「ビル再生100の物語」テナントへの差押え通知が届いた!
ビル再生100の物語 第22話
テナワンでは、これまで多くのビルの空室対策や賃貸運営を行ってきました。
それぞれの問題を解決してきたビル再生の事例を「100の物語」としてこれから公開していきます。
今回は、テナントさんが差押えされた、というちょっと緊張する事例です。
テナントさんに対する差押え通知が届いた
突然の電話
「ビルの件で差押えするって通知が届いたんだけど!」
ある日、オーナーさんから電話をいただきました。
「え!?それって、オーナーさんに対してじゃなくてビルのテナントさんに対してですよね?」
最初ちょっとびっくりしましたが、よくよく聞くと入居中のテナントさんが税金を滞納しているので、テナントさん(Aさんとします)の資産に対して差押えを行う予定だ、という内容でした。
届いた文書を送ってもらい、こういう場合まず税務署に電話です。
「Aさんについての差押えに関する文書の件ですが」
簡単に言うと、これから差押えをするにあたって、まずはビルとの敷金がどうなっているのか状況を知りたいという問合せでした。
「かくかくしかじか(契約内容を説明)で、もしAさんが退去ということになると原状回復費用と、早期解約の違約金が発生するので、恐らく返せる敷金はありませんよ」
と、ひとまず税務署への対応はこれでOK。
次はAさんに
次はAさんに連絡です。
「こういう連絡が入ってますが、間違いないですか?」
「はい、ご迷惑かけてすみません」(Aさん)
「今月末のお支払いは大丈夫ですか?」
「厳しいです。敷金と相殺してもらうわけにはいきませんか?」(Aさん)
「契約上敷金との相殺をテナントさんから申し出ることはできません。
滞納になると、契約解除になって余計な違約金も出ますし、ちゃんと事情を教えてもらって穏便に合意解約にしませんか?」
この時点でAさんは相当混乱していました。(そりゃそうですよね)
なので、まず一緒に状況を整理して取れる手続きを説明しました。
これまでお世話になったテナントさんですし、こちらもできることはしてあげたい。
それに、家賃も払えず出ていくお金もない(最悪夜逃げ)というのが一番困ります。
(次回に続く)