無糖炭酸水市場において、ビジネスパーソンに 最も選ばれるブランドは「ウィルキンソン タンサン」
株式会社日経BPコンサルティング(東京都港区)はこのほど、「無糖の炭酸水・スパークリングウォーターに関する調査」の結果をまとめました。
ここ数年、無糖炭酸水の販売金額は伸長しており、この9年で3.6倍にもなります(図1)。この春に新しいブランドが参入し、注目を集める「無糖の炭酸水・スパークリングウォーター」市場において、ビジネスパーソンがどのようなブランドを認知し、どのような商品を飲んでいるかについて、自主調査を行いました(調査手法の詳細については、後述)。
図1●「無糖の炭酸水・スパークリングウォーター」の販売金額と対前年伸び率の推移
以前に比べ、ビジネスパーソンの“無糖炭酸水”の飲用頻度、購買頻度はともに増加
“リフレッシュできる”“おいしい”イメージが後押しし、割材としてではなくそのまま飲むスタイルが定着
「無糖の炭酸水・スパークリングウォーター」を週に1回以上飲むビジネスパーソンは46.8%、週に1回以上購入する人は36.3%となっている(図2)。また、週1回以上の飲用頻度、購入頻度を年代別にみると、男性30代はそれぞれ60.0%、52.0%で最も高い。
図2●「無糖の炭酸水・スパークリングウォーター」の飲用頻度と購入頻度
(「コーヒー・茶系飲料」「ミネラルウォーター」「アルコール飲料」と比較)
初めて「無糖炭酸水」の500mlペットボトルが発売された時期である7年前と比べた購入状況について、「無糖の炭酸水・スパークリングウォーター」飲用者の44.5%が増加したと回答(図3)、市場の拡大を裏付けている。
図3●「無糖の炭酸水・スパークリングウォーター」の購入状況の変化(7年前との比較)
飲み方も変化した。7年前はそのまま飲む派(「ほぼ、そのまま飲む」+「他の飲み物と混ぜて飲むより、そのまま飲む方が多い」)と割材派(「そのまま飲むより、他の飲み物と混ぜて飲む方が多い」+「ほぼ、他の飲み物と混ぜて飲む」)が拮抗していたが、現在はそのまま飲む派が7割を占めている。特に「ほぼ、そのまま飲む」が増え、半数を超える(図4)。
図4●「無糖の炭酸水・スパークリングウォーター」の飲み方の変化(7年前との比較)
「無糖の炭酸水・スパークリングウォーター」のイメージも変化した。図5は、縦軸に現在の、横軸に7年前のイメージを置いた。左上にある項目は7年前に比べ強くなったイメージといえるが、ここには「そのまま飲む」「リフレッシュできる」「爽快感がある」「おいしい」がある。
図5●「無糖の炭酸水・スパークリングウォーター」のイメージの変化(7年前との比較)
ブランドの認知率、利用率で「ウィルキンソン」が首位、
「伝統がある」「かっこいい、スタイリッシュ」なイメージで支持される
市販の「無糖の炭酸水・スパークリングウォーター」において、ビジネスパーソンが純粋想起したブランドで「ウィルキンソン」が最も多く(図6)、第一想起で45.0%、第一~第三想起までの合計でも6割を超える。
図6●「無糖の炭酸水・スパークリングウォーター」として思い浮かぶブランド(3項目までの純粋想起*)
※降順でソート
*ブランド名を思いつく順に3つまで自由記入で回答してもらう手法
続けて14の選択肢を提示する方法で、知っているブランドを尋ねてみると、87.5%が「ウィルキンソン」を挙げた。「ペリエ」が73.5%、「い・ろ・は・す 無糖スパークリング」が59.8%、「カナダドライ ザ・タンサン」「サントリー 南アルプススパークリング」が半数前後で続く(図7)。
図7●「無糖の炭酸水・スパークリングウォーター」として知っているブランド(助成想起*)
*ブランド名を提示し、その中から回答してもらう手法
ブランドの認知者における実際の飲用率では、「ウィルキンソン タンサン」「ペリエ」「サントリー 南アルプススパークリング」が上位に入った。飲用率について男女で差があるブランドをみると、男性は「カナダドライ ザ・タンサン」、女性は「ペリエ」「サンペレグリノ」「ゲロルシュタイナー」といった海外ブランドが挙がる(図8)。
図8●よく飲む「炭酸水・スパークリングウォーター」のブランド
※全体の上位のみを表示
各ブランドを飲んでいる人に占める「最もよく飲むブランド」の比率をみると、「ウィルキンソン タンサン」が62.4%、「サントリー 南アルプススパークリング」が50.6%、「い・ろ・は・す 無糖スパークリング」が47.7%と高い。これらのブランドは固定ファンが多いといえそうだ。
国産メーカーのブランドを飲んでいる人に、各ブランドのイメージを尋ねたところ、「ウィルキンソン タンサン」は「かっこいい、スタイリッシュ」「ステータスがある」、「サントリー 南アルプススパークリング」は「原材料にこだわっている」、「い・ろ・は・す 無糖スパークリング」は「親しみを感じる」が、それぞれ他のブランドに比べて高い(図9)。
図9●「無糖の炭酸水・スパークリングウォーター」の主要国産メーカーのブランドイメージ
各ブランドのイメージや、そのブランド名を聞いて思い浮かぶものについて自由記述してもらったところ、「ウィルキンソン タンサン」は“元祖、強炭酸”、“100年以上の伝統”、“バー御用達”、“ハードで強い”など伝統的かつ硬派な印象を持たれている。「サントリー 南アルプススパークリング」「い・ろ・は・す 無糖スパークリング」はミネラルウォーターの印象が強く、前者は“炭酸がほどよい”、“アルプスの天然水でピュア”、“軟水で飲みやすい”、後者は“握りつぶせるペットボトル”、“環境によさそう”、“いろんなフレーバーが多い”との回答が多い。「カナダドライ ザ・タンサン」はジンジャーエールの印象が強く、“意外に歴史がある”、“強炭酸”、“男性的”などの意見が寄せられた。
最後に、5項目のイメージを示し、それぞれに最もあてはまるブランドを尋ねたところ、認知、飲用率で最も支持された「ウィルキンソン タンサン」が」4つの項目において、高い比率となった(図10)。
図10●5つのイメージ項目に最もあてはまる「無糖の炭酸水・スパークリングウォーター」のブランド
注目される市場であるだけに、今後も各社から様々な商品が登場し、消費者の選択肢が広がりそうである。ブランドシェアがどうなるか、目が離せない。
(山本 爽子=日経BPコンサルティング)
「飲み物に関するアンケート」
調査概要 :無糖の炭酸水・スパークリングウォーター市場について、
ビジネスパーソンの飲用・購買状況、ブランド認知などについて
尋ねた。
調査手法 :インターネット調査
調査対象 :日経ビジネスオンラインまたは、日経トレンディネットを
週1回以上読む、現在お勤めの方
有効回答数:400名 ※以下の割付で回収
調査期間 :2018年5月9日~5月15日
図11
図11割付
株式会社日経BPコンサルティング
日経BP社全額出資の「調査・コンサルティング」「企画・編集」「制作」など、コンサルティング、コンテンツ関連のマーケティング・ソリューション提供企業。(2002年3月1日設立。資本金9,000万円)