香水の日本市場(2026年-2035年)、市場規模・分析レポートを発表
株式会社マーケットリサーチセンター(本社:東京都港区、世界の市場調査資料販売)では、「香水の日本市場(2026年-2035年)、英文タイトル:Japan Perfume Market 2026-2035」調査資料を発表しました。本資料には、香水の日本市場規模、動向、セグメント別予測、関連企業の情報などが盛り込まれています。
■主な掲載内容
日本の香水市場は、2025年時点で20億米ドル規模に達しており、2026年から2035年にかけて年平均成長率(CAGR)7.4%で拡大し、2035年には40.8億米ドルに達すると予測されている。成長の中心には、パーソナライズ香水への需要、プレミアム化、ジェンダーニュートラル化、EC拡大、自然由来原料や環境配慮型包装への関心、AIを活用した香り提案などがある。特にプレミアム価格帯はCAGR8.7%、ユニセックスは8.0%、オンラインは12.2%と、市場平均を上回る成長が見込まれている。
日本市場では、強く主張する香りよりも、繊細さや個性を重視する消費傾向がパーソナライズ需要を後押ししている。ニッチブランドは、オンライン相談やAIによる嗜好分析を通じて、個人の好みに合わせた香りを提案する方向へ進んでいる。香水が単なる身だしなみ用品ではなく、「自分らしさ」を表現する商品として位置付けられている点が重要である。
2024年7月には、iRomaScentsが東京でAI搭載の香り生成システムを導入し、年齢、性別、求める感情効果などの入力情報から個人向け香水を推薦したとされる。こうした技術は接客体験を高度化すると同時に、人手を介さずに一定レベルのカスタマイズを提供できるため、店舗とECの双方で活用余地がある。
Shiseidoもテクノロジー企業と連携し、東京の旗艦店でVR型の香り探索ブースを展開しているとされる。消費者が直接サンプルを試すだけでなく、没入型インターフェースを通じて香りの特徴を理解できるようにするもので、衛生意識の高い消費行動とも親和性がある。こうした取り組みは、デジタル香りマッピングやAIパーソナライズなど、新しい小売技術の活用を示している。
2024年9月には、ShiseidoがFujitsuなどとの協力を通じて、店頭センサーから取得した生体情報をもとに香水を推薦するAI型サービスを開始したとされる。これは特に都市部のブティックやECを意識した取り組みであり、若年層を中心に高まる「自分らしさ」志向への対応策として位置付けられている。
市場では自然由来原料への需要も強まっている。健康や環境への意識を背景に、植物抽出物や精油などを使った香水への関心が高まり、Takasago Internationalなども持続可能な原料の利用を進めているとされる。
サステナビリティは包装にも及んでいる。ブランド各社はリサイクル可能な素材や詰め替え容器を採用し、廃棄物削減を進めている。また、QRコードやNFCタグを使って原料情報、製造背景、商品説明へアクセスできる仕組みも増えており、環境対応と情報透明性を同時に高める方向が見られる。
Toppanは紙基材を利用した環境配慮型NFCタグラベルを開発しており、プラスチック使用量を抑えながら通信機能を維持できるとされる。香水のようにブランドストーリーや原料由来を重視する商品では、包装自体がデジタル接点として機能することも重要になっている。
季節性も日本の香水市場を特徴付ける要素である。春にはフローラル系、冬にはより温かみやスパイシーさのある香りなど、季節によって選好が変化するとされる。そのため、ブランドは季節限定品や文化行事に合わせた限定香水を展開し、購買のきっかけを作っている。
この季節限定戦略は、香水のプレミアム化とも相性が良い。限定数量、特別パッケージ、季節テーマなどを組み合わせることで、日用品ではなくコレクション性のある商品として販売しやすくなる。
日本のポップカルチャーとの連携も重要な市場トレンドである。2025年3月には、日本の化粧品企業Libroariaが漫画「NANA」を題材とした香水ラインを開発し、東京、大阪、名古屋、札幌、福岡の5都市で期間限定店舗を展開した。これはキャラクターや物語の世界観を香りで表現し、若年層やファン層を取り込む戦略の代表例である。
競争環境でも、アニメ、漫画、アーティスト、ファッションデザイナーなどとのコラボレーションが差別化手段として重視されている。香水を「香りだけの商品」ではなく、物語や文化体験を含むコレクタブル商品として展開できるためである。
