カーボンネガティブなCO2固体炭素化事業の実現可能性調査事業が、「令和5年度 二酸化炭素排出抑制対策事業費等補助金(廃棄物処理施設を核とした地域循環共生圏構築促進事業)」に採択決定
スマートシティ企画株式会社(以下スマートシティ企画)、株式会社タクマ(以下タクマ)、さいたま市が3者で申請した、さいたま市サーマルエネルギーセンター由来のCO2・電気・熱を利用してカーボンネガティブな固体炭素材料を製造する事業(CO₂固体炭素化事業)の実現可能性調査事業が、環境省が実施する「令和5年度 二酸化炭素排出抑制対策事業費等補助金(廃棄物処理施設を核とした地域循環共生圏構築促進事業)」に採択されました。
CO2固体炭素化事業の概要
さいたま市が建設中のさいたま市サーマルエネルギーセンターに、排ガス中のCO2を原料として固体炭素を生成する設備(CO2固体炭素化システム)を併設し、そのシステムに施設から発生する電気・熱を供給することでカーボンネガティブな固体炭素を製造する事業を想定して、事業の実現可能性を調査してまいります。
製造した固体炭素によるCO2排出量削減ロジック
CO2固体炭素化システムにおいて、廃棄物焼却発電施設から生じる排ガス中のCO2を原料に使い、廃棄物焼却発電施設のエネルギーを利用して製造した固体炭素はカーボンネガティブとなり、既存の炭素製品と代替することで、既存製品を製造する際のCO2排出量削減に貢献することが期待されます。
一例として、カーボンブラック(以下「CB」という。)を製造する従来の方法は、原料に化石資源を用いており、製造過程でもエネルギー源として化石燃料を使用するため、エネルギー起源CO2を排出します。流通するCBを本事業による固体炭素と代替することで、従来の方法で製造したCBの使用量を低減し、製造に伴って排出されるエネルギー起源CO2の削減が可能となります。 さらに、炭素製品として利用されることにより、CO2を中長期的に固定できるため、廃棄物に由来する非エネルギー起源のCO2やバイオマス由来のCO2の排出量削減にもつながることが期待されます。
※CBは地域工業需要 (タイヤメーカー、顔料メーカー、鉄鋼業など)での利用が期待されます。
さいたま市の脱炭素化に資する取組
さいたま市は、2022年4月に「脱炭素先行地域」の採択を受け、その実現に向けた取組の一つとして、カーボンリサイクル技術「CCUS(CO2の回収・有効利用・貯留:Carbon dioxide Capture, Utilization and Storage)」の実用化等を通じて、ゼロカーボンシティの実現を目指しています。