第7回「食品産業もったいない大賞」 キユーピーグループが 農林水産省食料産業局長賞を受賞!卵殻と卵殻膜を100%有効活用。資源の有効活用と環境保全の取り組みが評価。

未利用資源としての卵殻および卵殻膜の価値探求と食と健康への貢献

キユーピー株式会社(本社:東京都渋谷区、代表取締役 社長執行役員:長南 収、以下キユーピー)とキユーピータマゴ株式会社※1(本社:東京都調布市、代表取締役社長:齋藤謙吾)は、長年取り組んでいる卵殻と卵殻膜の価値探求と食と健康への貢献について、第7回「食品産業もったいない大賞」の農林水産省食料産業局長賞を受賞しました。
※1 卵加工品を手掛けるキユーピーのグループ会社

2月6日(木)に行われた表彰式の様子 登壇者(左):キユーピータマゴ株式会社 代表取締役社長 齋藤謙吾

この表彰は、食品産業の持続可能な発展に向け、「省エネルギー・CO2削減」「廃棄物の削減・再生利用」「教育・普及」などの観点から、顕著な実績を挙げている食品関連事業者ならびに食品産業によるこのような取り組みを促進・支援している企業、団体および個人を対象としています。(主催:公益財団法人 食品等流通合理化促進機構、協賛:農林水産省)

キユーピーグループは、社会に対するグループの貢献価値を定量的に測る指標としてサステナビリティ目標を設定し、「資源の有効活用と持続可能な調達」を掲げています。「食品産業もったいない大賞」での受賞は、「野菜の未利用部を活用した資源循環の推進」で受賞した昨年に続き2度目です。今後も、さまざまな資源循環活動を通して社会的な課題解決に取り組んでいきます。

受賞テーマ:未利用資源としての卵殻および卵殻膜の価値探求と食と健康への貢献

キユーピーグループは、日本の卵生産量の約10%(1年間で約25万トン)を使用しています。1年間に卵殻は約2.8万トン発生し、廃棄すると環境へ多大な負荷が掛かります。そのため、1956年から卵殻を天日で干し、土壌改良材(肥料)として農家へ販売し、現在では社内外と協働することで100%有効活用しています。さらに付加価値の高い活用方法を研究し続けることで、環境保全や健康への寄与に貢献していきます。

卵殻は米を強くし、ヒトの骨を強くする

近年は、東京農業大学 応用生物科学部(辻井良政教授、加藤拓准教授)と共同で、卵殻の肥料としての価値を研究しています。現在までに、水稲に卵殻を施肥することで、猛暑などの天候不順による水稲への影響を低減し収穫量を改善すること、米の品位が向上することが分かってきました。米の作付面積は日本の耕地面積の中で最も大きい※2ため、将来的には、キユーピーグループだけでなく日本全体の卵殻を有効活用できると期待しています。
※2 農林水産省 平成30年農作物作付(栽培)延べ面積及び耕地利用率 参照

水田に卵殻を施肥する様子(埼玉県の協力農家)

また、ベトナムのハノイ国立栄養研究所との共同研究では、卵殻カルシウム(食用微細化卵殻粉、炭酸カルシウムを主成分とする生体素材)がヒトの骨量を増加させることを確認しました※3。卵殻は、高齢化で世界的に課題となる骨粗しょう症の解決に貢献できる素材です。現在ベトナムでは、卵殻カルシウムを配合した栄養強化食品の販売と合わせ、学校や病院への認知啓発と提案を進め、子どもの体格向上と高齢者の骨粗しょう症への課題解決に取り組んでいます。
※3 キユーピーアヲハタニュースリリース 2017年 No.33 参照
https://www.kewpie.com/newsrelease/2017/217/

先生による講演風景(ベトナム)

卵殻膜は肌のハリを改善する

キユーピー独自の製法で卵殻と卵殻膜を分離することに成功しました。卵殻膜には、肌のハリの素となるⅢ型コラーゲンを増やす働きがあることが分かり、1991年から化粧品原料として活用しています。

卵殻活用のあゆみ
1956年 卵殻を天日で干し、土壌改良剤として農家に販売を開始
1969年 卵殻の破砕・乾燥設備を導入(旧仙川工場)
1981年 卵殻を食品用カルシウムとして発売(膜除去技術の確立により実現)
1991年 卵殻膜を加工、化粧品原料として発売
2007年 卵殻を建築材や日用雑貨(壁紙、タイヤなど)の原料として発売
2012年 卵殻を肥料として生産した米に関する研究を開始
2017年 ベトナムにて栄養強化食品として卵殻カルシウムソースを発売
2019年 卵殻に関する取り組みが「3R推進功労者等表彰」において受賞
2020年 卵殻に関する取り組みが「食品産業もったいない大賞」において受賞

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