの下の床面に同じ自然石が対象的に埋め込まれ、唯一無二のアプローチが完成しました。
現場では、塗り壁などの作業にもこだわり、自ら手がけました。通常は、塗装材と骨材を撹拌機で混ぜながら均一にし、意匠の壁にしますが、これではおもしろくないので、意匠に使う骨材を自ら手で投げつけ、ランダムにすることで自然な風合いを出しました。
植栽も、線の細い印象のカレックスやヤブランなどのグランドカバーを植え、石を目立たせ重厚感を持たせました。
屋上緑化のデザインを追求 自らの手で植栽を設置
齋藤は、この「シャーメゾン ガーデンズ」で、屋上緑化のデザイン性について追及したいと思っていました。屋上緑化の工事は、防水面など専門的な作業が多く発生するため、植栽も含め本来は協力工事店の方にお任せしますが、今回は「自分の手で植栽を設置したい」と、専門業者さんに掛け合ったのです。初めは断られましたが、「最高のものを作りたい」という齋藤の熱意が伝わり、一緒に作業をすることが決まりました。工事店の方たちが下地を作った後、下地の布を防水マットの上に敷く作業をし、造園工事店の方と一緒に樹木の向きを決め、丁寧に1本ずつ土をかぶせながら樹木などを設置しました。
建築設計担当の佐藤 大輔は、齋藤について次のように語っています。
「齋藤さんは本当にエネルギッシュで、プレゼン能力が格別です。私は大型物件を担当することが多いですが、その際の提案にはいつも齋藤さんに相談しています。少しのアドバイスをもらうだけで、一人で考えるより数段よくなるんです。実は、今回のゲートに使用したヘデラについて、齋藤さんから相談があったんです。『竣工時にはゲートからあふれる緑が垂れ下がるように、工事着工前から一緒に育てて欲しい。』と言われ、いい案だと思ったので、家で子どもと一緒に育てました。おかげ様で竣工時には、あふれるヘデラで美しいゲートを見ることができました。」
また、営業担当の坂田 拓也も、齋藤に信頼を寄せています。
「齋藤さんは、外構の中でも特に植栽に力を入れています。多くの物件を抱えながらも、図面ありきではなく、現場でどんな樹が使えるか確認した上で、私と佐藤さんに予算などを確認してから提案をしてくれます。シャーメゾン事業では、『オーナー様にいいものをご提供し、新たな付加価値と市場よりもいいお家賃設定で長期安定経営に貢献していこう』という齋藤さんの思いも伝わるからこそ、一緒に頑張っています。」
チームの中で信頼関係を築いているからこそ、最高のものができると齋藤は言います。
「営業の坂田さんと設計の佐藤さんとは、長い間、連携してやっているので、今回もかなり初期段階から佐藤さんが、『齋藤さんだったらどうする?』と聞いてくれ、私のランドスケープ要素を多く取り入れてくれました。計画の初期段階に外構造園目線でゾーニングをするのはとても重要だと感じています。実は、今回の駐車場計画も、1台減らして欲しいとお願いしたんです。1台減らすことによって、デザイン性が高く、緑豊かなファサードが実現でき、建物全体に高級感が生まれました。目先の収益を考えると駐車台数が多い方が良いですが、何十年も残っていくものです。今では、『齋藤さんが言うなら』と佐藤さんに言ってもらえるようになりました。デザイナーとして、こういった点をしっかり考えていく必要があると思っています。」
積水ハウスでは、オーナー様目線で作り手の思いが込められている「シャーメゾン ガーデンズ」を推進しています。街並みや周辺環境との調和を図りながら、その土地の歴史を紡いできた既存樹や素材を最大限に生かした賃貸住宅。皆さんも、都会にいながら自然に癒される暮らしを実現してみませんか。
人と自然の共生社会 緑豊かな賃貸住宅「シャーメゾン ガーデンズ」
https://www.sekisuihouse.co.jp/company/sustainable2020/environment/biodiversity/activity1/act_5/