産官学連携「かずの子レシピコンテスト」 北海道留萌市との共同研究で、新しいかずの子レシピを開発

近畿大学農学部(奈良県奈良市)は、平成30年(2018年)2月16日(金)、学生有志による「かずの子レシピコンテスト」を開催します。かずの子生産量日本一である北海道留萌市と、近畿大学は包括連携協定を締結しており、留萌市の新たな特産品開発の一環として行うものです。

【本件のポイント】
●農学部生が、北海道留萌市・かずの子加工業者・地元飲食店と協力し、かずの子の消費拡大と地域活性化事業を体験する、産官学連携の取り組み
●健康食材・伝統日本食素材としての、かずの子の利点を生かす料理を学生が提案
●レシピ考案において、健康・栄養だけでなく、地域産業と食材の関わりを学生が学ぶ機会

【本件の概要】
近畿大学と北海道留萌市は、平成28年(2016年)年に包括連携協定を締結しています。食品について学ぶ食品栄養学科などを有する農学部の学生有志で結成された「ヘルスチーム菜良」(所属人数:45人)では、留萌市が生産量日本一を誇る「かずの子」の新たな特産品開発を目指して「かずの子プロジェクト」に取り組んでいます。これまで、代表の学生達が実際に留萌市を訪問し、留萌市役所・現地の加工業者・飲食店の方々から、かずの子の消費拡大、用途拡大の必要性について学び、また、関西地域においては市場調査・消費者の嗜好調査等を重ねてきました。
今回、農学部の1~3年生から「かずの子レシピ」を募集し、その調理・審査を行います。コンテストは「お土産レシピ」と「飲食店レシピ」の2部門で行なわれ、考案されたレシピは、留萌市担当者、近畿大学社会連携推進センター担当者、農学部教員・OBらが審査します。各部門の優勝者は、今夏に北海道留萌市を訪問し、現地の方々にその料理を披露し、留萌市と関西、両方での新しいレシピ普及、かずの子の消費拡大を目指します。

■日 時:平成30年(2018年)2月16日(金)11:00~12:30 お土産レシピ部門調理
                      13:30~15:00 飲食店レシピ部門調理
                      15:00~17:00 審査・表彰
■場 所:近畿大学奈良キャンパス(奈良市中町3327-204)研究棟1階 調理学実習室
■コンテスト参加者:近畿大学農学部1~3年生の有志(約30人)

【かずの子について】
かずの子はにしんの卵巣で、「かど(にしんの地方名)の子」がなまって「かずの子」になったと言われています。昔は「干しかずの子」が多く生産されていましたが、現在では、その生産量はわずかであり、ほとんどが塩蔵品です。かずの子はお正月料理には欠かせない食材で、「子孫繁栄」を願った縁起物として食されています。
塩蔵品のかずの子は、薄い塩水で塩出しした後薄皮をむいて、出し汁、しょうゆ、酒などを合わせた調味汁に浸けたり、その上にかつお節をかけたりして食されます。(日本食品大辞典より)
かずの子は魚卵であるため、コレステロール、プリン体の含有量が多いと思われがちですが、かずの子のコレステロールの含有量は、可食部100g当たり230mg(塩蔵水戻し)であり、いくら:480mg、すじこ:510mg、たらこ(生):350mg、キャビア:500mg、鶏卵(全卵生):420mgに比べて少なく(七訂日本食品標準成分表)、かずの子の総プリン体の含有量は、可食部100g当たり25.2mgであり、たらこ:141.2mg、明太子:159.3mgの5~6分の1です(食品中プリン体含量および塩基別含有率の比較:金子 希代子, 福内 友子, 稲沢 克紀, 山岡 法子, 藤森 新/2015年)。
また、多価不飽和脂肪酸である、イコサペンタエン酸(IPA)、ドコサヘキサエン酸(DHA)の含有量も高く、かずの子(塩蔵水戻し)では、脂肪酸100g当たりIPA:11.8g、DHA:17.9gであり(まいわしはIPA:11.2g、DHA:12.6g/脂肪酸100g、五訂補強日本食品標準成分表脂肪酸成分表編)、留萌市のかずの子加工会社、井原水産(株)の商品「健康数の子」は、平成29年(2017年)5月消費者庁の「機能性表示食品」として受理され、販売されています。

【留萌市との包括連携協定について】
近畿大学と北海道留萌市は、平成27年(2015年)から、近畿大学が開発した「バイオコークス」を活用した農業用バイオマスボイラーの運用や、ポリエステル繊維培地を用いた花きや果樹の栽培試験などに共同で取り組み、平成28年(2016年)10月の包括連携協定を締結により、さらに連携を密にし、地方創生を目指し産業の振興や人材の育成を図っています。

学生考案レシピの一例。随所にかずの子を使用したアラカルト
学生考案レシピの一例。随所にかずの子を使用したアラカルト

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