【名城大学、関西大学、福井大学、アークエッジ・スペース】理工学部の宮田喜久子准教授らの研究グループが超小型人工衛星を共同開発

1Uサイズ(10×10×10㌢)の「DENDEN-01」 10月に宇宙空間に放出へ

宇宙空間に放出された「DENDEN-01」のイメージ図

本学理工学部交通機械工学科の宮田喜久子准教授と関西大学化学生命工学部の山縣雅紀准教授、福井大学産学官連携本部の青柳賢英特命准教授、衛星開発の株式会社アークエッジ・スペースによる研究グループが、革新的なエネルギー技術を搭載した1Uサイズ(10×10×10㌢)の超小型人工衛星「DENDEN-01」を共同開発し、大阪府吹田市の関西大学千里山キャンパスなどで記者会見してプロジェクトの概要や開発の意義などを発表しました。

SSPCMを活用した電源温度安定化装置やペロブスカイト太陽電池などを搭載

超小型人工衛星は現在、打ち上げ数が大幅に増加していますが、電力や質量、サイズの制限があり、熱容量も小さいため、宇宙空間の急激な温度変化の影響を受けやすく、安定した電力供給に課題があります。「DENDEN-01」では、安定した電力供給を可能とする各種技術とその効果に対するデモンストレーションを実施します。「固-個相転移型潜熱蓄熱材(SSPCM)」を活用した電源温度安定化装置やペロブスカイト太陽電池など、今後の超小型衛星開発に貢献する複数のエネルギー技術を搭載しています。

「DENDEN-01」の外観

2022年からの2年間という短期間で開発・完成した「DENDEN-01」は、6月4日に国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)筑波宇宙センターへの引き渡しが完了。2024年9月に米国から打ち上げられるロケットで国際宇宙ステーションに運ばれ、10月に宇宙空間に放出される予定です。そして軌道上では、電源システムに関わる複数のエネルギー技術の実証と、高品質で安定な電力を生かした高負荷ミッションに挑戦します。

※詳しくはプレスリリースを参照

宮田准教授「一部の手順を自動化・自律化して安全に長時間やりたいことをやっていける仕組みを作りたい」

メディア約20社が参加した記者会見では、宮田准教授は天白キャンパス本部棟からオンラインで出席。研究プロジェクトで宮田准教授は担当ミッション以外にも通信や姿勢制御、システム検討などを担当しており、会見では人工衛星の状態把握や運用計画などについて説明。「今や複数の衛星システムを同時に運用する時代が来ていますが、人の手が絡んでいてはエラーも増えてしまいます。そこで、一部の手順を自動化・自律化することで人の介在を減らしてリスクを排除し、安全になるべく長時間やりたいことを最大限にやっていける仕組みを作っていきたいと考えています」とプロジェクトでの意気込みを語りました。

オンラインで会見した宮田准教授
会見後の記念撮影
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