大手商社を退職後、たった3人の仲間と日本初の「宇宙商社」を作った「すごい」ベンチャー企業経営者の波乱万丈の人生とは!?
宇宙飛行士の野口聡一さんが、11月15日にアメリカの企業「スペースX」の民間宇宙船「クルー・ドラゴン」にて宇宙へ飛び立つことがNASAより発表されました。
民間による宇宙事業に注目が集まるなか、アスコムは、日本初の「宇宙商社」を設立した株式会社Space BDの代表取締役社長・永崎将利氏を著者としたビジネス小説『小さな宇宙ベンチャーが起こしたキセキ』を発売しました。
「何者かになりたい」そう思いながら 先の見えない日々を悶々と過ごす
この本は、2017年に永崎氏がわずか数名の社員しかいない宇宙ベンチャーを立ち上げ、様々な苦難を乗り越えて、NASAと協業を果たし、JAXAから衛星放出事業を独占的に受注するまでに成長した“キセキ”を自身の語り口で描いたもの。
大学時代は文系学部で、映画「スターウォーズ」すら見たことがない宇宙オンチだったという永崎氏。新卒で入社した大手商社でエース社員として活躍していたものの、大組織の中で自分の思うような働き方ができないことに、ジレンマを感じ退職。
その後、起業をするものの、思うように仕事は入らず、怪しいインドビジネスの話に振り回された末、資金も底をつき…
収入もろくにない中、引越し先の安アパートの一室で悶々とした日々を過ごします。
「一旗揚げたい」「何者かになりたい」
そう思うものの、では結局、本当は何をやりたいのか。自分でもよく分からないまま、ただ、月日が流れていきました。
そんなある日、人生を変える電話がかかってきます。
人づてに紹介されたベンチャー投資家、赤浦徹氏からでした。
「永崎さん、ロケットをやりましょう」人生を変えたひと言
「永崎さん、ロケットをやりましょう」
「ロケットというのは、あの宇宙を飛ぶロケットですか?」
「そう、宇宙産業です」
赤浦氏によると、経産省が、世界を相手に日本の宇宙技術を売り込めるビジネスパーソンを探しているという話でした。
「人類の英知を集結させた宇宙という分野にとうてい太刀打ちできるとは思えない」
一度はそう思った永崎氏ですが、「宇宙へのチャレンジ」に対して、今までに経験したことのない胸のたかまりを覚えました。迷った末に、清水の舞台から飛び降りる気持ちで、カネもコネも知識もないなか、手探りで未知の分野にチャレンジしていきます。
一日の半分以上を宇宙関連の勉強に費やす中で、日本の宇宙ベンチャーには技術系の会社は多くあるものの、民間のニーズと宇宙技術をマッチングさせる商社のようなサービスがないところに目を付け、日本初の「宇宙商社」を起業しました。
「誰もやったことがない」ことにチャレンジする主人公に涙と共感を覚える物語
「誰もやったことがない仕事」だけに苦労の連続。
時に恥をかき、喘ぐような思いをしながらも、持ち前のガッツと熱意、そして誠実な人柄で周囲の人々の信頼と協力を得ながら、道なき道を一歩ずつ進んでいくさまに、思わず手に汗握り、時に涙し、主人公を応援したくなる熱い物語が展開されています。
ビジネス小説として、永崎氏の生き様から何かを学ぶもよし。また、何も持たない若者が自分の夢に向かって突き進む様に感動する「青春小説」としての読み方もできる一冊です。