製品タイプ別では、Parfum、Eau de Cologne(EDC)、Eau de Parfum(EDP)、Eau de Toilette(EDT)、その他に分類される。このうちEDPが最大シェアを占めている。高級感や持続性を訴求しやすく、特別な機会から日常使用まで幅広い用途に対応できることが優位性を支えている。
EDPはChanelやDiorなどのグローバルブランドもユニセックス商品を展開しており、季節やシーンを問わず使用しやすい点から日本市場で広く受け入れられている。
一方、EDCはレポート本文では最も速く成長するタイプとして説明されている。軽く爽やかな香りが特徴で、日常使いしやすく、比較的価格も手頃なため、若年層や強い香りを避けたい消費者から支持を得ている。
価格帯別では、マスとプレミアムに分類され、プレミアムが市場を主導している。日本では品質、クラフトマンシップ、限定感、高級感を重視する消費者が一定数存在し、限定コラボレーションや高級百貨店・ブティックでの体験型販売がプレミアム市場を支えている。
プレミアム香水は2026~2035年にCAGR8.7%で成長すると予測されている。高品質な香料設計や洗練された包装だけでなく、自然由来・持続可能な原料を利用することも高価格を正当化する要素になっている。
2024年8月にはK3とScent Beautyが、Blue Moss、64 Gardenia、85 Tonkaの3種類のユニセックスEDPを投入したとされる。伝統的要素と現代的要素を組み合わせ、クラフトマンシップや独自性を前面に出すプレミアム市場の方向性を示す事例である。
マス市場も一定の成長を続けており、幅広い嗜好へ対応する商品数の拡大や、オンライン販売によるアクセス向上が需要を支えている。キャンペーンやコラボレーションも、低価格帯での認知拡大に利用されている。
エンドユーザー別では男性、女性、ユニセックスに分かれ、女性が最大市場を占める。日本では身だしなみや香りの繊細さが重視され、気分、季節、社会的な場面に合わせて香水を選ぶ傾向があるとレポートでは説明されている。
女性向けでは、香水だけでなくボディミストやボディローションを組み合わせるレイヤリング提案も行われている。また、持ち運びやすい小型パッケージも重視され、外出先で香りを付け直す用途に対応している。
一方、ユニセックス市場はCAGR8.0%と高い成長が見込まれている。ジェンダーに基づいて香りを分ける考え方が弱まり、香りそのものの印象やライフスタイルを基準に選ぶ消費者が増えているためである。
Aesopなどや日本のニッチブランドは、ハーブ系やミニマルな香調をユニセックス商品として展開しており、小売店でもジェンダーニュートラルな棚やマーケティングが増えているとされる。
流通チャネルではオフラインとオンラインに分かれる。現在はオフラインが最大シェアを持つ。香水は実際に香りを試してから購入するという性質が強いため、百貨店、専門ブティック、高級ブランド店舗が重要な販売拠点になっている。
オフライン店舗では、パーソナルコンサルテーション、限定品、香りの比較、空間演出などを通じてブランド体験を提供できる。特に高価格帯では、こうした対面体験が商品価値そのものの一部になっている。
2024年6月にはJo Malone Londonが東京・原宿に新たな旗艦店を開設し、香りの雲やCologne Intense Roomなどインタラクティブな体験を導入した。銀座や大阪・梅田など高密度商業地区も、高級香水の主要販売拠点とされている。
一方、最も速く成長するのはオンラインで、2026~2035年のCAGRは12.2%に達すると予測されている。Rakuten、Amazon Japan、ブランド公式サイトなどで、レビュー、AI推薦、デジタル香り診断などを利用できるようになり、香りを直接試せないというECの弱点を補う仕組みが進んでいる。
サンプルキットや定期購入もオンライン拡大を支えている。最初からフルサイズを購入するのではなく、小容量を試してから本製品を選べるため、ECでも購入リスクを下げられる。特に若年層や働く消費者にとって、店舗へ行かずに比較・購入できる利便性が大きい。
AIは製品推薦だけでなく、香水開発そのものにも利用されている。レポートでは、Science Tokyoが2025年に、ユーザーが設定した香りの特徴をもとに新しい香水を自動生成するAIモデルを開発したとしている。企業もAI・機械学習を使って消費者行動を分析し、ターゲット層に合った香調設計を進めている。
このため、今後の香水市場では「調香師の感性」と「データ分析」を組み合わせる開発方式が広がる可能性がある。AIが消費者の好みを分析し、候補となる香りの組み合わせを絞り込み、人間が最終的なクリエイティブ判断を行うような役割分担が考えられる。
