【名城大学】学生の金融リテラシー向上に挑戦する若き金融教育家

株や投資を理解して、社会を考えるきっかけに

経営学部 経営学科2年生 片野源也(かたのもとや)さん

高校時代に母の影響で株に興味を持った片野さん。株とは?投資とは?と考える中で、企業経営を学びたいと思い名城大学の経営学部へ。証券研究会に入部し、学生の金融リテラシーの向上を目的にした「株トラカップ」への参戦から、株式の投資先である企業そのものを知ることの大切さを痛感。現在は上場企業への取材を行い、記事にして中高生に広く伝える活動に力を入れています。企業を知ることは社会経済を知ることであり、その先にある株式投資は、これからの世の中においてさらに重要になると語る片野さん。日本の株式市場が話題になっていることもあり、片野さんの活動にフォーカスを当ててみました。

Q未来金融研究部の名城大学支部長になったそうですね。そもそも未来金融研究部とは?

もともとは、1年生の時に名城大学の証券研究会に入り、そのメンバーで金融知識の理解を深めることを目的とした「株トラカップ」というイベントに参加したことから始まります。「株トラカップ」は、パソコンやスマホを使って株の売買をシミュレーションで行い、収益率を競う大会です。参加できるのは全国の中、高、大学生で、これまでに2回開かれています。第2回開催時(シーズン2)には名城大学も証券研究会として3チームで出場し、そのうちの1チームが団体戦で準優勝することができました。

「株トラカップ」では、およそ2カ月の期間中に、東証上場企業およそ3800社の中から毎月4銘柄を選び、好きなタイミングで買い注文と売り注文を行います。シミュレーションシステムを使うため資金は不要ですが、収益を競うわけですから銘柄選びが重要になります。ただ検証してみると、学生は社会との接点が少ないためか、どうしても有名企業に投資しがちなんです。有名ではなくてもいい企業がたくさんあるということを含めて、まずは企業を知ることが大事だという観点から立ち上がった組織が「未来金融研究部」です。「未来金融研究部」では、中、高、大学生に上場企業の魅力を知ってもらうために、学生自らが会社を取材し、それを記事にしてWebサイトで公開しています。言ってみたら、「未来金融研究部」で企業を知り、企業のことを学び、「株トラカップ」で実践するという流れですね。
そして、この活動に賛同する大学生たちからの、自分の大学内で「未来金融研究部」の活動を行いたいという要望から「未来金融研究部 大学支部」が2023年に立ち上がりました。名古屋では名城大学と名古屋大学に設置されています。私はそのうち名城大学の支部長になりました。

Q投資に興味を持ち始めたのはいつごろからですか??

私の親がとても教育熱心で、インターナショナルの幼稚園に通い、中学受験を経て、実家のある大垣から名古屋市内の中学まで、片道1時間半かけて毎日通っていました。高校にエスカレーターで入学した時にコロナ禍に入り、友人関係が疎遠に。必然的に一人で過ごす時間が長くなりました。そんな時、母からNISAをやらないかと声をかけられたことがきっかけで、株に興味を持つように。母は以前から投資をしていたのですが、私にはまったく未知の世界。少額ながらも貯めていたお年玉を母に預け、母と一緒に証券会社にも行きました。そこで、プロと呼ばれる人たちから金融や投資などの話を詳しく聞くことがとても楽しく、また高校生の私にでもわかりやすく説明してくれる姿に憧れを抱くようになりました。それから経済新聞や経済番組を見るようになり、自分で調べる楽しさ、考えるおもしろさを知り、金融についてもっと学びたいと思うようになった結果、名城大学の経営学部への進学を決めました。経済は自分で調べたら理解できそうですが、経営となると、より実践的な学問になるため、自分では学びきれないのでは、というのが経営学部を選んだ理由です。

Q入学前から証券研究会に入ることは決めていたのですか?

いいえ。僕が通っていた高校が進学校でしたので、同級生らは超難関大学と言われるところに進学していきました。そんな中での名城大学への入学は、正直本意ではありませんでした。気力も失い、当時は何をやりたいのか、何をやればいいのかわかりませんでした。それでも、せっかく大学生活を送るなら何かやらなければ!という思いだけは強く、これまでやってきたことの中で株が一番おもしろいと思えたことでしたので、まずは証券研究会に入ってみようかな、くらいの軽い気持ちでした。部員は20人ぐらいの小さなサークルでしたが、メンバーはとてもまじめで、大会に向けても皆で真剣に取り組みました。メンバーと一緒にこの大会に出場していなければ、今のような活動には繋がっていかなかったと思います。

Q未来金融研究会での活動を、さらに詳しくお伺いしたいです。

東海地方に拠点を置く上場企業に取材に出かけています。特に株や投資といった観点ではなく、中高生に向けて、企業そのものを知ってもらうことが目的の記事です。また、最近では自分の母校の高校生に向けて講演も行いました。テーマは「企業・社会を知る」です。大学生にももっと企業のことを知ってもらいたいと思い、未来金融研究会の名城大学支部の立ち上げを申請し、設立に至りました。大学生の場合、就職活動で初めて企業を研究しますが、それはあくまでも自身の就職のためですよね。そうではなく、もっと幅広く、社会や経済的な観点から企業を見ることの大切さを伝えています。その先にあるのが「株トラカップ」です。「株トラカップ」に参加することを通じて、投資について学び、年金問題や行政のあり方にまで思考を巡らせるきっかけになっていると思っています。

Qゼミではどのような勉強をしていますか?

山岡ゼミに所属しており、マーケティングに関する研究を行っています。先生の講義は実社会とのつながりを重視した実践的なもので、とても興味深いです。ゼミでは企業とコラボレーションした商品を企画、販売するなど、貴重な経験をさせてもらっています。山岡先生と出会えたことは、名城大学に入ってよかったと思えたことの一つと言えます。また、高校時代、友人ができずに保守的になっていた私が、このゼミに入ったことで刺激を受け、何事にもチャレンジしようと思える人間に変われたことも、素晴らしい仲間との出会いがあったからだと思っています。

Q将来の目標を聞かせてください。

まずは直近の目標としては、「株トラカップ」の個人戦と団体戦のダブル優勝を目指します。その先は、具体的にどのような方向に進んでいこうか決めていませんが、「自分のやりたいこと」と「それが世の中に役立つこと」という軸をぶらさずに、今の活動を将来に繋げていきたいと思っています。

経営学部 経営学科2年生 片野源也(かたのもとや)さん

岐阜県大垣市出身。小学校から中学までサッカーに没頭していたが、高校になると周囲のレベルの高さから選手としてプレーすることを諦める。同時にコロナ禍に突入し、一人で過ごす時間が長くなったことで株の勉強を始める。現実主義で、実は浪費家と自己分析する。

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