【北海道 東川町】「隈研吾&東川町」KAGUデザインコンペ、36の国地域・834件からついに隈研吾賞(最優秀賞)を決定
写真文化首都北海道「写真の町」東川町が、建築家隈研吾氏とともに実施する『「隈研吾&東川町」KAGUデザインコンペ』の各賞が決定しました。
『「隈研吾&東川町」KAGUデザインコンペ』は、建築家 隈研吾氏と東川町が連携し、KAGUのある豊かな(丁寧な)暮らしを育み、建築と家具が育む新たなライフスタイルの発信を目指し、「KAGU」を人間と世界の間をつなぐものの総称で、従来の家具という概念を拡張したものと定義し、①未来に羽ばたく若者を育む、②豊かな(丁寧な)暮らしを育む、③地域を育む の3つの視点のもと実施しました。
初めての開催となる今回は、世界中の30歳以下の学生を対象に、「木の椅子のデザイン」をテーマに昨年12月25日より作品を募集した結果、41の国地域から1,876件のエントリーをいただき、最終的には36の国地域から834件の作品提出をいただきました。(3月31日作品提出締切)
今回先に発表の入選作品10作品の中から、最優秀となる隈研吾賞1作品、優秀賞3作品、佳作6作品を決定しました。
ぜひご報道賜りたくお願いいたします。
「隈研吾 & 東川町」KAGUデザインコンペ受賞作品の概要
受賞者(※各作品は別紙のとおり)
隈研吾賞(最優秀賞)
21-0133 杉原有香 (日本)
優秀賞
21-0347 カタリーナ・ボギチェヴィッチ (セルビア)
21-0909 柳澤 星良 (日本)
21-1331 アンナ・ブガエウァ (ロシア)
佳作
21-0007 柏木航、廣瀬萌音 (日本)
21-0066 チェ・ウンソ、パク・ミン (韓国)
21-0404 タナプーム・ブンディー、タナコーン・ヤソートーン、サラン・パリスックン、パッタドン・ウィワッサクンチャル(タイ)
21-0510 黒瀬光彦 (日本)
21-0830 坂口葉月 (日本)
21-1360 ラルフス・エドヴァルズ・アシャクス (ラトビア)
隈研吾賞(最優秀者)受賞者コメント
この度は、このような素晴らしい賞を頂き、光栄に思います。 この作品の制作にあたって、空間における家具の重要性や可能性を私自身も再認識し、 こうして人と世界を繋ぐ家具の一つの形として提案できたことを嬉しく思います。 丁寧な暮らしとはなにか、人々がそれぞれの答えを見つけ、自らの周りの環境に誇りを持ちながら生活する、 そのような世界を家具や建築を通して作っていきたいと考えております。
杉原有香
隈研吾氏コメント
6月26日にコンペの審査が無事に終わりました。
最優秀賞となる隈研吾賞に選ばれたのは、審査員の間で「もち(餅)」というニックネームが付けられた、柔らかい布と木のフレームを組み合わせた21-0133の作品です。底面の布が色々な地形に対応でき、緑の斜面にも窪地にも、ザラザラした岩があるところにも、この上にふわっと座ることができます。この作品は、色々な作品の中でも一番「東川」という場所を意識したものだと思います。地域に対してどういう提案ができるか、地域からどのようなものを引き出してくれるか、このコンペで重要にしていることに対して、一つのチャレンジングな提案だったと思います。同時に「KAGU」と謳うコンペに際し、単なる家具のコンペを超え、より空間的で宇宙に繋がるようなものであり、審査員の夢に対しても応えるものがあった提案だったと思います。
優秀賞に選ばれたのは3作品です。
21-0909の作品は、造形的にも非常に綺麗で完成度が高く、しかも「かしめる構造」という家具の世界においても大変に珍しい技術を用いたものであり、形態だけではなく技術的なことも非常に工夫がある提案ということで評価が高かったものです。
21-1331の作品は、「折り紙的な形態」ですが、折り紙の形態が単なる形態的な面白さだけではなく、完全にフラットにすることができます。完全に一枚の板にすることができ、それを立体的に立ち上げるとカチッと固まるというような、技術的にも非常に面白い提案が含まれているものでした。
21-0347は、曲木の美しいカーブを使った作品です。ロッキングして、自然の中で自分の体を自由に動かすことができるという、自然を意識しながらのデザインであり、今回の東川という場所のコンペに合った提案だと思います。
審査会では非常に面白い議論ができました。色々なバックグラウンドからの審査員の意見や、単に議論するだけではなく議論がクロスしたり、大きな社会的な問題、大きなデザインの世界の課題というものにも触れていて、ある意味でとてもスリリングな議論をみんなで楽しむことができました。第1回のコンペでこのような4つの作品が選べたことは、私にとっても今後に繋がる非常に良い結果だったと思います。
令和3年6月26日
「隈研吾&東川町」KAGUデザインコンペ審査委員長 隈 研吾
「隈研吾 & 東川町」KAGUデザインコンペの概要
テーマ
「木の椅子」のデザイン
対象
世界中の30歳以下の学生
経過
2020年12月25日 募集開始
2021年 2月27日 事前登録締切
2021年 3月31日 作品提出締切
2021年 5月17日 入選作品発表
応募数
事前登録件数 1,876件
作品提出件数 834件
審査員
【審査委員長】
隈研吾氏(建築家、東京大学特別教授・名誉教授)
【審査員】
原田真宏氏(建築家、芝浦工業大学教授)
藤原徹平氏(建築家、横浜国立大学准教授)様
日比野克彦氏(アーチスト、東京芸術大学教授)様
野老朝雄氏(美術家)様
織田憲嗣氏(椅子研究家、東川町デザインアドバイザー)様
中村拓志氏(建築家、NAP建築設計事務所)様
太刀川英輔氏(デザインステラジスト、進化思考家、NOSIGNER代表)
表彰式(予定)
9月20日(月・祝) 13時30分より 東川町にて開催
※国内の入選者及び審査員により開催。海外からの入選者は次回大会にゲストとして招へいを予定