主要企業としてはChanel、Kao、Takasago International、Ogawa & Co.などが紹介されており、このほかShiseido、Issey Miyake、LVMH、Kering、LUZ、Essentiaなどが市場に関与している。
Chanelは1910年創業のフランス企業で、ブランドの伝統性と季節限定商品を活用し、日本向け限定展開なども行っている。高級ブランドとしての長期的な認知度と限定性が競争力である。
Kaoは1882年創業の日本企業で、日常商品での爽やかな香りの設計や、スキンケア技術を活かしたウェルネス志向の機能性香水に強みを持つとされる。
Takasago Internationalは1920年創業の東京企業で、研究開発への投資が大きく、国内外の高級ブランド向けに香料をカスタマイズしている。AI分析や持続可能な植物原料も活用し、B2Bの香料開発企業として重要な位置を占める。
Ogawa & Co.は1893年創業で、精油や自然由来香料の研究に強みを持ち、アーティザナル香水メーカーなどに原料を供給している。クリーンラベル型の香水や日本の植物文化を意識した商品開発にも取り組んでいるとされる。
総合すると、日本の香水市場は2025年の20億米ドルから2035年には40.8億米ドルへとほぼ倍増し、CAGR7.4%の比較的高い成長が見込まれている。市場の中心は単なる数量増ではなく、プレミアム化、パーソナライズ、ジェンダーニュートラル化、EC、デジタル体験による高付加価値化である。
特にプレミアム価格帯のCAGR8.7%、ユニセックスの8.0%、オンラインの12.2%という数値から、今後の成長が「高価格・個性重視」「性別に縛られない香り」「デジタル販売」に集中するとみられる。
2035年に向けた主要テーマは、AIによる香り診断・調香、パーソナライズ、プレミアム・限定商品、ユニセックス化、自然由来原料、サステナブル包装、VR・デジタル店舗体験、ECとサンプル販売、漫画・アニメなどポップカルチャーとのコラボレーションに集約できる。日本の香水市場は、「既製品の香りを店頭で選ぶ市場」から、「個人の嗜好やアイデンティティをデータと体験を通じて反映する、パーソナルなライフスタイル市場」へ移行していくと考えられる。
※目次構成
エグゼクティブサマリー
1.1 市場規模(2025~2026年)
1.2 市場成長予測(2026年予測~2035年予測)
1.3 主な需要促進要因
1.4 主要企業と競争構造
1.5 業界のベストプラクティス
1.6 最新動向と最近の展開
1.7 業界見通し市場概要およびステークホルダー分析
2.1 市場動向
2.2 主要産業分野
2.3 サプライヤーの交渉力
2.4 買い手の交渉力
2.5 主な市場機会とリスク
2.6 ステークホルダーによる主要施策経済概要
3.1 GDP見通し
3.2 一人当たりGDPの成長
3.3 インフレ動向
3.4 民主主義指数
3.5 政府総債務比率
3.6 国際収支(BoP)の状況
3.7 人口見通し
3.8 都市化動向カントリーリスク分析
4.1 カントリーリスク
4.2 ビジネス環境アジア太平洋地域の香水市場分析
5.1 主要業界ハイライト
5.2 アジア太平洋地域の香水市場の過去実績(2019~2025年)
5.3 アジア太平洋地域の香水市場予測(2026~2035年)日本の香水市場分析
6.1 主要業界ハイライト
6.2 日本の香水市場の過去実績(2019~2025年)
6.3 日本の香水市場予測(2026~2035年)タイプ別・日本の香水市場
7.1 パルファム
7.1.1 過去の推移(2019~2025年)
7.1.2 予測推移(2026~2035年)
7.2 オーデコロン(EDC)
7.2.1 過去の推移(2019~2025年)
7.2.2 予測推移(2026~2035年)
7.3 オードパルファム(EDP)
7.3.1 過去の推移(2019~2025年)
7.3.2 予測推移(2026~2035年)
7.4 オードトワレ(EDT)
7.4.1 過去の推移(2019~2025年)
7.4.2 予測推移(2026~2035年)
7.5 その他
- 価格帯別・日本の香水市場
8.1 マス市場向け
8.1.1 過去の推移(2019~2025年)
8.1.2 予測推移(2026~2035年)
8.2 プレミアム
8.2.1 過去の推移(2019~2025年)
8.2.2 予測推移(2026~2035年)
