【名城大学】外国語学部の2~4年生が英語劇「かもめ」を東文化小劇場で上演
「人を育てるドラマプロジェクト」の一環 ドラマ教育・演劇教育の集大成
外国語学部が「学びのコミュニティ創出支援事業」で取り組む「人を育てるドラマプロジェクト」の一環で、岩井眞實教授(演劇学)のゼミ生と岩井教授、アヤ・マレー准教授(演劇教育法)が担当する「基礎演習Ⅲ・Ⅳ」を受講する学生たちが11月8~10日の3日間、名古屋市東区の東文化小劇場で、チェーホフ作の戯曲「The Seagull(かもめ)」を英語で上演しました。
恋や夢をめぐって織りなす人間模様 1時間30分にわたって熱演
外国語学部では2022年度から英語と日本語による本格的なドラマ教育(演劇教育)の授業を始めており、「基礎演習Ⅲ・Ⅳ」ではゲームやエチュード(即興)を採り入れて心身を解放する「ドラマ」を学び、さらに発声やセリフの言い方の練習、ストーリーの解釈なども実践しています。また、岩井ゼミでは学生たちが7月に演劇「東京ノート」を上演し、ゼミの研究の成果を披露しました。
今回の演劇公演はその集大成で、2~4年生25人がセリフを渡された8月から練習をスタートし、10月からは多い日で1日6時間もの稽古を積み重ねて本番を迎えました。「かもめ」は、作家を目指す青年や女優を志すその恋人、青年の母の大女優とその愛人の作家らがそれぞれの恋や夢をめぐって織りなす人間模様が描かれた群像劇で、学生たちは演技だけでなく、それぞれの役の内面の理解にも努めてきました。
3日間でゲネプロ(公開練習)を含めて計4回行われた公演では、時に激しく、時には静かにセリフを語るなど、学生たちは感情豊かな芝居を随所で見せ、英語のセリフも分かりやすく発音するなど、約1時間30分にわたって熱演を披露。舞台奥の背景に字幕を映し出したり、演者が客席から舞台へと上がったりする演出もあり、カーテンコールでは観客から盛んな拍手を浴びていました。
「セリフの裏にあるものを表現し、伝えることができた」と岩井教授
「私たちは役者としてはアマチュアですが、学問として演劇を学んでいるという意識を常に持って稽古を積んできました」と医師ドールンを演じた矢野芙玲羅さん(4年)。上演後には「練習通りのアベレージは出せたと思います」と充実した表情を見せました。演出を担当したマレー准教授は「役の気持ちを理解して、それを採り入れて演じるように指導しましたが、舞台に立って豊かな表現力を見せてくれた学生たちに満足しています」と評価しました。
自らも作家志望の青年の伯父ソーリン役で出演した岩井教授は「実際にセリフとして表には出ませんが、そのセリフの『裏』にあるものが何かを学生たちは考えて、それを表現できるようになり、観客にしっかり伝えることができたと思います」と学生たちの成長ぶりを喜んでいました。