【名城大学】建築学科の谷田研究室が市営住宅の定住促進案を報告
理工学部建築学科の谷田真准教授の研究室が7月12日、名古屋市住宅都市局や名古屋市住宅供給公社の担当者を招き、天白キャンパスの起業活動拠点ものづくりスペース「M-STUDIO」で名古屋市定住促進住宅「一つ山荘」プロジェクトの中間報告会を開催しました。
この取り組みは名古屋市から谷田准教授に対し、定住促進住宅への入居者を増加させるアイデアの相談があり、2021年9月から現地調査を開始。研究室全体プロジェクトとして取り組んできました。
DIYにプラスα。新たな入居者ニーズの掘り起こし
学生たちは「一つ山荘」の立地から競合する県営住宅や民間賃貸集合住宅の状況を分析し、差別化を図った新たな入居スタイルとして「ニッチな住まいを求める入居者」への訴求として「定住促進住宅DIY+」のコンセプトを提案。
家具を自分で手作りする制作解説書の「DIY+レシピ集」、そのレシピ集にあるアイテムを参加者と学生とで一緒に制作するワークショップ「DIY+スクール」、また施主のDIYへの意欲やスキルに応じて学生や外部団体がサポートする「DIY+サポート」の3つの「DIY+」を提案しました。
報告会には、レシピ集にある「ロープツール」や「ハンガーポール」の試作品も展示。住居スペースの模型やこのアイデアに辿り着くまでの過程を示したマンダラも作り、市の担当者らに説明、意見交換を行いました。
オープンソースで喜びも共有したい
中心的な役割を担った中村海斗さん(修士1年)は「家具など、1つのモノで部屋の印象は変えられる。今回の自分たちのアイデアをオープンソースで共有し、色々な人が喜んでくれ、それを自分たちも共有できれば嬉しい」。市原大輝さん(学部4年)は「研究室29人の大きなチームで、個性を生かし、役割を分担し、形になっていくことが楽しい。使う人のことを考えて、今後もアイデアを磨いていければ」と話しました。
3か年計画で横展開も視野
提案を聞いた名古屋市住宅都市局の加藤高弘 住宅部長は「非常に心強く、刺激をもらった。この「DIY+」をコラボ企画としてPRに活用したい。さらにレシピ集の充実にも期待しています」と話し、同局の宮嶋宏順 主査は「3か年ぐらいの計画で取り組みを発展させ、取り組み後にもレシピや仕組みが残り、他の住宅にも展開できればと思う。モデルルームを作れるよう関係者と相談もしていきたい。」と話しました。
今後、谷田研究室と名古屋市で協議を重ね、具体的な展開へと進める予定です。ご期待ください。