- エンドユーザー別・日本の香水市場
9.1 男性
9.1.1 過去の推移(2019~2025年)
9.1.2 予測推移(2026~2035年)
9.2 女性
9.2.1 過去の推移(2019~2025年)
9.2.2 予測推移(2026~2035年)
9.3 ユニセックス
9.3.1 過去の推移(2019~2025年)
9.3.2 予測推移(2026~2035年)
- 流通チャネル別・日本の香水市場
10.1 オフライン
10.1.1 過去の推移(2019~2025年)
10.1.2 予測推移(2026~2035年)
10.2 オンライン
10.2.1 過去の推移(2019~2025年)
10.2.2 予測推移(2026~2035年)
- 市場ダイナミクス
11.1 SWOT分析
11.1.1 強み
11.1.2 弱み
11.1.3 機会
11.1.4 脅威
11.2 ポーターの5フォース分析
11.2.1 サプライヤーの交渉力
11.2.2 買い手の交渉力
11.2.3 新規参入の脅威
11.2.4 競争の激しさ
11.2.5 代替品の脅威
11.3 主要需要指標
11.4 主要価格指標
バリューチェーン分析
12.1 主要ステークホルダー
12.2 バリューチェーンの各段階日本の貿易動向(HSコード:3303)
13.1 国別・日本の輸出入量
13.2 国別・日本の輸出入額調達インサイト
14.1 契約条件
14.2 コスト構造
14.2.1 原材料
14.2.2 ユーティリティ費用
14.2.3 人件費
14.2.4 固定費
14.2.5 価格設定モデル
14.3 ベンダー選定基準
14.4 地域レベルにおけるサプライヤーおよび買い手の交渉力
14.4.1 需要
14.4.2 供給
14.4.3 原材料/原料の供給可能性
14.4.4 サプライヤーの交渉力
14.4.5 買い手の交渉力
14.5 調達戦略:ベストプラクティス
- 競争環境
15.1 サプライヤー選定
15.2 主要グローバル企業
15.3 主要国内企業
15.4 主要企業の戦略
15.5 企業プロファイル
15.5.1 Chanel S.A.
15.5.1.1 企業概要
15.5.1.2 製品ポートフォリオ
15.5.1.3 顧客・市場カバレッジおよび実績
15.5.1.4 認証
15.5.2 Kao Corp.(花王株式会社)
15.5.2.1 企業概要
15.5.2.2 製品ポートフォリオ
15.5.2.3 顧客・市場カバレッジおよび実績
15.5.2.4 認証
15.5.3 Takasago International Corporation(高砂香料工業株式会社)
15.5.3.1 企業概要
15.5.3.2 製品ポートフォリオ
15.5.3.3 顧客・市場カバレッジおよび実績
15.5.3.4 認証
15.5.4 Ogawa & Co., Ltd.
15.5.4.1 企業概要
15.5.4.2 製品ポートフォリオ
15.5.4.3 顧客・市場カバレッジおよび実績
15.5.4.4 認証
15.5.5 Shiseido Co. Ltd.(株式会社資生堂)
15.5.5.1 企業概要
15.5.5.2 製品ポートフォリオ
15.5.5.3 顧客・市場カバレッジおよび実績
15.5.5.4 認証
15.5.6 Issey Miyake Inc.
15.5.6.1 企業概要
15.5.6.2 製品ポートフォリオ
15.5.6.3 顧客・市場カバレッジおよび実績
15.5.6.4 認証
15.5.7 LVMH Moët Hennessy Louis Vuitton SE
15.5.7.1 企業概要
15.5.7.2 製品ポートフォリオ
15.5.7.3 顧客・市場カバレッジおよび実績
15.5.7.4 認証
15.5.8 Kering SA
15.5.8.1 企業概要
15.5.8.2 製品ポートフォリオ
15.5.8.3 顧客・市場カバレッジおよび実績
15.5.8.4 認証
15.5.9 LUZ Co., Ltd.
15.5.9.1 企業概要
15.5.9.2 製品ポートフォリオ
15.5.9.3 顧客・市場カバレッジおよび実績
15.5.9.4 認証
15.5.10 Essentia Co., Ltd.
15.5.10.1 企業概要
15.5.10.2 製品ポートフォリオ
15.5.10.3 顧客・市場カバレッジおよび実績
15.5.10.4 認証
15.5.11 その他
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