新型コロナウイルス流行下における健康経営の 取り組み状況に関する調査結果(第2回)を公表

~在宅勤務はワークライフバランスや仕事の効率を高める一方で、 歩数減少による活動量低下が課題~

株式会社ルネサンス(本社:東京都墨田区、代表取締役社長執行役員:岡本利治、以下「当社」)は、当社が事務局を務める健康長寿産業連合会(会長 澤田 純)の健康経営WG、健康経営会議実行委員会(委員長 斎藤 敏一)にて実施した「新型コロナウイルス流行下における健康経営の取り組み状況に関する調査結果(第2回)」を公表したことを、お知らせいたします。

≪調査結果のまとめ≫

■週3日以上の継続的な在宅勤務で、ワークライフバランスが向上、仕事の効率が改善

■週3日以上の継続的な在宅勤務で、歩数は減少したが、運動実施は増加

■緊急事態宣言中に4日以上の在宅勤務で「家庭のストレス」「仕事の効率」「働きがい」に課題を抱えていた人のうち、12月までに週1-3日に在宅頻度が減った後で改善が見られた

1. 調査結果のポイント

■週3日以上の継続的な在宅勤務で、ワークライフバランスが向上、仕事の効率が改善

●緊急事態宣言中(2020年4月)から12月にかけて、週3日以上在宅勤務を継続していた群のうち、57.6%が「ワークライフバランスが向上した」と回答し、同期間に週2日以下で在宅勤務をしていた群と比較しても統計学的に有意な差があった。
●同群のうち、30.7%が「仕事の効率が向上した」と回答し、週2日以下で在宅勤務をしていた群と比較しても統計学的に有意な差があった。

■週3日以上の継続的な在宅勤務で、歩数は減少したが、運動実施は増加

●同群のうち、50.0%が「歩数が減少した」と回答し、週2日以下で在宅勤務をしていた群と比較しても統計学的に有意な差があった。
●同群のうち、26.9%が「運動が増加した」と回答し、週2日以下で在宅勤務をしていた群と比較しても統計学的に有意な差があった。
●体重に関しては、同群の32.6%、週2日以下の群でも25.3%が増加したと回答。

■緊急事態宣言中に4日以上の在宅勤務で「家庭のストレス」「仕事の効率」「働きがい」に課題を抱えていた人のうち、12月までに週1-3日に在宅頻度が減った後で改善

緊急事態宣言中に週4日以上の在宅勤務で「家庭のストレス」「仕事の効率」「働きがい」に課題を抱えていた人のうち、12月までに週1-3日に在宅頻度が減った後で「家庭のストレス:39.4%→23.6%(増えたの合計が減少)」、「仕事の効率:2.1%→10.5%(下がったの合計が減少)」、「働きがい:36.8%→15.7%(下がったの合計が減少)」と改善した。

2.調査概要

・調査名 :新型コロナウイルス流行下における健康経営の取り組み状況に関する調査
・調査対象:健康経営会議2020 参加者(482名)
・有効回答:482名中、301名(有効回答率:62.4%)
・調査時期:2020年12月9日(水)~12月29日(火)
・調査方法:インターネット調査

<アンケート調査結果はこちらから>https://www.well-being100.jp/news/

3.有識者からのコメント

NPO法人健康経営研究会 理事長 岡田 邦夫 氏

長期間の在宅勤務の継続により、通勤時間の削減による「ワークライフバランスの改善」、「仕事の効率の上昇」など一定のメリットが示唆された。また、日常生活面では、「運動実施」は増えたものの、通勤がなくなったことによる「歩数」の減少が認められた。
ただ、この結果を考察するに際しては「上司の業務負荷の調整や指導のあり方といった部下とのコミュニケーションが上手くいっていない」、あるいは「専門性が高く、常に上司の指示を仰がなければならない業務」については当てはまらないと推察する。
さらに、「緊急事態宣言中から12月にかけて、週3日以上で在宅勤務をしている群」は32.6%、「緊急事態宣言中から12月にかけて、週2日以下の群」は25.3%が体重増加したと回答している。この点については、運動実施を行っていても、日々の通勤による運動量減少と食生活について、摂取量が増加した可能性を否定できない。

東北大学大学院医学系研究科 公衆衛生学専攻公衆衛生学分野 教授 辻 一郎 氏

4月の緊急事態宣言中に週4日以上の在宅勤務をしていた群で、ストレス・仕事の効率・働きがいにおいて課題のあった人が、12月までに週1-3日に在宅頻度が減った後に改善が見られ、その結果、12月においても継続して週4日以上の在宅頻度の群との差が縮まった。宣言終了後に在宅勤務の日数を週1-3日に減らしたことが、どの程度影響を与えたかの詳細は、今後検討を深める必要があるが、在宅勤務に馴染まない業種・職種、個人の在宅勤務の就労環境などによって、在宅勤務の健康への影響が人によって異なる可能性がある。この点について、企業は個人に適した働き方のアドバイスが必要になるだろう。また、その際に産業医や保健師等の産業保健スタッフは、働き方の変化と個人の健康課題に配慮した視点からの助言が求められる。

4.今後に向けて

健康経営に取り組む企業は健康二次被害防止の観点からも、新型コロナ感染症流行下において、「誰の健康が脅かされているのか?」を明らかにしていく必要がある。特に、今回の調査では、在宅勤務はワークライフバランスや仕事の効率に良い影響を与えるとの結果が出たが、これらは、業種・職種・就労環境等によっても異なる可能性がある。
今後、在宅勤務の導入は、不可逆的な流れであることから、企業は在宅勤務の健康影響等を継続的に把握し、個々の従業員に配慮した働き方や健康への投資を行う必要がある。

【健康長寿産業連合会】
日本における健康長寿産業の振興を目的に、企業・業界団体が主体となった産業間交流の場として2019年10月1日に設立。

【健康経営会議実行委員会】
健康経営に関する指標や考え方、先駆的な取り組み等、多くの団体が今後、健康経営に取り組むために有効と思われる情報を発信していくことを目的に、2015年より健康経営会議を開催。

当社は、健康長寿産業連合会 健康経営ワーキング、および健康経営会議実行委員会の事務局企業として、健康経営に積極的に取り組む企業20社以上とも、今回のアンケート調査の取りまとめや健康経営の普及・促進に向けた政策提言の取りまとめ、健康経営会議の企画・実行を行っています。

<本リリースについてのお問い合わせ先>
健康長寿産業連合会 健康経営ワーキング
健康経営会議実行委員会 事務局
株式会社ルネサンス 健康経営企画部 樋口 毅、関野 千鶴、丹野 恒平
Email:kenko-info@s-renaissance.co.jp

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